科目 | 物理 |
出版社 | 河合出版 |
目的 | 物理問題演習 |
対象者 | 難関大学の物理合格ラインの実力を効率的に身につけたい人 |
難易度 | 早慶・旧帝大レベル |
分量 | 224ページ |
使用期間 | 過去問演習前まで |
ジャンル | 物理問題集 |
・具体的なオススメポイント
早慶・旧帝大受験で抑えておきたい難問がまとまっている
・注意点
物理を得点源にしたい場合は、さらに難易度の高い問題集も必要
早慶、旧帝大レベルの基礎固めに『名問の森 物理』
『名問の森 物理』は、出題分野の異なる2冊で構成される河合塾の参考書シリーズのひとつです。同シリーズの『物理のエッセンス』と比べると難易度が高く、このシリーズの中では一番難しい問題集となっています。 使われている問題は早慶、旧帝大レベルにも対応できる高難易度なものです。物理の問題を解くための基礎知識が一通り身についていないと、この問題集を解いても身につくものが少ないので注意が必要です。
各単元の基礎問題や、定理や法則について一通り理解し、さらに実力を身につけたい場合に取り組むことをおすすめします。本記事では、名問の森シリーズで扱われている問題の特徴や、この問題集を使って学習を進める際のポイントについてご紹介します。
難関大の必須問題を効率よく抑えられる
名問の森に含まれている問題は、難関大に出題される必須の問題が中心です。入手で物理を得点源にしない場合、とりあえず合格に必要な最低ラインをクリアすることが大切ですが、この参考書に含まれる問題が一通りできればその基準に達します。問題数もそれほど多くなく、確実に押さえておきたい問題に絞って厳選されているので、無駄なく学習が進められることがポイントです。かけた勉強時間に対して効率良く得点アップできるので、コストパフォーマンスが良い一冊となっています。
ただし、この問題を解くだけでは演習量が不足してしまうため、更に難易度の高い問題集や、できるだけ年数をさかのぼって過去問演習を行うなど補強することをおすすめします。その際、名問の森で学習した基本的な解き方と、実際の入試で出題された難易度の高い問題、具体的にどこがどう違うかを意識して解くと、各単元の解法が頭の中で整理できるので、応用力が身につきます。
合否を分ける難問は別の参考書で補強が必要
名問の森は物理の合格最低点を取るための問題が主なので、合否を分ける難問については別の参考書で補強をしてください。名問の森よりも難易度が高い参考書としてお勧めできるものは、『理論物理の指導』や『難問題の系統とその解き方』などです。また、 解説のわかりやすさを求める場合『漆原の最強88題』といった問題集に目を通すと、解き方のポイントがより詳しく理解できます。
大学入試で自分が受ける科目の得点配分戦略にもよりますが、物理以外の科目を得点源とする場合には、『名問の森』だけしっかり押さえておけば最低ラインをクリアするのには十分です。その他の科目で高得点を取って全体での合格点を獲得してください。また、物理が得意で、得点源としたい場合には名問の森に加えて、更に難易度の高い問題集や過去問の演習を行い、安定して高得点が取れるように練習しておくのがおすすめです。
また、物理の単元の中で苦手な範囲がある場合は、一定期間集中してその単元に関する問題を繰り返し解くことで、苦手分野の穴をふさぐことができます。名問の森物理シリーズは、「力学・熱・波動1」と「波動2・電磁気・原子」の2冊に分かれているので、集中的に学習したい分野がある場合は単元別に問題を解いてマスターしていってください。
『名問の森 物理』を学習する際のポイント
名問の森に掲載されている問題を学習する際のポイントについて解説します。基本的な知識は身についていることが前提として、問題に取り組んで分からないものが出てきたら、いきなり答えを見ずに10分~15分は解き方を試行錯誤することをおすすめします。なぜかというと、名問の森で扱われているレベルの問題は、基礎的な知識があれば解けるというよりも、その知識の中でどれをどう活用するかという思考力が問われるものが多いからです。
そのため、取り組んだ問題の解き方がわからない場合は、忘れてしまっている知識がないかであったり、今までといてきた類似の問題の解き方がヒントにならないかといった10に考えを巡らせるようにしましょう。この作業を繰り返すことで、入試本番で解き方が分からない問題にぶつかった時でも、適切な解法を落ち着いて探し出せる実力が身につきます。
また、一度解いてわからなかった問題は、解説を読んで理解するだけで終わりにせず、その直後にもう一度答案を再現できるかどうか、自分で手を動かして確認するようにしましょう。 読んで理解したつもりになっているだけだと、式変形につまづいたり、単位が曖昧になったりします。きちんと正解を導き出せる状態になったら、一週間後や一か月後など、少し時間をおいて改めて復習するとさらに記憶が定着しやすくなるのでおすすめです。
まとめ
今回は河合塾の物理問題集シリーズでも難しい部類に入る『名問の森 物理 (力学・熱・波動1)』についてご紹介しました。この問題集で使われている問題を解くことで、早慶や旧帝大の合格点レベルの実力が身につきます。
ただし、物理を入試の得点源にして他の受験生に差をつけたい場合には、この参考書に加えてさらに難易度の高い問題集もといておくことをおすすめします。
問題集を一通り終えたら、過去問演習に取り組むことで、入試物理で安定して高得点を取る実力が身につくでしょう。解法に悩まず反射的に解けるようになるくらいまで繰り返し学習して、物理の得点力をアップしてください。