大学受験に向けて日本史を選択した方の中には、覚えることの多さや情報の細かさに困っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
中には受験の選択科目を「世界史にすればよかった…」と後悔している方もいらっしゃるかもしれません。
そこで本記事では、日本史の特徴や世界史との違い、勉強する際のポイントなどを解説していきます!
日本史の細かさに辟易としているという方も、本記事を読むことでモチベーションを上げたり、勉強法を見直してみてください。
日本史が細かいと言われる理由やその特性とは?
そもそも、なぜ日本史は細かいと言われているのでしょうか。
それには、日本史の特性が深く関係しています。
そこでまずは、日本史が細かいといわれる理由を紹介していきますので、これをもとに日本史に対する理解を深めていきましょう。
狭く深く掘り下げる科目
日本史は日本のことだけを取り扱った科目であるため、様々な国の歴史を学ぶ世界史と比較すると、暗記する範囲は狭くなります。
しかしその分、様々な切り口によってテーマや用語を問われるため、深く掘り下げて勉強する必要があります。
一見、答えの用語を知っていればその用語について聞かれた際に解けるだろうと感じるかもしれませんが、1つの言葉に様々な出来事がかかわりあっているため、問題の聞かれ方が変わると解けなかったということが発生します。
いろんな方向性から基礎の上塗りを違う色で何回もやっていく、というイメージで基礎を使い倒すことがすごく大事です。
史料問題が出題される
日本史では、史料問題が出題されます。
史料問題とは、文章や絵などの史料から出来事の重要ワードを抜き出して出来事を特定し、それに付随する情報を用いて解いていく問題です。
史料問題を解く際には、自分が持っている情報の中から史料の解答を導き出す必要があるため、重要語句を把握しておくだけでなく、時代背景や全体像に関する理解も深めておく必要があります。
単なる暗記では解けない問題が多いというのも、日本史が細かいと言われることの理由の1つでしょう。
日本史の利点
日本史は細かいと言われていますが、いい点ももちろんあります。
日本史の利点は、整理するべき基礎知識自体の絶対量が少ないことです。
中学校までの学習の積み重ねがあり、既に骨組みができていれば、基礎はすぐに終わるでしょう。
また、基礎を勉強する際に覚え方もきちんと意識することで、共通テストでもある程度の点数がすぐに取れるようになるでしょう。
共通テストの場合、基礎をやった直後に取ることができる点数は6割ぐらいだと言われていますが、基礎的な知識をさらに使いこなすことができれば8割から9割をとることができるでしょう。
日本史と世界史の違い
日本史はその名の通り日本の歴史だけを深く掘り下げて勉強しますが、世界史は様々な国の歴史を勉強します。
日本史は暗記量がそれほど多くないという反面、用語を知っていても意味を細かく覚えていなかったり、出来事を知っていても背景知識を覚えていなかったりすると、答えられない問題が多いです。
一方世界史は、暗記する量が多い反面、思考力が問われるような問題は日本史ほど多くありません。
日本史と世界史は暗記という一言で言えば同じですが、覚え方や切り口に違いが生まれるというのを覚えておきましょう。
日本史を勉強するときの3つのポイント
日本史が細かいと言われている原因は分かりましたが、実際に勉強していくにあたってはどんな点に気を付ける必要があるのでしょうか。
以下では、日本史を勉強するときに重要となる3つのポイントを解説していきます。
まずは大枠を掴む
「日本史には細かい知識が求められる」と述べましたが、始めは基本的な部分を定着させましょう。
と言いますのも、最初から細かい知識ごと覚えるようにしていると範囲を1周するのに時間がかかってしまい、非効率的になってしまうためです。
まずはすべての範囲を一通り勉強して、大枠を掴むのが良いでしょう。
その後、大枠の知識に細かい知識をプラスして深く知っていくことをおすすめします。
日本史は整理が大事
日本史は整理の仕方が重要となる科目です。
日本史が苦手な人は整理ができてないことが多く、知識全部が単発になっている可能性が高いため、1つの出来事の中身の情報をセットで覚えること・前後関係を明らかにすることが重要となります。
日本史を勉強する際にはまず、出来事について・人物についてなどとカテゴリーを分け、「この出来事があり、この出来事に関連する人はこんな人です」というのをセットで覚えていくのがおすすめです。
そしてその出来事・出来事の結果・出来事が起こった理由といったように整理する順番を決め、その通りにつなげてセットで思い出せるようにしていきましょう。
タテとヨコのつながりを意識
日本史は1つの国の話なので基本的に出来事の繋がりはタテ方向にしかありませんが、実はヨコ方向の繋がりもあります。
日本史におけるヨコのつながりというのは、文化史やテーマ史を含めて、1つの国の流れを様々なテーマでおさえることを指します。
つまり、日本の歴史という1つのタテの軸だけではなく、文化史やテーマ史・他の国から受けた影響といった別の軸も覚えて、それらと本流のタテの軸との繋がりを抑える必要があるのです。
「日本史にはタテのつながりしかない」という先入観にとらわれず、多義的な視点から日本史の学習を行いましょう。
日本史の参考書・問題集紹介
日本の勉強法について理解できたところで、続いては日本史の具体的な参考書・問題集を紹介していきます。
今回は、基礎をしっかりと固めることができる参考書3選をご紹介していきますので、まず初めに何を使って勉強すればいいか悩んでいるという方は是非参考にしてみてください。
教科書よりやさしい日本史
「教科書よりやさしい日本史」は、日本史の軸となる部分を身に付けることができる参考書です。
日本史上の主要人物15人をイラスト化した「日本ビジュアル絵巻」を通し、全時代の流れや順番、またそれぞれの時代についての具体的な説明を学習することができます。
4人の生徒キャラクターと先生の会話形式となっているため、日本史に苦手意識のある方でも読みやすいのがポイントです。
本書を活用し、まずは最初の出来事を整理しておおまかな流れを掴みましょう。
金谷の日本史 なぜと流れがわかる本
「金谷の日本史 なぜと流れがわかる本」は、日本史を丸暗記するのではなく、納得して覚えることに重点を置いて編集された参考書です。
出来事と出来事の因果関係が明確に記されており、理由や流れと共に用語を覚えていくことができます。
また、内容をコンパクトにまとめたCDがついており、本編の読後に復習として隙間時間に何度も聞くことができます。
「日本史の内容が頭に入ってこない」「用語の丸暗記になってしまっている」という方におすすめです。
30日完成スピードマスター日本史問題集
「30日完成スピードマスター日本史問題集」は、新課程の「日本史探究」に対応した30テーマ構成の問題集です。
30日間で重要事項を整理・確認できるようになっているため、短期間で一気に最低限の知識を入れることができます。
確認問題と解答にはチェックボックスが付いており、テスト直前まで繰り返し演習ができるようになっているのもポイントです。
短いスパンで何周もすることで、効率よく記憶に定着させていきましょう。
日本史は細かい!勉強法を知って攻略しよう まとめ
今回は、日本史が細かいと言われることの理由から、日本史の特性や勉強法まで解説しました。
日本史は、記憶だけでなく全体像をしっかりとつかむことが重要な科目です。
「世界史よりも範囲が少ないから簡単に覚えられそう」という安易な理由で選んでしまうと、勉強し始めてみてから苦労することになるかもしれません。
日本史の特徴をしっかり把握した上で、本記事で紹介した参考書や問題集を活用し、細かい情報もインプットできるようにしていきましょう。