「古文の現代語訳のやり方がわからない」
「いつも減点されてしまう」
現代語訳の問題でなかなか満点が取れず、苦手意識をもっていませんか?
しかし、採点に影響するポイントさえおさえてしまえば、古文の現代語訳も決して難しい問題ではありません。
この記事では、「古代の現代語訳ではどんなことが問われているのか」から逆算して、「何をどんな風に勉強していけばよいのか」を詳しく解説していきます。
古文が得意になる勉強の方法も紹介していますので、是非参考にしてみてください。
古文の現代語訳って何を問われているの?
古文の現代語訳では、古語で書かれた文章を現代語に翻訳することで、古文を現代の言葉や表現に適切に翻訳する能力が問われています。
古文の現代語訳の問題でいつも何かしら減点されている人は、もしかしたら以下にまとめたポイントをおさえた解答ができていないからかもしれません。
自分の苦手な部分はどこにあるのかを分析しながら読んでみてください。
重要な古語をおさえられているか
まず現代語訳では古語を理解し、古語を現代語に適切に置き換えられていることが一番重要なポイントです。
そのためには現代の日本語とは異なる言い回しや表現として使われている古語の意味を正確に理解しておく必要があります。
文法が理解できているか
古語の他にも、古文の文章の構造や文法も理解できていないと、正しく現代語訳をすることができません。
古文特有の文体やよく出てくる表現方法は最低限マスターしておきましょう。
文脈を捉えられているか
最後に、あらすじをつかめているかどうかも大切なポイントです。
具体的に言うと、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どうした」を正しく理解しているか、指示語を正しく訳せているかなどの要素がテストでは問われています。
古文を現代語に訳するために必要な知識
このようなポイントの基準をクリアするためには、英語の勉強で単語や文法を暗記するのと同じように、古文の読解にも知識が必要です。
ここからは、古文を現代語訳するときに必要な3つの知識とテストで点数がアップするための勉強法を解説します。
古文の現代語訳に必要な知識①|単語
古文を現代語訳することを難しいと感じる原因は、古語には現代語とは意味が異なる単語や意味が複数ある多義語など特殊な単語があることです。
まずはテストで頻出する特殊な単語から優先的に勉強していきましょう。
また、解いた問題の中でわからない単語が出てきたら、必ず意味を調べてその都度インプットするようにしてください。
こうすることで演習しながら単語力も上げていくことができます。
古語の覚え方については、別の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
古文の現代語訳に必要な知識②|文法
現代語訳では、全ての言葉を漏らすことなく訳さなければ減点されてしまいます。
多くの学生がやってしまいやすいミスが、助動詞の訳し忘れです。
文章の中で助動詞の活用形は見落としやすく、正確に現代語で表現できていないとテストでは減点対象になってしまうため、重要な古語の知識とともに文法の知識の勉強も必要です。
こちらの記事を参考にして、重要文法である助動詞をマスターしておきましょう。
古文の現代語訳に必要な知識③|古典知識
単語と文法の知識に加えて、古文の時代背景や文学的な特徴を知っておくと、現代語訳をよりスムーズにできるようになります。
テストの復習や問題集を解くときに、解答だけでなく解説の部分にもしっかりと目を通すようにしておきましょう。
解説のところには、時代背景やその本が書かれた意図などについても書かれているはずです。
古典の知識を増やすには、少しでも多くの古典文学に触れたり、問題演習量を増やしていくのが一番の近道となります。
こちらの記事も読んで、自分にぴったりな参考書を見つけてください。
古文の現代語訳のやり方
それでは以上のポイントをふまえて、古文の現代語訳のやり方を実践しながら解説していきます。
この解き方をマスターして、減点されるミスを減らして古文の点数アップを目指しましょう。
STEP①品詞ごとに区切る
まず以下のように、原文に対して品詞ごとに区切り線を引いていきます。
春/は/あけぼの。
やうやう/白く/なり/ゆく/山際、少し/明るみ/て、紫/だち/たる/雲/の/細く/たなびき/たる。
(枕草子)
そして、それぞれの品詞を以下のように分析していきます。
「春」名詞・「は」係助詞・「あけぼの」名詞
「やうやう」副詞・「白く」ク活用の形容詞しろしの連用形・「なりゆく」カ行四段活用なりゆくの連体形・「山際」名詞・「少し」副詞・「明かり」ラ行四段活用あかるの連用形・「て」接続助詞・「紫だち」タ行四段活用むらさきだつの連用形・「たる」完了の助動詞たりの連体形・「雲」名詞・「の」格助詞・「細く」ク活用の形容詞ほそしの連用形・「たなびき」カ行四段活用たなびくの連用形・「たる」存続の助動詞たりの連体形
このように分解して、品詞の意味を考えてみると文章のざっくりとしたイメージを掴むことができます。
STEP②順番を変えずに訳す
品詞ごとに区切ったら、その品詞をすべて現代語に訳していきます。
春は夜がほのぼのと明けようとする頃。
だんだんと白んでいく山際の辺りが、いくらか明るくなって、紫がかっている雲が横に長くたなびいている。
ここでのポイントは、順番を変えたり飛ばしたりせず、そのまますべて訳すことです。
特に助動詞の意味も訳に反映できているかは、忘れないように確認しましょう。
STEP③必要に応じて主語や目的語を補う
このままでも十分なのですが、訳してみて補足が必要そうな箇所があれば付け足していきます。
上記の例でいうと、「春は夜がほのぼのと明けようとする頃が(良い)」「紫がかっている雲が横に長くたなびいている(のはとても趣深い)。」といったように省略されている言葉を補うとより文章への理解が深まります。
【古文】現代語訳のやり方がわからない!おさえるべきポイントとは?|まとめ
以上、古文の現代語訳において、何に注意して解いていけば満点解答として認められるのかについて詳しく解説しながら、具体的な現代語訳のおすすめのやり方を紹介しました。
例文として挙げた清少納言によって書かれた「枕草子」は随筆というジャンルの文章で、現代でいうところのSNSのようなものでした。
清少納言は枕草子の中で、美しい描写から人の悪口までさまざまな内容を書き記していて、今の私たちと何ら変わりない日常があったことをうかがい知ることができます。
古文の単語・文法・古典常識などの知識が深まれば、古典の世界がもっと身近にもっと楽しく読み進めるようになるため、無理なく試験問題も解けるようになるでしょう。