膨大な量の知識を暗記しなければならない世界史。
そんな世界史はどのように勉強すればいいのでしょうか。
そこで、今回は大学入試における世界史の勉強法やレベル別の勉強法、勉強する時のポイントなどを紹介します。
世界史を入試科目に選択している人は参考にしてみてください。
世界史の勉強はいつから始めればいい?
世界史は膨大な量の知識を覚えなければならないのでいつから始めればいいのか分からないですよね。
そこで、まずは世界史の勉強をいつから始めれば良いのかについて解説します。
勉強するバランスに困っている人などは参考にしてみてください。
遅くても8月には始める
世界史は社会科目の中でも覚える量が多いので、勉強するには一定の期間が必要です。
そのため、遅くても8月にスタートさせるようにしましょう。
もちろん、余裕がある人は8月よりも前に始めてもOKです。
あくまでも英国数を優先する
世界史の勉強は時間がかかりますが、あくまでも英語や国語、数学の勉強を優先するようにしましょう。
英語や国語、数学は基礎が固まるまでに時間がかかりますが、その後が演習を重ねていくことで力になる科目です。
そのため、覚える量が減るので、そのタイミングで世界史など暗記が必要な科目に取り組むと良いでしょう。
このように、基礎固めが必要な英語、国語、数学の勉強を優先して、その後に世界史の勉強をスタートさせると良いです。
世界史の勉強法
膨大な量の知識を暗記する必要がある世界史ですが、どのように勉強していけばいいのでしょうか。
そこで、ここからは世界史の勉強法について5つのステップを解説していきます。
世界史を選択しているけれど何から手を付けていいかわからない人はぜひ参考にしてみてください。
通史を勉強し流れを掴む
世界史は覚える用語が多く、そのまま覚えようとすると時間がかかってしまいます。
そこで、流れを覚えることで、重要用語に関する背景や因果関係が掴めるようになり、その用語を覚えやすくなるというメリットがあります。
このように、世界史を学ぶ際はまず流れを掴むことが重要です。
重要用語を覚える
次に、重要用語を覚えていきましょう。
流れを掴んだ状態で用語を覚えていくことで、知識が頭に入りやすくなります。
一度で覚えようとはせず、何度も繰り返していくことで覚える意識をすると良いでしょう。
また、用語を覚えるついでに、背景や関連する知識もおさえることで、通史の復習にもなり効率的です。
地図を見て国の位置を覚える
重要用語を覚えるのと同時に、地図を見て国や川などの位置を覚えていきましょう。
世界史を学んでいくと、国の名前や首都の名前、川の名前などがたくさん出てきます。
入試ではそれらの名前だけでなく、地図を用いた問題も出てくるので、位置を覚えることはとても重要です。
そのため、参考書や地図帳を見ながら位置を確認していくことがおすすめです。
文化史を勉強する
次に、文化史を押さえていきましょう。
文化史には歴史的な流れがあまりないので、根気強く暗記していく必要があります。
ただ暗記していって覚えられる場合はそれでもいいですが、似たような用語も多いので、中々覚えづらいというケースも考えられます。
そのような場合は写真や絵を実際に見て覚えていくことで、視覚的に覚えていくことができるでしょう。
また、著書等の場合は、概要を少し見るだけでも覚える手がかりを増やすことができるでしょう。
アウトプットを繰り返す
ここまでのことをやったら、あとはひたすらアウトプットを繰り返しましょう。
知識は一度覚えたとしても、時間が経てば忘れてしまいますよね。
知識を忘れずに定着させるためにも何度も参考書を周回して知識をアウトプットさせることが重要です。
レベル別の世界史勉強法
ここまでは世界史の勉強法について解説していきました。
ここからは、大学のレベル別に世界史の勉強法について解説します。
志望校が自分のレベルよりも高い人はぜひ参考にしてみてください。
日大レベル
この段階では、まず世界史の全体像を一気に学習するのが大切です。
そのあとに世界史の参考書「ナビゲーター世界史」を用いて、通史を徹底的に定着させていきます。
問題数が多いため、ペース通りにいかないと非常に忘れるのが早くなってしまいます。
歴史科目は問題集やインプットを通じて、世界史の通史の理解を深めることが要です。
早い段階で通史を終え、復習を繰り返し、定着を図ってください。
ナビゲーターが終わってからは問題集を解いて、覚えた知識を実際に使う練習をしていきましょう。
MARCH・早慶非看板レベル
この段階では、MARCHレベルの世界史問題演習を行います。
世界史では、「用語としては知っているけど問題として出てくると解けない」ということがよくあります。
そのため、分からない問題が出てきたら前の段階の世界史の参考書に戻って覚えなおす作業を行ってください。
MARCHレベルのの世界史の参考書が終われば、大抵の大学で知識が足りないことはなくなります。
地図問題に関しては、地名、地形、関連する出来事をまとめて覚えておきましょう。
東大・早慶看板レベル
この段階では、早慶の中でも難しい学部の対策や難関国立向けの世界史参考書・問題演習を行います。
正誤問題・記述問題などの総合力を試される問題が頻出なので、それに対応できるように一つの用語に対してさまざまな見方ができるようにしていきましょう。
世界史の参考書・問題集では、「実力をつける100題」の解説が詳しいので、この問題集をやりこんで完璧にしていきましょう。
世界史の年号に関しては、出来事の順番やつながりにも目を配り単純暗記に終始することにならないよう気を付けてください。
国立の場合は論述のみが出る大学に関しては、この段階よりも論述や過去問を優先してください。
世界史のおすすめ参考書
ここまではレベル別の世界史の勉強法について解説していきました。
ここからは世界史のおすすめ参考書を5冊ご紹介します。
おすすめ参考書を特徴や使い方などと共に紹介するので、世界史の勉強を始めたいけれど何から手を付けていいかわからない人は参考にしてみてください。
時代と流れで覚える!世界史B用語

【特徴】
「時代と流れで覚える!世界史B用語」は世界史の知識を単元ごとにまとめた参考書です。
苦手な単元は集中的に繰り返して勉強することができるので、効率的です。
1冊が薄いので、知識のインプットが終わったらアウトプット用に繰り返しやすく、知識が頭に定着しやすいでしょう。
扱われている問題は共通テスト9割以上のものまであるので、1冊で高いレベルまで網羅することができます。
【使い方】
まずは一通り通読し、世界史の流れを用語を当てはめながら覚えていきましょう。
重要部分が赤字になっているので、赤シートを使って隠しながらアウトプットしていきましょう。
1冊を何度も繰り返すことで知識の定着をはかることができます。
大学入試 茂木誠の世界史Bが面白いほどわかる本

【特徴】
「大学入試 茂木誠の世界史Bが面白いほどわかる本」は、駿台予備校の人気講師である茂木誠先生の分かりやすい解説で世界史の通史を学ぶことができる参考書です。
物語のような語り口で解説されているので非常に読みやすく、途中で挫折しづらいでしょう。
また、地図や絵が多用されているので初学者でも取り組みやすい内容となっています。
【使い方】
一通り通読し、世界史の通史を頭に入れましょう。
重要用語が赤字になっているので、それを覚えることを意識しながら読んでいきましょう。
復習をすることを忘れずに何度も繰り返し読むようにして、一問一答や問題集を合わせて使うことで復習を効率的に行うことができます。
世界史用語 マルチ・トレーニング

【特徴】
「世界史用語 マルチ・トレーニング」は武田塾が監修している参考書で、単元ごとに用語がまとめられています。
単元ごとに文章、地図、年表の3つを用いて解説しているので、視覚的にも覚えることができるでしょう。
1用語ごとに関連する知識を覚えることで、体系的な知識の修得を目指しましょう。
【使い方】
まずは一通り通読して世界史の重要用語を身につけていきましょう。
その際、動画での学習を組み込みながら進めていきましょう。
その後、赤セルシートがついているので、重要事項を一気に復習して、知識のアウトプットを合わせて行うと良いです。
実力をつける世界史100題

【特徴】
「実力をつける世界史100題」は、早慶レベルの難易度の高い問題を収録している問題集です。
教科書に載っている知識を超えた問題も出てきますが、解説が充実しているので安心です。
テーマごとに分かれた問題が100題収録されているので、難易度の高い問題で、量をこなしたい人におすすめします。
【使い方】
まずは一通り解いてみましょう。
解けなかった問題は解説を読み、どのように考えれば解けたかを明らかにしましょう。
間違えた問題を繰り返し解き、頭に定着させていくと良いです。
世界史B標準問題精講

【特徴】
「世界史B標準問題精講」は入試問題に近いハイレベルな問題演習ができる問題集です。
問題自体はハイレベルですが、詳しい解説が付いているので、間違えたとしても安心です。
全部で96題収録されているので難易度の高い問題の量をこなしたい人にもおすすめします。
【使い方】
まずは一通り解いてみましょう。
この問題集は丁寧で詳細な解説が特徴的なので、解説を読むことを意識しながらやっていきましょう。
1周終えたら、間違えた問題を中心的に復習していくと良いです。
世界史の勉強のポイント
ここからは、世界史を勉強する時のポイントを解説していきます。
ただ漫然と勉強するのではなく、紹介するポイントをおさえて効率的に勉強していきましょう。
勉強のポイントを掴んで世界史の点数を上げていきましょう。
通史に時間をかけるな!
世界史で伸び悩む人の多くは、通史に時間をかけるあまり、やってるそばから前の範囲を忘れていくというケースです。
基礎内容を一通りそろえるのは、2~3か月程度で終わるようにし、徹底的に復習をして、まずは大まかな流れを頭に入れるようにしてください。
2〜3ヶ月で通史を終わらせることは実際可能です。
学校では講義が中心で週3回という制約の中なので2年も掛かりますが、世界史の参考書で独学することで、ガンガンすすめることができます。
自分のペースで勉強することができる事は参考書学習の大きなメリットです。
新しい発見はテキストに書き込もう!
社会全般で言えることですが、世界史では教科書や講義の参考書のように軸となるものが非常に重要です。
一つの参考書に新たな発見を書き足し、自分だけの世界史参考書を作り上げていくようにしてください。
自分だけの世界史参考書を作ることによって『この本を見れば、安心』というものを作っておきましょう。
例えば、一つの参考書に付箋で“図表の◯◯ページ参照”と書いてあるものを貼り付けることによって、過去の気付きを未来に共有することができます。
気付きは時間が経つと忘れてしまうことがあるので、きちんと書き込んでおきましょう。
志望校の研究は怠るな!
世界史の対策は同じ大学でも学部によって大きく対策が異なります。
特に早稲田、慶応ではその傾向は顕著です。
例えば、論述問題が中心なのに、一問一答問題集ばかりやっていたら志望校へ遠まわりになってしまいます。
まだなにも知識のない状態で志望校の入試問題を解く事は出来ませんが、どういう問題が出るのかという傾向と対策は頭に入れておきましょう。
また一つの学部の過去問をやっただけで傾向を知った気にはならず、志望校の問題や参考書はすべて一通り解いて確認してください。
覚え方は自分に合ったもので!
世界史でもっとも多い質問は『世界史の用語覚えられないんですけどどうやって覚えた方がいいですか?』です。
しかし、これは個人差があるもので一概にこれがいいと言えるものではありません。
覚え方は基本的には英単語の覚え方と同じで大丈夫です。
声に出す、何回も書く、ゴロで覚える、連想で覚えるなどいろいろ試してみましょう。
その中で自分に一番あった暗記方法を見つけて実践していきましょう。
近代以降は学校に合わせるな!
先にも書きましたが、陥りがちなパターンとして「直前期まで入試の範囲が終わっていない」ということがあります。
一般的な高校では日本史や世界史などの歴史科目の範囲が終わるのは、12月のような入試直前期です。
これでは全く過去問も解けませんし、演習の時間も十分にとることができません。
大学入試では近代以降が出題されるケースが多いので、学校に合わせていると不利になってしまうでしょう。
そのため、現役生だとしても歴史は授業に先行して参考書で勉強するようにしましょう。
他の受験生を追い抜くチャンスになります。
論述問題は添削してもらうべし!
論述問題が中心の大学の受験生は、添削指導を受けることをおすすめします。
自分では論述問題の採点をすることは難しいので、身近に添削指導をしてくれる人がいると心強いです。
学校の先生を積極的に利用していきましょう。
また、論述対策としては無駄に何問も解き続けるよりも良問を丁寧に完答出来るようになるまで仕上げる方が伸びます。
論述問題も「一冊を完璧に」しましょう!
世界史のレベル別勉強法|まとめ
今回、世界史の勉強法について、いつから始めればいいのかやレベル別の勉強法などについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
世界史の勉強は遅くても8月から始めて、できるだけ英語や国語、数学の基礎固めを優先して勉強するようにしましょう。
また、世界史の勉強は通史で流れを掴むことから始め、次に重要用語と地理の位置情報を覚え、次に文化史を覚えてアウトプットを繰り返していくと良いです。
そして、通史に時間をかけすぎないことや、テキストに新しい発見を書き込むことなどの勉強のポイントをおさえながら進めていきましょう。
今回紹介したことを参考に、世界史の点数を上げて志望校合格に一歩近づきましょう。