大学名 | 早稲田大学国際教養学部 | 国際基督教大学 |
入試科目 | 英語 | 英語 |
試験時間 | 90分 | 90分(リスニング30分、リーディング60分) |
配点 | 85/200 | 90/250 |
大問構成 | 1,2:長文読解 3:会話文 4:要約 5:自由英作文 | リスニング:Part1,2,3 リーディング: Part1,2(内容一致) |
特徴 | 分量が多い、英語4技能試験による加点 | 高度なリスニング、速読力 |
国際系や語学系を目指す受験生にとって目標校として人気のある早稲田大学国際教養学部とICUですが、その英語入試問題の特徴は大きく違います。特殊な配点をしている早稲田大学に対して、ICUではリスニング試験があります。
難易度も高いが要求される内容も違う2校
早稲田大学国際教養学部とICUの英語の入試問題は、入試英語問題の最高峰レベルと言っても過言ではないでしょう。ただし、それぞれの入試問題で問われる対応力は異なっており、それぞれに合った対策を行うことがポイントになります。また試験内容としても、早稲田大学国際教養学部では英語4技能試験への加点が導入されており、受験生が一般的に対策を行うものとは違った内容へのチャレンジも必要です。
特に英語4技能試験は通年で実施されている試験であるため、受験勉強プラスアルファの対策が必要になり、入試期間以外にも試験を受ける必要があります。ICUでは高度なリスニング問題が出題されます。
一方で早稲田大学国際教養学部では英語4技能試験でリスニングが出題されることから、この2校を受験校として考える受験生にとってはリスニングの力を高める必要があります。
英語4技能試験の加点がある早稲田大学国際教養学部
早稲田大学国際教養学部では、200点満点中85点が英語の配点です。試験時間は90分で、大問1、2は長文読解、大問3は会話文、大問4が要約、大問5が自由英作文となっています。英文読解だけでなく、日本語による記述と英語による記述が出題され、分量が多いのが特徴です。
加えて、実用英語技能検定もしくはTOEFL®iBTの結果に応じて、15点、10点、5点、0点が加点されます。英検、TOEFLの結果を提出しなくても受験が可能ですが、加点が無いため不利になります。英検1級、TOEFL95以上であれば満点の15点が加点されます。
英検2級、TOEFL42以上の取得から点数が加点されるため、積極的に英検やTOEFLを受け、より多くの加点を狙いましょう。
リスニング試験のある国際基督教大学
ICUでは、250点満点中90点が英語の配点。試験時間は90分ですが、リスニング30分とリーディング60分と試験が分かれています。リスニングはPart1からPart3まで、リーディングはPart1とPart2に分かれています。
大問構成としては3題に分けれます。リーディングに関しては記述問題は無く、すべてマーク式による解答のため、内容一致問題を正確に解き切ることが求められます。そして、何と言ってもリスニングの比重が大きいことが特徴です。
大学入試トップクラスの難易度であるだけでなく、それぞれの文章が1回しか読み上げないなど、聞き取りに関してハイレベルな能力が求められます。長文問題への対策はしやすい一方で、リスニングではかなり高度なスキルを要求されるのが特徴です。
長文量、記述量ともに分量の多い早稲田大学国際教養学部
早稲田大学国際教養学部で出題される長文は2題とも非常に長く、最低でも1000ワード、1900ワードを超えたこともあります。難しい単語が出てくることもありますが、構文は複雑ではないため読みにくいものではありません。しかし、時間的に読み返す時間は確保し難く、読みながら情報を処理して解き進めていかなければなりません。
他にも会話文や要約、日本語と、英語の両方による記述が必要な自由英作文が出題されるため幅広い対策が必要です。さらに英語4技能試験も加わります。
英検、TOEFLともに年に数回受験できますが、結果によって差がついてしまうことを考えると、英語4技能試験での加点は重要です。受験勉強と英語4技能試験の受験勉強の、年間を通しての対策を計画することがポイントになります。
高度なリスニング対策が必要な国際基督教大学
ICUのポイントは何と言ってもリスニングです。『大学入試リスニングのトレーニング上級編』や『灘高キムタツの東大英語リスニング』などのボリュームの多い英文を聞いて処理する能力を養う参考書での対策は必須でしょう。レベルも高く、英検やTOEFL、TOEICなどのような実践的な内容が出題されます。
一方で長文問題では、多めの分量でまとまった長文が複数題出題されるため、速読力を求められる内容です。精読することよりも、全体を把握する力を養っていき、正確に内容を理解する必要があります。
つまりリーディングに関しては、一般の受験勉強の延長線上にある対策で可能な内容です。特別な語彙力が必要なわけではなく、問題を処理するスピードや読解力に加えて、高いリスニング能力といった、より実践的な英語力を問われている入試問題です。
まとめ
難易度は単に語彙力などの知識量ではなく、入試問題を解くために必要な能力のレベルに表れます。この2校は入試問題そのものは大きく違いますが、必要とされる力はより実践的な英語運用能力であると言えます。
特に英語4技能試験や高度なリスニング試験などは一般的な受験勉強とは違った対策が必要です。国際系や語学系を目指す受験生にとって、この2校を志望校にするケースも多くあると思いますが、入試の内容をよく検討して長期的な視野で英語力を伸ばすような対策が必要です。そういった点ではかなり特殊なケースであると言えます。
単純に志望学部や偏差値で考えるのではく、受験学年に限らず高校1年や2年の出来るだけ早いうちに志望校の入試問題を分析して長期的な対策を考えていくことも必要です。