複雑な大阪市立大学と正統派の神戸大学の文系数学の入試問題を比較解説

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大学名 大阪市立大学文系学部 神戸大学文系学部
入試科目 数学 数学
試験時間 90分 80分
配点 学部により異なる 学部により異なる
大問構成 大問4題が全て記述形式 大問3題が全て記述形式
特徴 理系数学で出題されるような内容。 オーソドックスな問題。小問による誘導。

関西の受験生に人気のある国公立大学である大阪市立大学と神戸大学。

文系学部を受験する受験生にとっては数学の難易度は、受験校を決める上で気になるところです。この2つの大学の数学の入試問題を比較して傾向を掴んで、対策を考えていきます。

偏差値と難易度が一致しない典型的なパターン

関西では、京都大学と大阪大学の旧帝国大学の2校を別格として、神戸大学と大阪市立大学は人気を二分するほどの2校。偏差値ランキングなどでは神戸大学が高くなっていますが、実際の入試問題の難易度では大阪市立大学の方が難しい傾向があります。

偏差値は大学の人気や合格に必要な得点の高低などに基づくことが多く、実際の入試問題の難易度とは結び付かないことも多々あります。その典型がこの神戸大学と大阪市立大学の2校であると言えるでしょう。

神戸大学では典型的な問題を出題する傾向があり、対して大阪市立大学ではひねった問題や本質的な理解が求められる問題が出題されるなど、大阪市立大学の方が文系学部を受験する受験生にとって難しい内容が出題されています。

理系数学のような複雑な問題が出題される大阪市立大学

大阪市立大学では90分で大問が4台出題され、全て記述問題です。問題の中に文字式が多用されているなど、一見すると「難しい」「見たことがない」「今までやったことがない」などの印象を持つでしょう。

理系数学ではよく出題されるタイプの問題ですが、文系数学に絞って対策をとっている受験生にとっては見慣れなかったり、非常に厄介に感じる問題です。

ひねった問題を考えて対処する力が必要で、公式の一般化などの講義系の参考書をしっかり勉強したり、本質的な理解を目標に勉強する必要があります。問題集で解き方のパターンを覚えたりすることで乗り切ることは難しい問題が出題されているため、一般的に考えられている文系数学の勉強から一歩踏み出した勉強をする必要があるでしょう。

ただし、難しい反面高得点勝負にはなりにくいため、取れるところは確実に取って行けば合格点に達することも十分可能です。

オーソドックスな文系数学問題が出題される神戸大学

神戸大学では80分で大問が3台出題され、こちらも全て記述問題です。

出題される問題は文系数学としてオーソドックスなタイプである傾向があります。参考書や問題集をやって行くことで「この問題はこう解くんだろうな」と分かってきますが、そのように勉強した内容を確実に自分のものにしてきた受験生が取り組みやすい典型的な問題が出題されます。

単に難易度だけで言えば、大阪市立大学よりも神戸大学の方が取り組みやすい分、簡単であると言えるでしょう。ただしその分ミスの出来ない高得点勝負の試験です。

みんなが解ける問題をきちんと解けて得点を稼いだ上に、他の受験生に差をつけるだけの得点を稼いでいく必要があります。勉強した解法を確実に身につけて間違えないようにしなければなりません。

数学の本質的な理解を目指す学習が求められる大阪市立大学

大阪市立大学の文系数学では、理系数学で出題されるような文字式のみで表された抽象的な問題や、解き方や理論的な部分を問われる問題など、解き方を暗記しただけでは解くことのできない本質的な理解が求められる問題が出題されます。

国公立大学の2次試験に対応するレベルの参考書に乗っているような内容で、式が数字で構成されていれば解ける問題でも、文字式で表されることで一気に難易度の印象が変わってしまいます。

文字式の扱い方や場合分けなど、理系数学では普通に出題されていても文系学部を目指す受験生にとっては対応が難しことがあるでしょう。講義系の参考書を読み込んだり、本質的な部分を理解することなどを意識するなど、解き方のパターンを暗記したり計算が出来るようになる文系数学的な勉強から一歩踏み出した勉強が必要です。

オーソドックスな形式だからこそ小さなミスが命取りになる神戸大学

神戸大学の出題形式は、大問ごとに(1)、(2)、(3)などと小問が続いていきます。(1)では当てはめるだけのような本当に基礎的な問題や、教科書レベル問題からスタートします。

徐々に難易度が上がっていき、最後の問題では、計算や設定などが複雑になるパターンです。典型的な出題パターンですが、最後の核となる問題は「さすが神戸大学の入試問題!」と言ってしまうような、高い難易度の問題が設問されています。

簡単な問題からスタートして誘導に乗りながら最後の難しい問題を解くというのは、共通テストでも見られる出題形式なので、文系学部の受験生でもそれほど違和感無く取り組めるでしょう。

ただし、この出題形式は最後の問題までに出題される小問を確実に正解しないと雪崩を打つようにその後の問題も間違えてしまいます。小門を間違えたまま時進めると、勝負の分かれ目であるはずの最後の問題に取り組む前に、既に勝敗がついているという状況になりかねません。

まとめ

大阪市立大学と神戸大学は偏差値と問題の難易度が一致しない例のひとつです。

この2校に限らず「偏差値=難易度」と思い込まないようにしましょう。神戸大学の方が共通テストでより高い得点が求められますが、2次試験でも高得点勝負になります。

一方で、大阪市立大学の2次試験では難易度が高めの問題が出題されるため、共通テストで得点を稼ぐことで有利になると言えます。その分、共通テストでの得点がそのまま合否サインになるという面もあります。

出願校で迷った場合に偏差値だけを決め手にするだけでなく、各学校学部の出題傾向を見て自分に合っているか、あるいはどのような対策が必要かを確認する必要があります。

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