共通テストでは理科の科目選択として、『物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎』『物理』『化学』『生物』『地学』の5つの科目から、最大で2科目選択して解答する必要があります。
選択科目において、『化学』にするか『物理』にするかで悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
そこで本コラムでは、共通テストで化学と物理の選択に悩んでいる方に向けて、
・化学と物理の違いに着目した科目の特徴
・難易度と共通テストでの出題傾向と対策
・化学と物理ではどっちがより向いているかの判断基準
・化学と物理の選び方
について解説しています。
化学と物理のどちらが自分に向いているのかが分かる内容になっておりますので、共通テストの理科の科目選択で悩んでいる方は是非最後まで読んでください!
【化学と物理】科目の特徴の違いに注目して解説!
共通テストで化学か物理か選択をしようと思っても、それぞれの科目でどのような問題が出題されるのか、どのような特徴があるのかがわからない方もいると思います。
まずは、化学と物理のそれぞれの科目の特徴について説明し、その後それぞれの違いについて解説していきます。
化学とは?科目の特徴
化学は、様々な物質の構造や性質、またその変化について学ぶ科目です。
理論化学・有機化学・無機化学の3分野に分けることができ、それぞれで計算方法や公式・暗記など覚えるべき内容が多いことが特徴的です。
学習範囲は広いですが、難易度の高い問題は出にくく、学習範囲を網羅しておけばある程度安定して得点できるでしょう。
理論化学は計算量が多いことが特徴で、計算ミスが起きやすい分野。
有機化学は暗記が多いことが特徴で、記憶力が重要となる分野。
無機化学は計算量よりも暗記量のほうが多いですが、思考力が最も重要となる分野であり、パズルのように解いていく問題が多いのが特徴的です。
物理とは?科目の特徴
物理は、身の回りのことを数式で表して解き明かす科目で、力学・熱力学・波動・電磁気・原子の5つの分野があります。
暗記量はあまり多くなく、公式を理解し計算することが多いのが特徴です。
計算式を深く理解することが必要となりますが、公式を正しく理解して使うことができれば、狭い範囲しか学習が終わっていなくても、比較的容易に高得点を取ることができる科目です。
しかしながら、出題内容によっては、問題文の意図を組み切れなかったり、解くための公式が分からなくなると極端に低い点数となってしまう可能性もあるため、計算式の記憶と同時に国語力や理解力も重要となります。
化学と物理の科目の違い
化学と物理を簡単にまとめると以下のような違いがあります。
・化学は広い範囲の学習が必要だが、難易度の高すぎる問題は出題されないため、安定した得点が可能。
・物理は範囲が比較的狭く、問題文や計算公式を理解していれば高得点が獲得できる。
範囲・出題難易度・得点の安定性などの点において異なりますので、特徴をしっかり理解したうえで自身に合った科目を選択することが重要です。
化学と物理、共通テストではどっちが難しい?
化学科目と物理科目の学習内容の特徴や出題傾向などについて理解できたところで、果たしてどちらを選ぶのが良いのでしょうか?
難易度という点で考えた際、「どちらが難しい」というのは言い難いです。
共通テストの出題傾向や対策方法を知った上で、どちらが自分に向いているかを総合的に判断するのが良いでしょう。
そこでここからは化学・物理の難易度や、共通テストにおける出題傾向・対策方法について解説していきます。
【化学】難易度と共通テストでの出題傾向・対策
化学は暗記力が最も重要となる分野であるため、記憶力に自信がある方は物理よりも難易度が低く感じるかもしれません。
もちろん、共通テストには計算や思考力が問われる問題もあるため、総合的な力をつけることが大切です。
まずは出題傾向を掴み、それに沿って学習していくことで無駄のない学習をしていきましょう!
化学科目の共通テストでの出題傾向
化学の共通テストの出題傾向は、以下のようになっており、理論・無機・有機から満遍なく出題されていることがわかります。
大問1 | 理論化学(気体・溶液・結晶など) |
---|---|
大問2 | 理論化学(熱・酸化還元・化学平衡など) |
大問3 | 無機化学 |
大問4 | 有機化学・高分子化合物 |
大問5 | 総合 |
化学の共通テスト対策方法
化学の対策は、早めに全範囲を網羅することが重要です。
化学の分野は幅広いため、特定の部分だけを突き詰めて勉強するよりも全範囲を薄く広く学ぶ方が得点に繋がりやすいです。
また、先述したように化学は大量の暗記が必要となります。
語呂などを活用して自分なりの覚え方を実践し、しっかりと記憶できているかを定期的に確認していきましょう。
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【物理】難易度と共通テストでの出題傾向と対策
次に、物理の難易度・共通テストでの出題傾向と対策について解説していきます。
物理は計算問題が多く出題されるため、理系の数学が得意な方であれば難易度が高くないと感じるかもしれません。
一方、数学や計算に苦手意識がある方にはとっては難易度の高い科目であるという点を理解しておきましょう。
物理科目の共通テストでの出題傾向
物理の共通テストでの出題傾向は、以下のようになっています。
化学と比べると大問の数は少ないですが、その分1問あたりにかかる負荷が大きくなっています。
大問1 | 小問集合 |
---|---|
大問2 | 力学 |
大問3 | 波動 |
大問4 | 電磁気学 |
物理の対策方法
物理の対策においては、法則や原理をしっかりと理解することが重要です。
公式を覚えるだけでなく、「その公式はどういう時に使えるのか?」「どういう現象を指しているのか?」など、理解することを重視した学習が重要です。
また、計算が学習の基本となるため、計算ミスのないように計算力を鍛えておくことも重要です。
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【共通テスト】化学と物理どっちが向いている?
共通テストの選択科目において化学と物理のどちらが向いているか、どちらの方が難しいと感じるかは、自身の勉強の得意分野や学習スタイルによって異なります。
前述した出題傾向や学習方法からどちらが適しているかを知ることで、効率的に学習を進めることができます。
そこで続いては、
・化学が向いている人
・物理が向いている人
について簡単に紹介します。
【共通テスト】化学が向いている人|暗記が得意な人
莫大な暗記量が必要とされる化学に向いている人は、暗記が得意な人です。
また、暗記力がある方だけでなく、全体的にバランスよく学習し、詳細にこだわらず全範囲を網羅することできる人が化学に向いています。
基礎の範囲を一通り仕上げるには3,4ヶ月はかかるため、ある程度時間がある人の方が向いていると言えるでしょう。
【共通テスト】物理が向いている人|ある程度数学に自信がある人
物理は計算問題が多いため、ある程度数学に自信がある人が向いています。
数式を理解し計算する力があり、論理的な思考ができることが求められるでしょう。
さらに、公式を覚えるだけでなく、その背景にある理論や法則を理解することも求められるため、化学と比較するとより深く理解したい方に向いています。
【共通テスト】化学と物理の選び方
これまで、化学と物理それぞれの科目の違いやどっちが難しいか簡単か、向き不向きなどについて解説してきました。
しかし、受験で使用する以上、科目の向き不向き以外の観点もふまえて選択科目を決めることが必要です。
そこで以下では、実際に共通テストでの科目を決める際にポイントとなる3つの観点について解説していきます!
行きたい大学で必要な科目を選ぶ
どんなに好きな科目・得意な科目でも受験の際に選択できなくては意味がないため、行きたい大学を受験する際に必要な科目を選ぶことが最も重要です。
なお、物理選択の方が行ける学部が多いため、まだ行きたい学部や大学が決まっておらず、物理に苦手意識がなければ、事前に物理の学習に集中しておくというのも1つの手だと思います。
大学や学部の要件を確認した上で、どちらの科目を選ぶかを決めるようにしてください!
数学が得意か苦手かで選ぶ
前述のように化学と物理では計算量が異なるため、数学が得意な方は物理、苦手な方は化学を選ぶのも良いでしょう。
また、数学など計算をするよりも、暗記や知識をしっかり詰め込みたいという方には化学が向いています。
物理は得点にムラが生じる可能性があるため、「満点を狙いたいか?」「安定した得点を狙いたいか?」で科目を選択する考えもあります。
将来的に役立ちそうな科目を選ぶ
受験が終わって大学で勉強を続けることを考えると、将来的に役立ちそうな科目を選ぶ方が、大学に入ってから苦労しないでしょう。
大学では、高校までに習った内容が身についている前提で講義が進むため、関心のある専門分野に関連した科目を選ぶと大学での学習がスムーズになります。
例えば、医療系の学部では生物や化学が、工学や物理学の学部では物理の選択が有利だと言えます。
共通テストで化学と物理はどっちが難しい?選び方|まとめ
この記事では、共通テストで化学と物理の選択に悩んでいる方に向けて、
・化学と物理の違いに着目した科目の特徴
・難易度と共通テストでの出題傾向と対策
・化学と物理ではどっちがより向いているかの判断基準
・化学と物理の選び方
について解説しました。
どちらの科目が「難しい」「簡単」と感じるかは、個々の得意分野によるため、一言で「どっちが難しいか?」に回答することはできません。
【共通テストの化学と物理の違い】
・化学は広い範囲の学習が必要だが、難易度の高すぎる問題は出題されないため、安定した得点が可能。
・物理は範囲が比較的狭く、問題文や計算公式を理解していれば高得点が獲得できる。
それぞれの向き不向きや受験の際にどちらが有利かなど、複数の観点から検討し科目を選択することが大切です。
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