<場合の数と確率>
順列・組み合わせ・積の法則・和の法則といった「場合の数」の基本や、独立試行・反復試行についてまずは押さえましょう。確率の問題の大半はこれらを使って考察していくことになります。問題文からどの場合に当たるのかを判断できるように、基本問題でじっくりと身につけてください。また、確率は「各根元事象の起こり方が同様に確からしい」という状況で考えなければいけません。確率を苦手としている人はこの部分をきちんと捉えていない人がいますから、注意してください。
他の分野の問題にはいわゆる解法の定石があり、「このような問題はこう解く」と理解すればある程度までは通用します。しかし確率は、PやCの計算法・意味の理解に加え、その解法の本質的な意味をしっかりと理解できていないと定石的な問題であっても解くことができず、解法の暗記が最も通用しない分野の1つでしょう。ですから、問題演習を行って答えあわせをする際には丸暗記してしまうことはせず、時間をかけてでもじっくりと考えて、理解してから次の問題に進むことが大切です。
確率の問題を解く際は、実際に確率の問題を解く際、問題文を読んでいきなり式を立てるのではなく、まずは問題文が言っている内容を図に描いてみることをお勧めします。その際のポイントとしては、そこで起こっている事象と、問題が最終的に求めるよう要求している答えをスムーズにつなぐような図を描くことです。図はうまく描かないと、煩雑になるだけで理解しにくくなってしまいます。できるだけポイントをおさえ、簡潔な図を描くことで、式を立てる際のヒントにしてみましょう。
<三角関数>
まずは三角比(教科書で言うと「図形と計量」)が理解できていることが前提となります。数学Iの教科書で該当部分を参照し、三角比の定義、“三角比の相互関係”の式を使いこなせるか、主な角度の三角比の値をぱっと答えられるか、といった内容をまずは確認しましょう。これらの基本がしっかりと理解できているようでしたら、正弦定理や余弦定理の確認に移ってください。公式は、覚えるだけでなく、使いこなせなければ意味がありません。覚える際には、ただアルファベットとして覚えるのではなく、三角形のどこの辺とどこの角が対応しているのかを照らし合わせながら覚えるとよいです。例えば、図を見て「この辺とこの角の値がわかっているから、正弦定理が使えるな」と図から判断できるように、視覚的に理解しておきましょう。
数学IIの三角関数を理解するにあたっては、まずは弧度法の表記に慣れましょう。これも上記と同じく、角度に対する弧度をパッと答えられるくらいまで徹底的に覚えてください。そして、数学Iで学んだのは 0°から180°までの三角比でしたが、数学IIではこれを一般角にまで広げて定義し直しています。その定義を教科書をよく読んでしっかりと理解しましょう。各値を自分で表に整理してみるのもよいかもしれませんね。
三角方程式や三角不等式に答える場合は、グラフの理解が欠かせません。まずは基本である y=cosθ などのかき方を理解した上で、そのグラフを
θ軸方向にどれだけ平行移動したものなのか ( y=cos(θ+π)など)
θ軸方向に何倍したものなのか ( y=cos4θなど)
θ軸方向に何倍したものなのか ( y=3cosθなど)
を整理してみましょう。さらに、三角関数では加法定理を始めとして覚える公式が多いですから、問題演習で使用していくなかで自然に覚えるようにするとよいでしょう。
三角関数は定義や公式を理解するところから始まりますから、まずは覚えなければどうにもならないのですが、このとき先述したように、視覚的に理解することが非常に大切です。問題を解く際、図に表せるものは省略することなく、自分で実際に図をかいて考えることを心がけてください。
<ベクトル>
ベクトルは、第一に基本概念を押さえることが重要です。まずは平面ベクトルについて、ベクトルの成分表示、計算方法、内積、一次独立、ベクトル方程式を理解できているか確認しましょう。
次に、空間ベクトルについての基本問題を解けるように、教科書の例題や練習問題を解いてみるとよいと思います。ただ平面ベクトルの次元を一つ上げただけ(x,y から x,y,z になる)として捉えるのではなく、図を描いて場面をイメージしながら考えるようにしましょう。空間ベクトルは平面ベクトルに1つ成分を増やしただけで、基本的な計算方法や式の形は平面ベクトルのそれと同じですが、式の表わす状態を正確にイメージできなければ答えられないところに難しさがあります。ですから、まずは基本的な問題を確実に解けるように、基本問題演習を繰り返してみてください。
空間ベクトルの問題を解く上でぜひおすすめしたいのが、断面図を描くことです。奥行きをつけた図も、問題文に示された状態を把握するのにはよいのですが、空間図形はなかなかイメージがつかめないものです。3次元で考えるとわからないものも、2次元つまり平面に次元を下げることで、平面ベクトルと同様に考えることができます。ある面で切断した図(例えば xy,yz,zx 面など)を描いて考えてみてください。ちなみに、xy,yz,zx 面で切断することは、それぞれ x,y,z 成分を固定することに当たります。
ベクトルは他の分野に比べると捉えにくいところがあります。基本問題をひととおり解いて基礎を十分に固めてから、少し難しい問題に取り組むとよいでしょう。
<数列>
数列は公式や漸化式の解き方のパターンなどが多く、公式ごとになのかなのかなど細かな違いがあり、それらを正確に覚えて使えるようになるだけでも大変です。そこで、迷った時には公式や漸化式の意味から捉え直す習慣をつけるようにするとよいでしょう。公式や基本的な漸化式の解法は丸暗記するのではなく流れから理解することで、基本問題だけでなく応用問題にも対応できるようになります。
教科書傍用の問題集で公式や基本となる解き方などをマスターした上で、注意したいのは他分野との融合問題です。数列分野で学んだことは、場合の数や確率の問題で漸化式を利用して解いたり、数列の極限を求めたりといった他分野との融合問題の中でも必要になってきます。基本を押さえた上でより実戦的な問題集や実際の入試問題を解くことで、このような融合問題の演習も積んでおきましょう。 整数問題とは、約数・倍数の問題、整数の割り算における余りの問題、方程式・不等式の整数解の問題など、整数特有の性質についての問題のことで、東大・京大・一橋大などの難関大では好んで出題されます。数学の数ある分野の中でもかなり難しい分野であるといえます。他の問題にはいわゆる定石があり、このような問題はこう解くと理解すればある程度までは通用します。しかし整数問題の場合、そうはいきません(とはいえ、素因数分解や因数分解で解決するものは定石的なところですが)。1つ1つの問題に対して、試行錯誤しながら解答の方針を考えることが多いです。決まった解法がなく、すぐに方針が立たないというのが整数問題の難しさなのです。
数学の勉強法について
大学受験に関してよく言われるのが、
『数学は時間が掛かり、成績も伸びない!地頭勝負!』
ということです。
武田塾としてもこれは間違っていないと考えています。
しかし、理系の学問に興味があるなど、そういう人は努力次第で逆転合格が可能なので、しっかり勉強して志望校に合格してほしいと思います。
では具体的に勉強方法を書いていきます。
1.志望校のレベルまで武器を揃える→過去問演習が基本!
まず数学の勉強のやり方ですが、まずやるべき事は志望校の入試問題調査です。
入試問題の数学の難易度は様々です。センターレベルまでで解けるところもあれば、
物凄く難しいレベルの問題集まで仕上げないと戦えない大学もあります。
そのため、自分の志望校の出題レベルを知り、そのレベルの問題集まで完璧にし、
入試に戦えるだけの武器(解法)を揃え、過去問演習をしていきながら修正していくのが基本です。
ただ数学の問題集をやっていればいいというわけではないので気をつけましょう。
学校では教科書レベルをやってからすぐにワークにいって挫折する人が多いですが、これは当然なのです。
あなたも周りの受験生もアルキメデスやピタゴラスでは無いので解法を知らないと問題は解けるわけがないのです。
自分で加法定理自体を導き出したり、三平方の定理をいきなり導くことは不可能です。
三平方の定理の問題で
a2✕b2=c2
という公式を知っていないと解けないですよね。
まずは公式とその使い方を覚えることが先決です。
これを『暗記数学』と揶揄する人がいますが、問題を暗記するわけではありません。
公式を暗記して問題の解き方を理解するのです。
例え東大の問題の答えの数字だけを覚えていても、数学の偏差値は上がりませんが
その問題の解き方を理解して、類似問題も解けるようになれば偏差値は上がります。
当たり前ですが、まずこの事をしっかり理解してください。
2.数学は時間がかかる!
先にも書きましたが、数学は時間がかかります。
他教科と比べると、数学はゼロスタートなら2年やっても足りないほど時間がかかります。
そのため、かなりの時間をこの教科にとられることになるので、理系であれば早い段階から準備をしましょう。
文系ならできるだけ避けて通りましょう。
私大志望で社会を使えるなら、できるだけそちらを使いましょう。
なんで私立大学文系は数学を避けるべきなのでしょうか?
『数学受験が有利だって聞いたから苦手だけど、どうせ社会の知識も大して無いし頑張って数学やろう』
って人はかなり最悪なので続きを必ず読んでください。
まず数学は何回も言いますが時間がかかります。
それを証明するのは簡単です。
学校に授業を思い出してください。
あなたの学校では週に何回数学の授業がなりますか?
数学Ⅰと数学Aがそれぞれ2回ずつ、つまり週に4回ですよね。更にそれが数学ⅠAⅡBⅢCで3年間です。
これはとてつもない量だと思います。
対して社会はどうでしょうか。
例として日本史をあげましょう。
日本史は公立校であれば、基本的に高校2年生から授業が始まります。
数学よりも1年間遅いスタートだったにも関わらず、週3回しか授業がありません。
当然、両教科とも受験出題範囲(高校の範囲)は終わらせるわけですから、これでわかりますよね。
まず圧倒的に数学の方が高校でやらなければならない範囲が多いのです。
数学の勉強しなければならない量>>社会の勉強しなければならない量
なのです。
受験において文系は社会科目の方が圧倒的に有利です。(数学は得意・好きという場合は勿論、例外です)
3 計算力。次に記述力。
数学に関しての詳しい勉強手順・参考書の順番はルートを見ていただきたいですが、
その勉強をする上で気をつけて欲しいところがいくつか有ります。
そこで重要なのは計算力と記述力についてです。
大学受験の数学というのは、恐ろしいものでマーク式という場合があります。
共通テストに限らず、私立では多いです。
つまりあなたの数学力を“解答”のみで見ているのです。
過程は評価してくれません。
どれだけ解き方がわかっていても、計算ミスで答えを間違えれば0点です。
武田塾では「合格る計算」などの参考書で計算練習を推奨していますが、この計算ミスを無くすためという目的もあります。(もうひとつの目的としては時間内に解ききる計算処理力をつけるためです)
数学では解き方がわかっていても計算をミスするとそれだけで大幅に失点してしまうのです。
では計算力をある程度つけたあとに必要なのは何でしょうか。
それは記述力です。
記述解答の時では書き方が重要になります。
部分点をもらえる記述解答でも、書き方を間違えれば0点です。
よく学校の定期テスト(特に証明問題)でもありますが、答えだけあっていても記述の書き方ができていないために、点数がもらえないパターンがあります。
数学を解く上で解き方がわかることはが重要だと書いてきました。
もちろん解き方がわかることは重要ですが、点を取るためにはこの2つのチカラがなければ話になりません。
しっかり手を使って計算し、文章を書きましょう。
4.予備校に通っている人も、自力で問題を解こう!
予備校に行って数学の授業を受ける。そして解説を受けてその問題を理解する。
これで偏差値は上がると思います?
そうです。上がりません。
この過程で自力であまり問題を解いていないからです。
数学の解説には非常に時間がかかります。そのため、授業を受けているだけではとてもじゃありませんが演習量が足りません。
授業で受けた後には問題集などでかならず類似問題を解きましょう。
ですから、1日10題以上は必ず解きましょう。