科目 | 物理 |
出版社 | 河合出版 |
目的 | 物理問題演習 |
対象者 | 難関大学の物理合格ラインの実力を効率的に身につけたい人 |
難易度 | 早慶・旧帝大レベル |
分量 | 224ページ |
使用期間 | 過去問演習前まで |
ジャンル | 物理問題集 |
具体的なオススメポイント
早慶・旧帝大受験で抑えておきたい難問がまとまっている
注意点
物理を得点源にしたい場合は、さらに難易度の高い問題集も必要
早慶レベルの合格ラインの実力が身につく『名問の森 物理』
『名問の森 物理 波動Ⅱ・電磁気・原子』は、早慶レベルの合格ラインの実力が身につく物理の問題集です。このシリーズは力学や波動の前半を扱うもう1冊の本とセットになっていて、先にそちらのバージョンに取り組んでから本書に取り掛かるのがおすすめです。名問の森に掲載されている問題が一通り解けるようになると、早稲田・慶応をはじめとする難関私大の物理で、必ず解いておきたい必答問題に正解できるようになります。
特に、電磁気の分野は、力学との複合問題が出やすいため、繰り返し演習することが重要です。しかし、ただ大量に問題を解くよりも、よく出題される基本パターンの解法を学習したうえで、それらを組み合わせたり条件をひねったタイプの応用問題を練習するほうが効率的です。まずは、基本となるパターンを「名問の森」シリーズで習得することをおすすめします。
「名問の森」を学習する際のポイント
この参考書に出てくる問題は、初見で完全解答するのは難しいものが多いです。そのため、解いてみて途中で行き詰ってしまったり、解法の方針が見えないという場合には、ある程度のところで解答解説を見るようにしましょう。「名問の森」は、どちらかというとインプット向けの問題集なので、解法が分からなければ答えを見ながらパターンを覚えることをおすすめします。1問につき10分~15分考えたうえで答えがでなければ、途中で切り上げてどんどん先に進めていった方が学習効率が高まります。初見の問題を解く練習は、この次の演習用の教材で行えば大丈夫です。
なお、問題を解くうえで、基本的な定理や用語の定義が分からない所や、理解が曖昧だったところが出てきたら、必ず正確な定義を確認しておくようにしてください。それぞれの物理用語がどのような意味を持っているのか、定理についてなぜそれが成り立つのかといったポイントについて、自分の言葉で説明できるようになるのが理想的です。
また、復習する際には正解を暗記してしまうのではなく、正解を導くまでの考え方のプロセスを再現できるかどうかに注意するのがおすすめです。何度か同じ問題を解いていると、正解を覚えてしまい、「答えは出せるけど類題には対応できない」という状態になってしまう場合も少なくありません。正解にたどり着くまでに問題文のどこに着目し、どんな解法を、なぜ用いるのか?といったポイントについて言語化しながら理解を深めていきましょう。
東大・京大・東工大レベルを目指す人はもう1冊解こう
「名問の森」でマスターできるレベルは、難関私大の物理で合格最低点を抑えられる程度です。物理を得点源にしない場合にはこのシリーズの2冊だけで十分ですが、それ以上の難易度の大学を目指す場合や、私大でも物理を得点源としたい人にはこのほかにもう1冊演習しておくことをおすすめします。
実際、名問の森を終えた後ですぐに過去問演習に取り組んでしまうと、難易度が高い問題については解き方の方針が良く理解できなかったり、解説を読んでも腑に落ちなかったりする場合が多いです。名問の森と実際の過去問の中間のレベルの問題集を解くのがよいでしょう。
名問の森の次に取り組むのにおすすめの問題集は『物理 重要問題集』などです。過去問に対応するための応用力が身につきやすい良問がセレクトされています。繰り返し解いて、解法を絞り込む際の考え方や、効率の良い計算のやり方を身につけましょう。
「名問の森」と他の参考書の違いは?
物理の問題集には数多くの種類がありますが、問題数や解説の分かりやすさという点で違いがあります。名問の森は、大学入試の物理で出題される各分野の問題がコンパクトにまとまっているのが特長です。他の参考書では、問題数が必要以上に多すぎたり、基礎的な問題ばかりで応用力が身につきにくかったりするものもありますが、名問の森であれば2冊をしっかりマスターすればすべての単元について早慶レベルの入試で必答したい最低限の問題は確実に解けるようになります。載っている問題の分量と得点アップの効率で考えると、コストパフォーマンスが高いのでおすすめできるのが「名問の森」シリーズです。
また、特に電磁気や原子の単元は扱われている定理や公式が直感的に理解しづらいものも多く、表面的な解法パターンの暗記で終わってしまう問題集も少なくありません。名問の森であれば、詳しい解説や別解も掲載されているので、一つの問題に対して複数の視点から理解を深めることが可能です。
まとめ
本記事では、ハイレベルな実力が身につく『名問の森 物理 波動Ⅱ・電磁気・原子』の特徴と使い方のポイントをご紹介しました。このシリーズの問題を一通り解けば、ほとんどの私大で物理の合格ラインの点が取れるだけでなく、早慶やさらに難しい国公立の2次試験に対応するための基礎力が身につきます。
物理の基礎固めをし、応用問題に取り組む準備をしたい方におすすめの問題集です。ぜひ、名問の森シリーズの2冊を繰り返し学習し、難易度の高い入試問題にも応用が利く解法パターンを習得してください。