化学の授業を受けなくても独学で学べる講義系参考書5冊をご紹介
今回は、化学の授業を受けなくても独学で学べるほど分かりやすい講義系参考書を5冊ご紹介します。
化学の問題は覚えるべき知識が多い上、無機化学、有機化学、理論化学と同じ化学の中でも分野が広いため、教科書だけを使って独学で進めるのは難しいところがあります。そこで役立つのが、予備校のような授業をそのまま文字化したような形の講義系参考書です。
今回ご紹介する5冊の参考書は、どれも教科書と併用することで理解度がさらにアップするような講義系参考書となっています。教材によって、教科書の内容がどれくらい分かりやすくかみ砕いて解説されているかが異なりますので、自分の求める分かりやすさのものを選ぶのがおすすめです。
それでは、各教材について詳しく見ていきましょう。
解説が丁寧で分かりやすく、初心者にもおすすめの2冊『岡野の化学が初歩からしっかり身につくシリーズ』と『宇宙一わかりやすい高校化学シリーズ』
最初にご紹介するのは『岡野の化学が初歩からしっかり身につくシリーズ』と『宇宙一わかりやすい高校化学シリーズ』の2冊です。化学の講義系参考書の中でも解説が特に詳しく分かりやすい教材となっています。
大学入試の化学は基礎的な暗記事項が決まっているため、講義系参考書による難易度のばらつきはほとんどありません。ただし、解説の仕方が化学の苦手な人向けか、あるいは得意な人向けの簡潔な解説かという点で違いがあります。『岡野の化学が初歩からしっかり身につくシリーズ』や『宇宙一わかりやすい高校化学シリーズ』は、化学が本当に苦手な人や、化学をゼロからスタートする人にも理解できるような分かりやすい解説です。
化学を独学で学習したい場合や、あるいは学校の授業を先取りして勉強したい場合におすすめとなっています。たとえば、『宇宙一わかりやすい高校化学シリーズ』では、化学の現象や理論が分かりやすく理解できるように具体例が多く用いられているのが特徴です。
また、化学的な現象をほかの物事に例える解説もなされています。気体の分子の運動を解説する際に分子を飛行機に例えるなど、目に見えない化学現象をイメージしやすい形で解説してくれているのがおすすめポイントです。化学をゼロから学ぶ初心者の人はぜひ、『岡野の化学が初歩からしっかり身につくシリーズ』か『宇宙一わかりやすい高校化学シリーズ』のどちらかを使って学習してください。
重要ポイントを簡潔にまとめつつ解説もわかりやすいバランスの取れた2冊『鎌田の理論化学の講義』と『坂田薫のスタンダード化学』
次にご紹介する『鎌田の理論化学の講義』と『坂田薫のスタンダード化学』は、ともに解説の分かりやすさとまとまり具合のバランスがよい講義系参考書です。化学が苦手な人向けのゼロからの解説ではなく、重要なポイントを簡潔にまとめた解説が載っています。大学入試の化学の問題を解くために重要なポイントに絞った的確な解説です。
化学の授業を受けてある程度理解しているが、さらにポイントを絞って分かりやすく理解したいという人におすすめの教材となっています。特に、『鎌田の理論化学の講義』は、入試で頻出の分野を手厚くカバーし、あまり出題されない分野は簡潔に済ませるという形のメリハリがついた参考書です。
なお、『坂田薫のスタンダード化学』の方は動画で学習できるオンライン教材「スタディサプリ」の坂田先生の授業とセットで用いることが想定されているため、スタディサプリを受けている方は合わせて使うことをおすすめします。『鎌田の理論化学の講義』と『坂田薫のスタンダード化学』は、どちらも入試に出やすいポイントが簡潔にまとまっているため、入試の得点力に直結しやすい教材です。
教科書の内容をシンプルですっきりした形にまとめた参考書『高校 これでわかる化学』
最後にご紹介する『高校 これでわかる化学』は、高校の化学の教科書に準じた内容で、教科書を分かりやすく解説した参考書です。そのため、解説はほかの講義系参考書と比較するとシンプルになっています。化学が苦手な受験生に対する分かりやすい説明というよりは、教科書に書いてある内容を整理してまとめたような参考書です。教科書のようなシンプルですっきりとした解説が合う人で、教科書だけだと内容理解が不十分だと感じるひとにおすすめします。
また、別教材の『化学 必修整理ノート』に載っている空欄穴埋め形式の問題を併用することで、覚えた知識が定着しているかどうかを確認することも可能です。
まとめ
今回は、化学が独学で学習できる講義系参考書を5冊ご紹介しました。教材によって、解説の切り口や分かりやすいさが異なります。
化学を初めて勉強する人でも独学で進めやすい教材は、『岡野の化学が初歩からしっかり身につくシリーズ』と『宇宙一わかりやすい高校化学シリーズ』です。また、それよりも要点に絞った形で分かりやすい解説が載っている教材は『鎌田の理論化学の講義』と『坂田薫のスタンダード化学』となっています。
さらに、教科書に近い形ですっきりとした解説が好みという人には、『高校 これでわかる化学』がおすすめです。入試本番まで化学にかけられる時間が多い人は、最初にご紹介した2冊を使って基礎を固めていきましょう。本番まで化学に使える時間があまり残されていない場合は、入試で頻出の要点に絞って解説されている『鎌田の理論化学の講義』などがおすすめです。
自分の今の化学の理解度に合わせて、ぜひ最適な参考書を選んでください。