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【物理基礎】同位相・逆位相とは?定義と意味を分かりやすく解説

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位相とは、物理基礎の波動・波の性質という単元で登場する内容です。

波の性質では、海などの水の波や音の鳴り方など、波の性質を持つものに対して、周期性に着目し、その特性を明らかにするものです。

聞きなじみのない言葉が出てきて難しそうだと思う方もいるかもしれませんが、波の様子をグラフにすることで直感的に定義として頭に入りやすくなります。

また、位相は物理基礎の他にも、物理での波・音波・光波・数学など様々な場所で出てくる重要な概念です。

今回はそんな位相の分野から「同位相・逆位相」の定義を確認し、それでは学習していきましょう!

位相ってなに?まずは意味を確認しよう

位相とは、波の性質をもつ物質(媒質)の振動状態を表す物理量の一つです。

もう少しフランクな表現にすると、「波の周期に対して、ある時点での波がどのタイミングにいるかを表すもの」となります。

波の性質を持つもの

波の性質は、下記のように身近な場面で感じることができます。

・砂浜で海の水が波打つ様子
・お風呂でアヒルを浮かべたときにアヒルのまわりに発生する円形の波
・救急車が通ったときに音がぐわんぐわんと揺れて聴こえる音波
・数字で単位円上を点が回るとき、など

お風呂に浮かぶアヒルをじっとみていると、アヒルはその場に留まり、プカプカと繰り返し上下運動をしている様子が確認できるかと思います。

これが波の周期性です。

周期の特性を図で考えてみよう

周期の特性

波は決まった周期で動き続けており、グラフにする際には波の様子を正弦波で表します。

上の図では、ある時間「t」にて観測された波について、縦軸を振幅「y [m]」、横軸を原点からの距離「x [m]」として、グラフに示しています。

波には1周期ごとに同じ動きをする周期性があり、1周期のうちどのタイミングにあるかを表すのが位相です。

定義は後ほど説明しますが、同位相は「1周期の中で同じタイミングである2点の関係性のこと」で、逆位相は「½周期分ずれたタイミングである2点の関係性のこと」を指しています。

上の図で青と緑の点線に着目してみると、いずれも振幅y=0ですが、「全て同位相という関係性ではない」ことがわかります。

振幅に着目するのではなく、周期の中でどのタイミングにいるかが重要であることを頭に入れましょう。

同位相・逆位相とはどんな状態?

ここまで、グラフをみながら位相について説明しました。

次に、前項の内容を定義として紹介します。

同位相・逆位相の定義:ひとつの波の場合

定義について、上のグラフと照らし合わせて確認してみましょう。

定義
同位相:1周期の中で同じ振動状態である場所
逆位相:1周期の中で半周期分ずれた振動状態である場所

波の学習をする際には、1周期ごとの区切り目を意識して、その周期のなかでどのタイミングにあたるのかを把握することがポイントです。

同位相・逆位相の定義:複数の波の場合

同位相・逆位相は、複数の波があるときにも用いる言葉です。

下の図は波が複数ある時の動きを表したもので、先ほど見たグラフとの違いは以下の通りです。

・複数の波が同時に存在すること
・グラフの横軸が距離x [m]ではなく、時間t [s]であること

このとき、波1と波2は同位相、波1と波3は逆位相となります。

同位相と逆位相

複数の波の場合でも、同位相・逆位相のイメージは同じです。

波1と波2は、t=0のときにはy=0、時間が経つにつれて徐々に上がっていき、振幅まで達すると下がり、もとの位置y=0まで戻っていきます。

周期の時刻、つまりタイミングが全く同じ動きをしているため、2つの波の関係は同位相です。

波3については、t=0のときには波1, 2と同じくy=0から始まりますが、時間が経つと下に下がっていき、振幅まで達すると徐々に上がっていき、もとの位置y=0まで戻っていきます。

波3は波1, 波2と半周気分ずれた動きをしているので、逆位相となります。

波1と波3の実際の動きをイメージしにくかった人は、縄跳びのダブルダッチを想像すると分かりやすいかもしれません。

同位相・逆位相の定義:応用編

波の性質は物理基礎以外にも、物理や数学でも出てくることがあります。

同位相の場合を位相差が0または2πの倍数、逆位相の場合を位相差がπまたは(2m+1)π(mは整数)と言います。

また、複数の波が存在した場合には波の干渉が起こり、同位相の波が重なったときに「波は強め合い」、逆位相の波が重なった時に「波は弱めあう」と表現します。

実際にグラフで考えてみましょう。

同位相の波が重なる場合

重なった同位相の波

上の図で説明した、「波1と波2」「波1と波3」をそれぞれ重ね合わせてみるとどうなるでしょうか?

波1と波2は、どちらも最初はy=0なので、重なってもy=0です。

波1が振幅まで達したとき、波2も同時に振幅まで達しているので波1と波2を足し合わせて2倍の振幅となります。

このように、同位相の波が重なり合うときに波が大きくなることを、「波の強め合い」といいます。

逆位相の波が重なる場合

反対に、波1と波3は常に真逆の動きをしているので、重ね合わせると常にy=0となります。

このように、逆位相の波が重なり合うときに波が小さくなることを、「波の弱め合い」といいます。

もし既に習っている内容があれば、関連づけてみましょう。

位相の例題を確認してみよう

位相とはどんな意味なのかや、同位相と逆位相の定義を学習してきました。

物理の基礎となる分野ですので、ここからは例題を通してさらに理解を深めていきましょう。

例題:波のグラフを読み解く

【例題】
下図はある波の時刻t=0 sにおけるy-xグラフである。

(1)Aと同位相の点を全て答えよ。
(2)Aと逆位相の点を全て答えよ。
(3)Bと同位相の点を全て答えよ。
(4)Bと逆位相の点を全て答えよ。

位相の例題図

【解答】
(1)E, I (2)C, G, K (3)F, J (4)D, H

A, C, Eともy=0ですが、A~Eまでで1周期なので、Cは逆位相となることに注意です。

同位相・逆位相の意味|まとめ

今回は物理基礎の単元より、「同位相・逆位相」について解説しました。

波の性質は目に見えないことが多いため、現象と結びつけづらい印象がありますが、1周期がどのように動いているのかをイメージしてみましょう。

グラフを自分で書いてみると、理解が深まるのでおすすめです!

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