英語の大学受験対策を行っている中で、
「動名詞と不定詞って何が違うんだっけ…」
「この動詞の後ろに来るのは動名詞?それとも不定詞?」
などと、動名詞と不定詞の違いや使い分けに悩む受験生は多いでしょう。
動名詞も不定詞も、「〜すること」という名詞を表すので一見違いがないようにも見えますが、実は明確な違いがあるのです。
本記事では、動名詞と不定詞の違いや動名詞を使うシーンについて例文を交えながら詳しく解説しますので、英語が苦手な方は最後までご覧ください。
動名詞と不定詞の違い
動名詞と不定詞の違いは、大きく分けると「動作の時制」「動詞のイメージ」の2つになります。
それぞれ例文と照らし合わせながらチェックしていきましょう。
動名詞と不定詞の違い①時制が違う
動名詞の特徴として、「過去のことを表す」ということが挙げられます。
一度例文を確認してみましょう。
例文:He admitted telling a lie intentionally.
「彼は意図的に嘘をついたと認めた。」
ここで使われている動詞はadmit ~「〜を認める」となっており、過去に行ったことを認めるという意味で動名詞が用いられています。
そんな動名詞に対して、不定詞は「未来のこと」を表現する際に使われることが多いです。
例文:I plan to travel abroad next year.
「来年、海外旅行をする予定だ。」
この例文では動詞plan〜「〜することを予定している」が用いられており、未来において行うことを予定しているという意味を示しています。
動名詞と不定詞の違い②動名詞はネガティブ・不定詞はポジティブ
また、動名詞は「ネガティブなイメージ」を持つ動詞に伴って使われることが多いです。
こちらも例文で確認してみましょう。
例文:She gave up working for the company.
「彼女はその会社で働くのを諦めてしまった。」
ネガティブなイメージを持つ動詞として、ここではgive up〜「〜をやめる」が用いられています。
過去から続けてきたことを諦めてしまうわけですから、確かに後ろ向きなニュアンスが汲み取れるでしょう。
一方で、不定詞は「ポジティブなイメージ」を持つ動詞と一緒に用いられます。
例文:The students aim to pass the entrance exams for the university.
「生徒たちはその大学の入試に合格することを目指している。」
ここで使われているのは、aim〜「〜することを目指す」という前向きな動詞です。
このようなポジティブなイメージを持つ動詞のときは、動名詞ではなく不定詞を用います。
動名詞はどんなシーンで使う?
ここでは、動名詞を使う場合についてもう少し詳しく解説します。
先ほど整理した内容を踏まえながら確認していきましょう。
動名詞を使うシーン①過去起きたことに言及する
まずは、前述の通り「過去起きたこと」に言及する場合です。
次の例文を確認してみましょう。
例文:He finished writing his diary.
「彼は日記を書き終えた。」
上記の例文では「日記を書く」という動作は過去に行われているため、動名詞を用います。
動名詞を使うシーン②ネガティブな内容を表現する
次に、先程触れたような「ネガティブな内容」を表現するときの動名詞の使い方を紹介します。
例文①:We should avoid staying up late.
「夜更かしは避けるべきだ。」
例文②:Would you mind me coming with you?
「ご一緒させていただいてもよろしいですか?/ 私があなたと同行することをあなたは嫌がりますか?」
例文③:I object to going outside in bad weather like this.
「こんな悪天候の中で外出することには反対だ。」
これらの例文では、avoid~「〜を避ける」・mind~「〜を嫌がる」・object to〜「〜することに反対する」という動詞が使われており、どれも後ろ向きな意味を含んでいます。
このような動詞を用いる際は、後ろに動名詞を置くようにしましょう。
また、他にも次のような動詞が仲間として挙げられるため、覚えておくことをおすすめします。
discontinue ~ | ~するのをやめる |
escape ~ | ~するのを避ける |
put of ~/postpone ~ | ~するのを延期する |
resist ~ | ~することに反対する |
動名詞を使うシーン③提案するとき
最後に紹介するのは、「提案する」ときに用いる動名詞の使い方です。
こちらは少し変わり種ですが、①の「過去起きたこと」という点から考えてみましょう。
例文①:I suggested writing essays in English to improve their English literacy skills.
「私は彼らの英語の読み書き能力を向上させるため、エッセイを英語で書くように勧めた。」
例文②:She will propose building the big library in the south area of the town.
「彼女は町の南部に大きな図書館を建設することを提案するつもりのようだ。」
例文のように、誰かに何かすることを勧めたり提案したりする際には、大抵その物事を過去に経験していることが多いです。
その場合も、「過去起きたこと」とのつながりから動名詞を用います。
不定詞はどんなときに使う?
ここからは不定詞を使う場合について解説していきます。
動名詞とは逆のイメージで用いられることが多いため、併せて確認しておきましょう。
不定詞を使うシーン①まだ起きていないことに言及するとき
まずは「まだ起きていないこと」、つまり未来のことに言及する場合です。
例文:You should prepare to make a presentation.
「君はプレゼンテーションの準備をすべきだ。」
この例文において、プレゼンテーションの準備はまだ行われていません。
このような場合は、動名詞ではなく不定詞を用います。
次の動詞も同様です。
attempt ~ | ~しようとする |
hope ~ | ~することを望む |
promise ~ | ~すると約束する |
want ~ | ~したい |
wish ~ | ~することを願う |
不定詞を使うとき②ポジティブな内容を表現するとき
次は、「ポジティブな内容」を表現する場合を考えてみましょう。
例文:I managed to accomplish my tasks as planned.
「私はどうにか計画通りに仕事を成し遂げた。」
manage to〜は「なんとか〜する、どうにか〜する」という意味の動詞で、この動詞のように挑戦的な印象を持つ動詞を使う際は不定詞を用います。
また、次のような動詞も同じく不定詞を用いる表現であるため、覚えておくようにしましょう。
agree ~ | ~することに賛成する |
decide ~ | ~すると決める |
happen ~ | 偶然~する |
動名詞か不定詞かで意味が変わる動詞
ここからは、動名詞を使うか不定詞を使うかで意味が変わる動詞の表現を紹介します。
がらりと意味が変わってしまうものもあるため注意が必要ですが、基本的には過去志向か未来志向かで区別することができます。
forget「~したことを忘れる」/「~し忘れる」
forgetの後ろに動名詞を置くと「〜したことを忘れる」という意味になり、不定詞を置くと「〜し忘れる」という意味になります。
例文①:I forgot taking a medicine in this morning, so I have a headache now.
「今朝薬を飲み忘れたから、今頭痛がする。」
例文②:My mother forgot to buy salt.
「母は塩を買い忘れた。」
regret「~したことを後悔している」/「残念ながら~する」
regretの後ろに動名詞を置くと「〜したことを後悔している」という意味になり、不定詞を置くと「残念ながら〜する」という意味になります。
例文①:I regret not meeting my friend again.
「私は友達と再会しなかったことを今だに後悔している。」
例文②:We regret to refuse your offer.
「残念ながら、あなたのお申し出はお断りいたします。」
例文の通り、動名詞と不定詞のどちらを使うかによって意味が全く変わってしまうため、訳す際には注意が必要です。
remember「~したことを覚えている」/「忘れずに~する」
rememberの後ろに動名詞を置くと「〜したことを覚えている」という意味になり、不定詞を置くと「忘れずに〜する」という意味になります。
例文①:He remembers playing soccer with me in our childhood.
「彼は子供の頃、私と一緒にサッカーをしたことを覚えている。」
例文②:Please remember to turn off the light.
「忘れずに照明を消してください。」
こちらもどちらを使うかによって意味が変わってしまいます。
文脈や文意に沿って使い分けられるよう、きちんと覚えておきましょう。
stop「~することをやめる」/「~しようとして少し立ち止まる」
stopの後ろに動名詞を置くと「〜することをやめる」という意味になり、不定詞を置くと「〜しようとして立ち止まる」という意味になります。
例文①:Did you stop smoking?
「タバコを吸うのをやめたの?」
例文②:I stopped to hear birds chirping.
「私は鳥のさえずりに耳を傾けようとしてしばし立ち止まった。」
こちらも動名詞を使う場合と不定詞を使う場合で意味が異なる動詞ですが、特に不定詞を用いる場合は要注意です。
「〜するために」と訳す不定詞の副詞的用法を思い出しながら区別しましょう。
try「試しに~する」/「~しようとする」
tryの後ろに動名詞を置くと「試しに〜する」という意味になり、不定詞を置くと「〜しようとする」という意味になります。
例文①:I tried playing the guitar.
「私は試しにギターを弾いてみた。」
例文②:My brother tried to act normal, but he looked so nervous.
「弟は平静を装おうとしていたが、とても不安そうに見えた。」
この二つは少し似ているようにも見えますが、実は少し違う点があります。
不定詞を用いた例文に注目してみましょう。
「平静を装おうとした」という表現には、実際にはそれは成功しなかったというニュアンスが含まれています。
対照的に、動名詞を使った例文ではその動作が成功したか失敗したかは問題にされません。
この違いを押さえておきましょう。
動名詞と不定詞の違いとは?文法や使い方を解説!|まとめ
動名詞と不定詞の違いは、主に「動作の時制」と「ネガティブか、ポジティブか」という点にあります。
動名詞は主に過去の動作やネガティブなイメージを表し、不定詞は未来の動作やポジティブなイメージを表す表現です。
また、動名詞と不定詞の両方を用いることのできる動詞もあります。
意味が似ているものもあれば全く異なっているものもあるため、正確に使い分けられるようにしましょう。