学部名 | 経済学部 | 商学部 |
入試科目 | 世界史 | 世界史 |
試験時間 | 80分 | 60分 |
配点 | 150/420 | 150/400 |
解答形式 | 論述 | 一問一答、空所補充、記述問題 |
特徴 | 教科書にまとめられている内容や用語の周辺知識などが多い | 110題程度の空所補充問題が出題される |
今回は同じ慶應大学の経済学部と商学部の出題傾向を比較。同じ大学でも学部によって出題傾向が違うことはよくあります。同じ大学の他学部を併願する場合には、それぞれの学部の出題傾向を必ず確認しなければなりません。
学部によって求められる能力は違う
学部が違う、ということは学ぶ分野が違うということでもあります。同じ大学でもそれぞれの学部で求められてる能力は変わってきます。特に私立大学の場合は、学部にまたがっての併願が出来るために、同じ大学でもそれぞれの学部の出題傾向を確認して必要な対策を行います。
今回は慶應大学の経済学部と商学部の出題傾向を比較します。経済学部と商学部では、経済や経営、商業など似ている分野を学ぶというイメージがあるでしょう。
実際の入試問題の内容は、それぞれの学部によって異なり、どのような学生が求められているかが表されているといえます。今回比較する世界史の入試問題では、出題範囲や解答方式、問題の難易度とそれぞれの学部で大きく違うことが分かります。
地理歴史が選択科目の経済学部
慶應大学経済学部では、世界史に限らず他の教科でも特徴的な入試問題が出題されます。420点満点中150点が世界史の配点。80分の試験時間のうち、大問3題が出題されます。
解答形式は論述で、出題範囲は1500年以降の近現代史が中心。ここで問われるのは、単純に語句や事項を暗記しているだけではなく教科書などを使って歴史の流れをきちんと理解しているかどうかであるといえます。
経済学部の受験では、地理歴史を選択して世界史または日本史で受験するか、数学を選択して受験すること可能。また国立大学との併願校として受ける受験生も多く見られるため、国立2次試験のために論述の対策を行なっている受験生などは比較的取り組みやすいでしょう。
地理歴史が必須科目の商学部
慶應大学商学部の世界史は400点満点中100点の配点。試験時間は60分で、経済学部と同様に大問は3題です。解答形式は、空所補充や一問一答が中心となっているため、問われているのは語句や事項の正確な理解や知識であるといえます。
一部に記述問題もありますが、20字程度であることなどを考えても、やはり知識を重視していることが分かります。経済学部と違って、商学部の場合は地理歴史は必須科目となっており、世界史、日本史、地理から選択する必要があります。
地理歴史が必須科目となっているため、十分な対策を行なっている受験生との勝負となるでしょう。そのような中で知識の確実性が問われるため、ミスの出来ない出題形式だといえます。
歴史の流れの全体像を記述できる能力を求められる経済学部
慶應大学経済学部の受験生は必ず記述対策を行いましょう。論述内容は、1500年以降の近現代史が中心となって出題されるため、対策範囲を絞りやすいでしょう。
論述で問われるレベルはそれほど高くはなく、教科書にまとめられている内容であったり、用語の周辺知識など。特別な内容ではなく、マニアックなものの出題はあまりないという印象です。
世界史をきちんと勉強していれば分かる内容であるため、解答を簡素に過不足なくまとめて記述できるようになることが目標となります。論述の参考書を1冊仕上げてから、過去問をやりこむことで十分な得点を狙える内容です。
高得点での争いになる商学部
慶應大学商学部では、あらかじめ語群が与えられ、長い問題文の中に当てはめていく空所補充問題が中心です。ただし、全部で110題程度の空所補充問題が出題されているため、選択肢となる語群も大量に示されます。
大量に提示される語句に対して必要なのは、文脈に即している正しい語句を選ぶこと。つまり正しい知識があるかが問われる入試問題であるといえます。
前述の通り地理歴史は必須科目であるため、社会で失敗することは許されません。商学部でも内容としてはマニアックなものは出題されない印象があるため、標準レベルの難易度の問題に対して完成度の高い対応力を養って、とにかくミスをしないこと。
まとめ
入試問題は、それぞれの学部によって受験生に求められる能力を計るためのものであるといえます。今回比較した慶應大学の経済学部と商学部では、入学後に学ぶ内容は似た部分がありますが、出題傾向は大きく違います。
どちらの学部もマニアックな知識などは求められるわけではなく、標準的な「受験生であれば知っていて当たり前」というような内容が出題されます。その中で、経済学部はその知識を記述としてアウトプットできるか、商学部はより正確に記憶して理解しているかが問われています。
このような出題傾向の違いは他大学でも言えることで、たとえ似たような学部であっても、受験する大学、学部の過去問などに取り組んであらかじめ出題傾向を確認しましょう。