国語の中でも後回しにされがちな漢文。
そんな漢文は句法や重要語句をしっかり覚えないと問題を解くことはできません。
そこで、今回は漢文の勉強法をご紹介します。
おすすめの参考書や勉強する上での注意点などとともに紹介するので、是非参考にしてみてください。
漢文|句法の勉強法
漢文を勉強する上で一番重要になるのが句法です。
句法は文法のようなものなので、漢文を読む手掛かりとなります。
まずは句法の勉強の仕方をご紹介します。
まずは返り点と再読文字をおさえる
句法をやる上で、その大もととなるものとして「返り点」と「再読文字」があります。
これは先におさえておかなくてはなりません。
返り点とは、漢字の並びを意味の通る日本語に並べ直すために付ける点のことです。
そして、再読文字とは、漢文の中で2回読む文字のことで文章に特別な意味を与えるためにあります。
まずはこれらをしっかり覚えておきましょう。
句法を覚える
次に、句法を覚えていきましょう。
句法とは、否定や反語などの漢文における文法のようなものです。
参考書の中でも20通りには満たないぐらいなので、句法をしっかり覚えていきましょう。
漢文の問題に出てくるのは基本的に句法に関する問題や主語を問うような問題なので、句法を身につけることは重要です。
音読も忘れずに
句法の漢字を覚えたら、後は漢字の並びを覚えてしまいましょう。
句法と並びさえ習得できてしまえば、後は難易度は高くないです。
それでもできないという人は問題だけを解いていて、リズムを覚えてない・形を覚えてないというケースが多いです。
量は少ないのでしっかり各項目の練習をした上で音読する練習をやっていきましょう。
漢文|特別な意味を持つ漢字の勉強法
漢文は漢字で構成されていますが、中には特別な意味を持つ漢字が出てくることもあります。
そこで、ここからは特別な意味を持つ漢字の勉強法をご紹介します。
漢文が苦手という方はぜひ参考にしてみてください。
基本からおさえる
特別な意味を持つ漢字を覚えることは割と難易度が高いです。
例えば、現代日本語と意味が違う漢字「子」や「左右」などのよく出てくる特別な意味の漢字はしっかりおさえていく必要があります。
小学生の漢字問題で同じ意味で使われている熟語が、共通テストでも出してきたりします。
苦手であれば、漢文の勉強というよりはそれこそ漢字問題集を解いたりして中学受験の漢字を練習した方がいいでしょう。
漢字の意味を調べる
漢文の中に出てくる漢字は、現代の日本語では想像しにくい意味であることが多いです。
そのため、問題を解いてみて知らなかった漢字の意味は調べて書き留めておくようにしましょう。
その際、「間違えた問題のノート」を作ってそこに書き留めるとテスト前などに簡単に復習することができるのでおすすめです。
漢文|読解の勉強法
句法や特別な意味の漢字を勉強したら、次は読解の練習をしていきましょう。
読解を勉強していくには繰返し演習問題を解いて慣れていくことが重要です。
ここからは漢文の読解の勉強法をご紹介します。
句法と漢字と音読を積み重ねれば、自然に読解はできてくる
読解に関しては、句法と漢字をしっかりおさえてからやれば自然と読解はできるようになります。
書き下し文で音読の練習をするということをしっかりやりましょう。
後は、他の国語と同じく「理由説明」をできるようにしていけば、きちんと読解もできるようになっていきます。
繰返し演習問題を解く
漢文の読解を勉強するためには、繰返し演習問題を解くことが重要です。
演習問題を繰り返し解いていくと、問題の構成のパターンが読めていきます。
そのため、ある程度の文章の展開の予測をすることができるようになります。
また、繰返し演習問題を解くことで頻出テーマに関する理解が深まるので、漢文の読解が解きやすくなるでしょう。
間違えた問題を確認する
漢文の読解を勉強するためには、演習問題を解いた後間違えた問題を確認することも重要です。
まずは現代語訳を読んで本文の見直しをするようにしましょう。
自分が読み取っていたことと同じかどうか確認し、読み違えていた部分はどうすれば正しく読めたかについて考えるようにすると良いです。
また、設問に関しては間違えた問題を正解するために必要な知識や句法を確認し、復習するようにしましょう。
漢文|漢詩の勉強法
漢文の中に度々出てくることがある漢詩。
そんな漢詩の問題を解くとき、慣れない形式に苦戦してしまいますよね。
ここからは漢詩の勉強法について紹介していきます。
漢詩に訳は必要?
漢詩に訳は必要かというと・・・全く要らないです!
漢詩を訳すのは基本的に無理だと考えたほうが良いです。
例えがすごく多いことに加え、その例えも当時の中国の知識がないとわからない事が多いので無理に訳す必要はありません。
漢詩の問題では音便などの文法問題がメイン
漢詩の問題で何が出ているのかと言うと、ほとんどは音便の文法問題です。
あとはそれ以前の文章の前に出ている内容で漢詩の内容はどうなっているかわかります。
漢詩そのものを訳さないと解けない問題は、センターの問題なら間違いなく無いです。
普段から漢文に触れたときにすらすら音読できるように練習をして後はレベルに合わせていった対策をしていけば充分対策できるでしょう。
前後の文章をしっかりと読む
漢詩に関する問題を解くときに、漢詩のみで判断することが難しい問題も存在します。
そんな時は前後の文章をしっかりと読むようにすると良いです。
何に関する・どんな思いを込めた詩なのか判断するためにも、前後の文章をしっかりと読み取れるようにしておきましょう。
漢文のおすすめ参考書
漢文を勉強するには参考書を使って勉強することがおすすめです。
ここからはおすすめの漢文の参考書を4冊ご紹介します。
漢文の勉強を始めようとしている方は参考にしてみてください。
漢文早覚え速答法

【特徴】
漢文のおすすめ参考書の1つ目は「漢文早覚え速答法」です。
この参考書は、漢文に慣れることを重視したもので、漢文の読むためのノウハウが詰まっています。
分量が少ないので取り組みやすいボリュームとなっている点も特徴です。
【使い方】
まずは一通り読んでいきましょう。
途中で演習問題もあるのでときながら読み進めていくと良いです。
小冊子には私立大学と記述問題の対策方法が書いてあるので、そちらもじっくり読むことをおすすめします。
岡本のたった3時間で漢文句法

【特徴】
漢文のおすすめ参考書の2冊目は「岡本のたった3時間で漢文句法」です。
この参考書は、大学受験において必要な漢文句法を短時間で学べるものとなっています。
動画授業もついているので合わせて活用していきましょう。
【使い方】
まずは一通り通読し、句法を身につけていきましょう。
講義、要点整理、一問一答、基本練習というように構成されているので、演習部分もしっかりと解いていくと良いです。
また、動画授業がついているので、分からなかった部分は積極的に視聴して活用していきましょう。
ステップアップノート10漢文句形ドリルと演習

【特徴】
漢文のおすすめ参考書の3冊目は、「ステップアップノート10漢文句形ドリルの演習」です。
これは漢文の基礎レベルから標準レベルまでの演習ができる問題集となっています。
読解問題や漢詩の問題も収録されているので、様々な問題の練習をすることができます。
【使い方】
この問題集は講義としての側面が薄いので、講義系の参考書に取り組んでから始めるようにしましょう。
問題を解いたら解答解説を確認し、自分の答えとどこが異なるのかを確認しましょう。
その時、どのように考えれば正解に辿り着けたのか考えるようにすると良いです。
マーク式基礎問題集 漢文

【特徴】
漢文のおすすめ参考書の4冊目は「マーク式基礎問題集 漢文」です。
これは基本的なレベルの問題演習を行える問題集です。
全部で20題収録されているので、数をこなしたい人にもおすすめします。
【使い方】
問題集となっているので、1題ずつ解いていきましょう。
答え合わせをする時は、どうすれば正解できたか考えるようにすると良いです。
また、覚えておくべき重要語句や文学史に関する知識もまとまっているので、それも合わせて確認するようにしましょう。
漢文を勉強する上での注意点
ここまで漢詩の勉強法についてご紹介していきました。
ここからは漢文を勉強する上での注意点について紹介していきます。
漢文を勉強していて躓いている人は参考にしてみてください。
1.漢字の意味に引っ張られないように!
漢文で内容を読み違える場合には、文中に出てくる漢字を普段使用している意味で読んでしまうことがよくあります。
ここが多くの受験生の引っかかる罠です。
日本語と違って漢文には、ひらがなやカタカナ、送り仮名がないので、当て字のような使われ方をする場合も多々あります。
基本的には音読を行い、ひらがなで読んだうえで内容に合う漢字を自力であてはめていきましょう。
漢字しかない文章だということに注意を払って読むようにしてください。
2.文法問題の選択肢はその通りに書き下し文にして読んでみよう!
センターでも毎回出る書き下し文の問題は苦手とする人が非常に多い問題ですが、解き方がちゃんとわかっていればそれほど難しい問題ではありません。
解き方の手順は、句法が正しく使われている選択肢に絞る・残った選択肢を返り点通りに書き下し文にしてみる、これだけです。
書き下し文にして読んでみると、意味が通るものはほぼ一択になります。
3.選択肢や注釈は重大なヒント!
漢文は古文と同じく、最小限の努力で読めるようにするためには、周辺の情報を使いこなすことが重要です。
センターなどの選択肢問題では、注釈や選択肢から読み取れる情報が非常に多いため、自力で訳さなくても内容がかなりわかるようになっています。
もちろん選択肢であれば間違っている部分もあるので、使える情報と使ってはいけない情報を見極める必要があります。
選択肢をうまく使えれば内容が半分程度しか自力で訳せなくても、問題が解けるレベルの読解力はつくでしょう。
以上の事を注意しながら武田塾の漢文参考書ルートを進めて、一冊ずつ完璧にしていけば、漢文対策がしっかりできます。
漢文の勉強法|まとめ
今回、漢文の勉強法について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
漢文を勉強するには、返り点と再読文字をおさえること、句法をおさえること、音読をすることが重要です。
問題演習を解くときは繰返し演習して、答え合わせをする時にどうすれば正解に辿りつけたのか考えると良いでしょう。
また、漢文を勉強する上での注意点は漢字の意味に引っ張られないこと、文法問題の選択肢を書き下し文にすること、選択肢や注釈はヒントであることなどが挙げられます。
今回紹介した参考書や注意点を参考にして、漢文の成績を上げていきましょう!