具体的なおすすめポイント
初学者にもわかりやすいように基礎的な内容に簡潔に触れている
注意点
政治及び現社それぞれの深い内容については別の参考書で学習をするのが良い
科目 | 政治経済 |
出版社 | ナガセ |
目的 | 政治経済基礎学習 |
対象者 | 初学者向け |
難易度 | 共通テストレベル |
分量 | 211ページ |
使用期間 | 高校1年〜2年後 |
ジャンル | 政治経済の参考書 |
政治経済の政治分野の全体像を掴むためにおすすめの1冊!
本書『清水の新政治攻略 政治のしくみと時事 現代社会対応』は東進ブックスの『はじめから丁寧に』シリーズと同じラインとして発行された1冊です。
内容は極めてシンプルでわかりやすくまとめられており、政治経済の初学者向きと言えるでしょう。「基本的な制度・しくみの延長線上に、現実の時事問題がある」という哲学に基づき現在でも名講義との呼び声の高い東進・清水先生による「政治経済攻略」の政治分野を紙面上で完全再現した1冊となっています。
「個人情報保護法と新しい人権・聖域なき構造改革としての道路公団民営化や郵政民営化・三位一体の改革と市町村合併・司法改革」などの一般にも注目度が高く入試にも取り上げられやすい時事テーマをピックアップしており、鋭い切り口で非常にわかりやすい内容で丁寧に解説している参考書です。
政治経済を初めて学習する受験生やほとんど学習が進んでいないという受験生が、まず政治経済分野の概観を掴んでいくために使用するのがおすすめです。
本書の中には練習問題の掲載もありますが、あくまで最低限の掲載量のため練習問題に頼るのではなく何よりも本書を繰り返し読み込むことが大切になってきます。「現代社会対応」とある通り現代社会分野における内容にも触れてくれていますが、基本的には現社の深い知識や難しい問題には踏み込んでおらず基礎的な部分を丁寧に解説してくれている1冊となっているため、この点でも初学者にとっては馴染みやすいでしょう。
清水の新政治攻略 政治のしくみと時事 現代社会対応の特徴
前述の通り、本書は東進清水先生の伝説の講義「政治経済攻略〜政治分野〜」を紙面上で再現した内容となっており、政治経済分野の全体像を非常に分かりやすく、かつシンプルに説明してくれる1冊です。
第1講では「民主政治の基本原理」を「国家の機能」「社会契約説」「民主政治」「法の支配の歴史と現状」に分けて解説されています。続く第2講義では「基本的人権の歴史」についての基本的な内容や歴史、および現代における人権の国際化について説明があります。
第3講ではイギリスやアメリカなどの各国の政治制度についての紹介をしており、それぞれの国を比較することで政治制度に対する理解を深めます。各国の政治制度の比較の次は我が国の憲法について「憲法の三大原理」や「平和主義と有事立法」「基本的人権の尊重」などニュースでも耳にすることの多いような基本的な原理について改めて確認をします。
第5講では日本の政治機構についての解説で三権分立・政治制度の仕組み、そして司法改革とその問題について触れていきます。続く第6講では地方自治について解説をしており、選挙制度について解説した第7講へと繋いであります。そして、最後となる第8講では「国際政治」と題し「国際社会と国際機構」「戦後の国際関係」について解説されています。
全体として過不足なく政治経済分野の政治部門について過不足なく基本的な情報を網羅し、それでいて非常に簡潔な解説がされているため政治経済分野の外観を手っ取り早く把握したいといった学習者の方にはぴったりの参考書となっています。
清水の新政治攻略 政治のしくみと時事 現代社会対応の使い方
実は共通テストの「現代社会」の7~8割は「政治経済」分野からの出題で構成されており、近年ではその現代社会分野においても単純な常識問題のような出題は減少傾向にあり、より正確な政治経済的な知識と理解を問う出題の増加が顕著にみられます。
そういった流れの中で、知識によって得点に差が出てくる政治経済分野を学習していくことは「政治経済」「現代社会」分野でブレイクスルーをするためのポイントとなってくるでしょう。
本書『清水の新経済攻略 政治に仕組みと時事 現代社会対応』ですが、まずは各テーマごとに出題されるであろう問題点とポイントが明示されており、学習者が疑問に感じやすいであろう点を例示してくれています。次にその回答が簡潔なキーワードで示されており、その後はそのキーワードに至った理由や道筋が展開して解説されています。
この3段構えでの展開が本書を通じて行われている基本のスタイルのため、この流れに沿って学習及び頭の整理を行っていくことで確実に政治経済及び現代社会分野の知識が深まってくるでしょう。
また、各講義には必ず例題が掲載されており、これはそれぞれの単元の理解度を自分で測ることのできるような小テストの役割を担っています。本書の講義を読みながら内容をよく理解することで必要な情報のインプットを行い、例題で読んだ内容を思い出しながら選択肢を読んでいきましょう。
そこで、講義内容を正しく理解できているのかのトレーニング繰り返すことでアウトプットの練習になり、得点力の向上に繋げていくというのが本書の理想的な使い方ですが、例題の数は決して多くはないため、本書を通じて基本的な理解が深まったと感じたときにはぜひ他の問題集へチャレンジしてみてください。
こちらも合わせて学習してみよう
本書『清水の新経済攻略 政治のしくみと時事 現代社会対応』はあくまで基礎的な内容に簡潔に触れ全体の概要を抑えておくには最適な参考書ですが、より深い内容について学習していきたいという受験生には本書だけでは発展的な内容には対応できないため、本書での学習を終え基本的な内容が頭に入ったら是非とも発展的な内容も合わせて学習していきましょう。
本書での学習を終えたら同著者の『清水の新経済攻略 経済理論と時事 改訂版(現代社会対応)』で同じく政治経済分野の経済編を学習するのもおすすめです。また、「高速マスターシリーズ『政治・経済 一問一答【完全版】2nd edition』」や「高速マスターシリーズ『共通テスト現社一問一答【完全版】2nd edition』」などで知識の定着をはかっていく事が大切になってきます。
まとめ:清水の新政治攻略 政治のしくみと時事 現代社会対応
『清水の新経済攻略 政治の仕組みと時事 現代社会対応』は、初学者にもわかりやすいように政治経済の分野全体の概観や現代社会分野の一部についても触れており、簡潔かつ丁寧に解説をした1冊となっています。
これから政治経済の学習を始めてる方にとって、最終的な到達目標レベルに関わらず最初の1冊として本書をチョイスすることでそのあとの学習の効率を高めてくれるでしょう。政治経済の勉強のポイントとしては他の選択科目と比べた時の政治経済は暗記量は日本史や世界史と比べると圧倒的に少ないため、ポイントにになってくるのが1つ1つの単語に対する「理解」していくことが大切です。
また、受験生だけではなく大学生や社会人にとっても改めて政治経済や現代社会の仕組みや成り立ちについて復習をしたい時には、最適な1冊です。