科目 | 化学 |
出版社 | 旺文社 |
目的 | 理論化学の基礎固め |
対象者 | 中堅私大レベルの化学の基礎固めをしたい人 |
難易度 | 中堅私大レベル |
分量 | 320ページ |
使用期間 | 高3 夏休みいっぱい頃まで |
ジャンル | 理論化学 講義型参考書 |
具体的なオススメポイント
講義形式の解説で、化学が苦手な人でも分かりやすい
注意点
問題演習と並行して行い、同シリーズの2冊で有機化学と無機化学もあわせて学習すること
無機化学の基礎固めなら『鎌田の理論化学の講義』
『鎌田の理論化学の講義』は、大学受験に必要な理論化学の基礎固めに最適な1冊です。同じシリーズには3冊のシリーズが出ていて、『福間の無機化学の講義』『鎌田の有機化学の講義』と合わせて学習することで、中堅私大レベルの化学なら合格点が取れるレベルの実力が身につきます。
この参考書は、ベテラン講師の授業内容をそのまま文字起こしたような文体で書かれている講義形式の参考書なので、解説が分かりやすいです。化学に苦手意識がある人でもしっかりと基礎を理解できます。
化学の受験勉強をこれから始める人や、教科書でどこを覚えるべきかいまいち分からないという人、授業で一通りやったものの模試で点数が取れずに悩んでいる人にもおすすめです。本記事では、『鎌田の理論化学の講義』の特長や、理論化学を学習する際のポイント、このシリーズを終えた後に取り組みたいおすすめ問題集についてご紹介します。
理解した内容は問題を解いて確認しよう
参考書に書かれている内容は、一度読んだだけでは記憶に定着しません。読んだ内容をきちんと理解できているかどうか確認するためには、その範囲についての問題を解くことが必要です。鎌田の理論化学の講義を読んで単元の基本事項が理解出来たら、問題集を使って知識を定着させることをおすすめします。おすすめの問題集として、『化学Ⅰ・Ⅱ 入門問題精講』が挙げられます。この問題集は、化学の入試問題を解くために必要な基本的な解法パターンが学習できるので、各単元の理解を深めるのに役立ちます。
問題集を解いていく中で、解けない問題が出てきたら、なぜ解けないのかを明確にしましょう。計算方法を忘れてしまったのか、必要な定理が思い出せなかったのかなど、解けなかった原因を明確にすると実力がつきます。また、知識が曖昧なところがあれば『鎌田の理論化学の講義』で該当範囲を読み直して整理しておくのがおすすめです。この作業を繰り返し行うと、化学の問題を解くための基礎知識が身につきます。
同シリーズの3冊で解説されている内容を仕上げれば、日大合格レベルや、MARCHの易しい問題が解けるレベルまで到達できます。講義部分のテキストをしっかり読み、理解した内容を問題集を解いて定着させていってください。
暗記事項は別冊の「最重要Point総整理」で覚えよう
『鎌田の理論化学の講義』には小冊子がついています。この別冊付録には、入試で必要な化学の知識が整理されていて、暗記しやすい形にまとまっているので便利です。この別冊の知識を反射的に思い出せるようにしておけば、標準的な化学の入試問題で困ることはなくなるでしょう。
しかし、この別冊の内容を最初から完全に暗記するのは簡単ではありません。そのため、まずこの小冊子の中の重要事項に絞って、自分の言葉で説明できるというところを目指してください。
特に、理論化学の入試問題では、問題文に出てくる用語の意味や計算方法がすぐに思い浮かぶようにしておくと、それだけ有利に点がとれます。教科書の知識をかみ砕いてコンパクトにまとめた別冊付録を使って、必要な知識を反射的に思い出せる状態にしておきましょう。何度も繰り返し学習することで、理論化学の計算が楽にできるようになります。
同シリーズの3冊が終わった後におすすめの問題集
鎌田の理論化学、有機化学、福間の理論化学の3冊が一通り解けるようになったら、『化学レベル別問題集 3 上級編』でさらに演習を積み重ねていくのがおすすめです。レベル別問題集3は、MARCHの化学の問題で合格点が取れるレベルの問題が掲載されています。基礎知識を理解したうえでこの問題集を仕上げれば、ほとんどの大学に通用する実力が身につくでしょう。問題集を解くときのポイントとしては、分からない問題が出てきたときに、10分前後は試行錯誤してから模範解答を見るようにすることが挙げられます。足りない知識や苦手な問題が明確になったり、初見の問題に対応するための思考プロセスが身につきます。
また、間違ってしまった問題を2周、3周と復習して、悩まなくても反射的に解けるレベルまで仕上げていきましょう。繰り返し解いていると正解を覚えてしまいますが、どういう解き方をするのか、問題を解くまでの考え方をきちんと確認することが大切です。ただ正解を出すだけでなく、なぜその解き方になるのかという根拠が自分の言葉で説明できるようにすると、応用力が身につきます。
まとめ
今回紹介した『鎌田の理論化学の講義』は、中堅私大レベルの化学の実力がみにつく講義形式の参考書です。化学に苦手意識がある人や、これから化学の受験勉強をスタートする人でも理解しやすい内容です。また、別冊の「入試で使える最重要Point総整理」には、入試問題を解く際に覚えておきたい化学の基本事項がまとまっています。
問題演習と並行して、この小冊子の内容も暗記していけば、理論化学の計算で手が止まってしまうことはなくなるでしょう。繰り返し勉強して、必要な知識をインプットしていってください。入試で化学を得点源にしたい人はぜひ、今回紹介した学習方法やおすすめの問題集を使って実力をアップしていってください。