政治経済を理解するなら講義系の参考書がおすすめ
政治経済の大学入試問題は、知識のインプットだけでなく、計算問題やグラフ、記述形式の問題が出題されることもあります。ハイレベルな教材では、それらのただの暗記だけでは解けない問題への対策も可能です。
今回ご紹介する講義系の参考書は、学校の授業で政治経済を一通り習った人の知識の整理に役立つものから、政治経済をこれから勉強し始める初学者の人向けのものまで一通りそろっています。1つ1つ詳細を見ていきましょう。
共通テスト対策におすすめの2冊『蔭山のセンター政治・経済』『きめる!センター政治・経済』
最初にご紹介する『蔭山のセンター政治・経済』と『きめる!センター政治・経済』の2冊は、ともに共通テスト対策に役立つ講義系参考書です。今回紹介する参考書の中では難易度が低めな部類になります。共通テストだけでなく、大学入試でよく出題される基礎的な事項をわかりやすく解説している参考書です。
『蔭山のセンター政治・経済』の方がよりかみ砕いた解説で、予備校での政治経済の授業がそのまま再現されたような内容となっています。本文が授業形式の会話口調で書かれているので、読むだけで授業のように理解できるのがメリットです。それに対して、『きめる!センター政治・経済』はどちらかというと教科書よりの解説となっています。政治経済に登場する出来事を順番に記した内容です。会話形式の文章よりも、ただ事実が整理されてまとめられているタイプのテキストの方が勉強しやすいという人には『きめる!センター政治・経済』をおすすめします。
2冊とも、扱っている内容のレベルや難易度はほとんど変わりませんので、共通テスト対策をするためにはどちらか1冊に取り組めば十分です。書店などで中身を見てみて、自分が勉強しやすく感じる方を選んで取り組むようにしてください。
基礎からMARCHレベルまで対応できる『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』
次にご紹介する『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』は、政治経済の基礎事項からMARCHレベルまで対応できる知識まで扱っている参考書です。覚えなければならない知識量は多いですが、基礎から丁寧に解説されているので順番に学習していけば一通りマスターできる内容となっています。文体はどちらかというと教科書風で知識の解説が中心となっていますが、十分に分かりやすい内容です。
なお、共通テストだけ政治経済の点数が取れれば良い理系の受験生にとっては、『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』に書いてある知識は細かすぎて必要がないものも多いので、共通テストだけ受ける場合は最初にご紹介した2冊をしっかり仕上げれば十分でしょう。
『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』は頻繁に改訂版が出ていて、常に最新の入試問題に対応した内容が学習できるのも特長の一つです。MARCHレベルまでの政治経済の知識を固めるなら、『畠山のスパッとわかる政治・経済爽快講義』を使って必要事項を暗記していってください。
早慶などハイレベルな入試のための知識習得なら『蔭山克秀の政治・経済が面白いほどわかる本』
最後にご紹介する『蔭山克秀の政治・経済が面白いほどわかる本』は、市販の政治経済の講義用参考書の中ではもっともハイレベルな内容のテキストです。早慶の大学入試で問われるような細かい知識も網羅しているのが特長となっています。特に、早稲田大学の政治経済の問題は非常に難易度が高いので、『蔭山克秀の政治・経済が面白いほどわかる本』を使って詳細な知識を固めておきましょう。
なお、講義系の参考書ではありますが、知識をノートのような形式で整理するタイプの構成になっていますので、読み物というよりは書いて知識を整理していく使い方に向いています。最初の1冊というよりは、基礎的な知識を抑えた後にプラスアルファの知識を補強するための2冊目として使用するのが効果的です。レベルの高い知識を細部までにわたって掲載していて、大学入試の政治経済で問われるすべての知識を網羅しているといっても過言ではありません。
ただし、解説についてはそこまでわかりやすくないため、ハイレベルな受験生を対象にした本ということに注意してください。初学者が手を出すと学習効率が低くなってしまうので、先に基礎固めをしたあとに『蔭山克秀の政治・経済が面白いほどわかる本』へとチャレンジするようにしましょう。
まとめ
今回は、大学入試の政治経済の知識が理解できる講義系参考書を4冊ご紹介しました。基礎レベルから共通テスト、MARCH、そして早慶と、それぞれの参考書で到達できるゴール地点が異なります。自分が目指す大学の出題レベルに合わせて、適切な参考書を選んでください。
なお、早慶を目指している人でも、4冊目にご紹介した『蔭山克秀の政治・経済が面白いほどわかる本』にいきなり取り組むのはハードルが高いので、まずは基礎的なレベルの教材から初めて、順番にステップアップしていくことをおすすめします。