英文解釈は、英語長文を解くために欠かせない力を養う勉強法です。
単語や文法の基礎を固めた後に行うと効果的で、読解力や文法理解を深めることができますが、一方で「英文解釈はいらないのでは?」という意見も…。
そこで今回は、そもそも英文解釈とは何なのか、始めるタイミングは?といった基本的な勉強方法から、英文解釈を学ぶメリット、オススメの参考書を紹介します。
これから英文解釈を始めようと思っている方、または勉強法に悩んでいる方はぜひ参考にしてください!
英文解釈って何?そのタイミングは?
そもそも、英文解釈とはどういったものなのか、いまひとつ分かっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、まずは英文解釈とはどのようなものなのかを解説します。
英文解釈を始めるタイミングについても紹介するので、参考にしてみてください。
英文解釈とは
英文解釈とは、英語長文を読みやすくするための勉強のことです。
そのため、英語長文の勉強の1つと言うことができるでしょう。
そして、英文解釈は英語読解と目的は一緒で、英語の長文を読みやすくする練習をするためのものです。
英文解釈を勉強するタイミング
英文解釈は英語長文の勉強に入る前が勉強するタイミングと言えます。
上記で説明した通り、英文解釈は英語長文を読みやすくするためのものなので、単語や文法が終わってからでないと上手く理解することができません。
単語や文法が終わっていない段階で英文解釈に手を出すと、分からない部分を調べるのに時間がかかってしまいます。
そのため、英文解釈は単語や文法が終わった後、英語長文に入る前に勉強するのがおすすめです。
英文解釈はいらない?
そもそも、十分な量の単語を覚えていれば英語長文を読むことはできそうですよね。
そのため、「英文解釈はいらないのでは?」と考える人も多いのではないでしょうか。
国語が得意な人は、単語がわからなくても聞いてくる内容と文の流れでほぼ内容を予測できる場合があります。
国語力がある人なら訳はある程度当たるので、読解問題は結構点が取れたりしますが実際はどうなのでしょうか…?。
文法とかかわるとそうはいかない
上記のような理由から、英文解釈はいらないという意見もありますが、文法がかかわってくると、国語が得意な人でも全く解けなくなります。
例えば形容詞と副詞のどちらを入れるべきか判断するとき、意味的にはどちらを入れても大差はないかもしれません。
しかし文法的にはsvcのcが入らなければならないという判断が求められます。
理由を理解して正しいものを選ぶためには解釈が絶対に必要です。
解釈は訳のために重要
解釈は、英文の大きな塊を文の構造で整理していくという作業です。
読む手順を整えるという作業になるわけです。
よく文法をやらずに長文をやっていいですかという人がいますが、解釈をするときには文法が必要です。
ですからまずは基礎知識をちゃんと入れて、それが正しく使えるかを解釈の問題集で試すという流れが大切です。
すなわち、解釈は今までやった知識を総動員して解いていく分野なのです。
英文解釈のメリット
英文解釈が必要なことが分かりましたが、英文解釈を行うとどんなメリットがあるのでしょうか。
ここからは英文解釈のメリットを4つ紹介します。
英文解釈を勉強しようか迷っている人は参考にしてみてください。
長文読解が得意になる
英文解釈を勉強することのメリットの1つ目は長文読解が得意になるという点です。
英文解釈は英語長文を読みやすくするためのものなので、自ずと長文読解の問題が解きやすくなるでしょう。
例えば、話の内容を掴むことができているので、内容一致問題の選択肢を選びやすくなることなどが挙げられます。
また、和訳の問題を解く際に、綺麗な日本語訳を書けるようになります。
そのため、英文読解が得意になり、得点源にしていくことができるでしょう。
主語や動詞などの文の構造を細かく理解できる
英文解釈を勉強することのメリット2つ目は、主語や動詞等の文の構造を細かく理解できるという点です。
和訳の問題などでは、主語が長かったり、どれが文の動詞なのか分かりづらい箇所について問われる傾向にあります。
そのため、英文解釈の参考書には一文の中でどれが主語でどれが動詞なのかなど、文構造が全て記されているものが多いです。
英文解釈を勉強していくことで、主語の位置や動詞の場所等が分かり、正確に訳すことができるようになります。
英文を読むのが速くなる
英文解釈を勉強することのメリット3つ目は、英文を読むのが速くなるという点です。
英文解釈を勉強すると、英語を日本語にせずに英語のままで理解することができるようになります。
そのため、理解するまでのスピードが上がり、英語長文を読むことができるのです。
文法の復習にもなる
英文解釈を勉強することのメリット4つ目は文法の復習にもなることです。
英文解釈を勉強する上では、様々な文法が使用された英文が登場します。
そのため、英文解釈を勉強すれば、文構造を学びつつ、文法の総復習ができるようになるでしょう。
英文解釈の勉強方法
英文解釈は長文で躓いてしまった人に必要なものです。
ここからは英文解釈の勉強方法をご紹介します。
正しい勉強の仕方を把握することで、英文解釈の力を付けていきましょう。
- まずは直訳を書く
- 解説を読みながら英文構造を把握し、復習する
- 音読して前から英語の意味を読み取る練習をする
まずは直訳が書ければいい
解釈の問題集を解いていると、訳が意訳すぎることに気づきます。
何となく頭の中で訳しているだけなのと、実際に書いてみるのとでは大きな違いがあります。
解釈に入ったら構文を振ったうえで、直訳を書けるようにしましょう。
直訳は、必ずしも解答の訳と一致しなくても大丈夫です。
解釈に出てくる一文は長文の中で基本的に一番難しい文ですので、ここができるようになれば長文問題にもスムーズに入ることができます。
解説を読みながら英文構造を把握し、復習する
実際に直訳してみたら、次は解答解説を読みましょう。
英文解釈の参考書にはその文の訳だけでなく、英文構造に関する解説も載っています。
どこまでが主語でどこが修飾部だったのかなどを自分で掴めていたかどうかまで確認しましょう。
また、知らない文法が出てきたら復習することで効率的に勉強できます。
音読して前から英語の意味を読み取る練習をする
英文構造を見て復習を終えたら、繰返し音読をするようにしましょう。
音読をする時はただ読むのではなく、読んでいる箇所の意味を頭で考えながら読むと良いでしょう。
そうすることで、英文を前から読んで意味を把握する練習をすることができます。
英文解釈のおすすめ参考書
英文解釈の勉強法がわかったところで、英文解釈に挑戦していきましょう。
実際に英文解釈の勉強をする時は英文解釈に特化した参考書を使うことをおすすめします。
そこで、ここからは英文解釈のおすすめ参考書を5冊ご紹介します。
入門 英文解釈の技術70
この参考書は英文解釈を基礎的な部分から学ぶことができる参考書です。
掲載されている全ての英文にSVOCの構文記号が割り振られているので、分からない部分を徹底的に明らかにすることができます。
この参考書を一通り完璧にするとMARCHや早慶の易しい学部のレベルまで対応することができます。
注意点
この参考書に取り組むときはCDを活用して取り組むようにしましょう。
せっかくCDがついているのでシャドーイングなどCDを活用した学習をしてみるのがおすすめです。
CDを活用しながら2~3周やってみると自分の力になるでしょう。
大学入試問題集 関正生の英文解釈ポラリス[1 標準~応用レベル]
この参考書は直訳から「正しい意訳」になるまで英文解釈の力を伸ばすことができる1冊です。
チャプター毎に分詞構文、倒置などで分かれているので、苦手な部分を重点的に勉強することができます。
「スタディサプリ」で有名な関先生の分かりやすい解説が特徴的な参考書です。
注意点
この参考書に取り組むときは、解きっぱなしで終わらないように注意しましょう。
解説が詳しく書いてあるので、解説を読んで満足してしまい、そのまま終わってしまうというケースが考えられます。
本書を有効に活用するためには、しっかりと復習を行いましょう。
ポレポレ英文解釈プロセス50
この参考書は早慶レベルや難関国公立レベルの英文読解に対応できるようになるハイレベルな参考書です。
そのため、英文解釈の参考書の1冊目にはおすすめしません。
ある程度英文解釈力を付けてから取り組むことをおすすめします。
この参考書の解説は解答プロセスに力を入れており、どこを見れば答えることができたのか分かる仕様になっているのもポイントです。
注意点
この参考書は、先述したように非常にレベルが高いものとなっています。
そのため、解けなくても解説を読んで終わりにするのではなく、自分で書いてみて復習をすることを忘れないようにしましょう。
何度も繰り返すことによって自分の力になっていきます。
英文読解入門 基本はここだ!
この参考書は基礎的な文法解釈を身につけたい人におすすめな1冊です。
中学校の英文法が身につけば挑戦することができる参考書です。
この参考書で基本的な事項を押さえれば、共通テストレベルの英文解釈力を身につけることができます。
また、解説が丁寧でわかりやすいので、分からない部分を徹底的に潰すことができるでしょう。
注意点
この参考書を使うときは1文1文をしっかりと訳すようにしましょう。
比較的易しい文章から始まるので、一つ一つしっかり取り組めば着実にレベルアップしていくことができます。
そのため、読んで終わりにすることなく1文1文をしっかりと訳しましょう。
英文読解の透視図
この参考書は、最難関大学レベルを目指す人におすすめの参考書です。
最難関大学の和訳問題でよく出てくる省略・倒置・挿入・強調などの構造について詳しく解説されているのが特徴です。
和訳の正確性を上げたい人はこの参考書に取り組んでみてください。
注意点
この参考書に取り組むときは復習に力を入れるようにしましょう。
詳しく解説がされているので、読んで解いた気になってしまいがちです。
しかし、しっかりと復習しなければ自分の力にはならないので復習をすることを忘れないようにしましょう。
英文解釈の勉強法って?|まとめ
今回、英文解釈の必要性や勉強方法などについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
英文解釈は文法問題や和訳問題を解くときに必要となります。
英文解釈を勉強するときはまずは直訳を書いてみて、解説を読んで構造を把握し、最後に音読学習をすることが重要です。
また、おすすめ参考書を使って勉強するのが良いでしょう。
本記事を参考に、英文解釈を完璧にして英語の成績を伸ばしていきましょう!