科目 | 数学 |
出版社 | 河合出版 |
目的 | 数学基礎固め |
対象者 | 文系の人、理系で数学に自信がない人 |
難易度 | 日東駒専レベル |
分量 | 208ページ |
使用期間 | 高3夏休みごろまで |
ジャンル | 数学基礎問題集 |
・具体的なオススメポイント
解説がわかりやすく、問題数も取り組みやすい量
・注意点
基本的な公式や定理は身に付いていることが前提
基礎レベルより少し難しい問題集『文系の数学 重要事項完全習得編』
『文系の数学 重要事項完全習得編』は、日東駒専レベルの数学の問題に対応できるようになる問題集です。数1A2Bのすべてをカバーしていて、例題150題、演習問題が150題と標準的な問題量になっています。
基礎的な問題が解けるようになった後に、きちんと知識が定着しているかどうかのチェックに使える教材です。また、解答解説がわかりやすいので、忘れてしまっている部分がある場合にはきちんと復習することができます。
文系の受験生で数学を使う人にとって必ずマスターしておきたい問題が網羅されていますので、全問きちんと解けるように繰り返し復習するのがおすすめです。今回は、そんな『文系の数学 重要事項完全習得編』の詳しい特長や学習方法について解説します。
理系の人の基礎固めにもおすすめ
タイトルに「文系の」と入っていますが、『文系の数学 重要事項完全習得編』は理系の人の基礎固めとしてもおすすめできる問題集です。この教材の前書きにも書かれている通り、理系に人でも基礎力に自信がない人は、しっかりと基本の問題が解けるようになることが大切になります。
具体的には、定期試験や問題集で一度やった問題がそのまま出れば解けるのに、模試などで範囲が決まっていないテストになると点が取れなくなってしまう人におすすめです。
このタイプに当てはまる人は、問題の解き方を「手順」レベルで覚えてしまっている可能性が高いため、問題の条件設定が変わったり、すこしひねった出題をされたりすると解けなくなってしまうことが多いです。これを解決するためには、各問題を解くときの基本的な考え方を理解したうえで、それに基づいて式を立てることが大切になります。
『文系の数学 重要事項完全習得編』では、問題の解き方だけにとどまらず、解くときに大事になる基本的な考え方が「入試の必勝ポイント」という欄でまとめられているので、ここに書かれている内容を理解して頭にインプットしておきましょう。
そうすることで、多少ひねった問題が出てきたとしても着目すべきポイントがわかり、応用問題にも対応できる力が身に付きます。理系の人でも、記憶力や暗記力に任せて無理やり解き方を覚えてきてしまった人は、高2の後半や高3の1学期ごろに暗記が限界になることが多いです。
そういう時に、『文系の数学 重要事項完全習得編』を使って基礎を固めておけば、無理なく点数を伸ばしていけるようになるでしょう。
解説のわかりやすさが最大の特長
『文系の数学 重要事項完全習得編』は、重要な問題が厳選されていることに加えて、それぞれの解説がわかりやすく書かれているのが最大の特長となっています。そのため、数学があまり得意でない文系の受験生や、できるだけわかりやすく説明してほしい人におすすめの教材です。
ただし、基本的な公式や定理についての説明が1から解説されているわけではありませんので、もしわからない公式などが出てきたら教科書を見直して理解を固めていってください。扱われている問題数も標準的なボリュームなので、この1冊を全問仕上げたとしてもそこまで時間がかかりません。
いろいろな参考書に手を出してつまみ食いをするよりも、1冊をきちんと極めた方が得点力アップにつながります。より難易度の高い問題集にステップアップするのは、『文系の数学 重要事項完全習得編』に掲載されている問題を演習問題まで含めて仕上げたあとで大丈夫です。
なお、似たような文系向けの数学問題集として『チャート式』などが有名ですが、最大の違いは解説のわかりやすさとなります。『チャート式』はたしかに基礎的な問題が厳選され、もれなく網羅されている良書ではありますが、1問1問の解説はそれほど詳しくありません。
途中の式変形や、「なぜその定理を使うと気づけるのか?」といった考え方のプロセスが書かれていないので、数学が苦手な人にとってはただの解法暗記になってしまう危険性もあります。
一方で、『文系の数学 重要事項完全習得編』は考え方のプロセスがかみ砕いて説明されていますので、「どういう問題が来たら何に着目して解けばよいのか?」という考え方が身に付きます。わかりやすい解説を望む人は、『文系の数学 重要事項完全習得編』で基礎を固めていってください。
『文系の数学 重要事項完全習得編』が終わったら過去問を解いてみよう
『文系の数学 重要事項完全習得編』を一通りマスターできたら、その時点で一度志望する大学の過去問や共通テストの過去問を解いてみましょう。合格に必要な最低点がわかる場合は、その点数と今の実力にどれくらいのギャップがあるかを確認してください。
基本的に、この教材を仕上げた後であればかなりの手ごたえが得られるはずです。もし、思うように点数が取れない場合には、なぜ問題が解けないのかを自分なりに分析して補強しましょう。たいていは、公式や定理の覚えが甘いか、それらの解法のうちどれを使えばよいかがわからない、または計算力不足で時間が足りないのどれかです。
どのパターンでも、『文系の数学 重要事項完全習得編』の演習を徹底することで解決できますので、過去問とのギャップに応じて学習を継続することをおすすめします。
まとめ
今回は、『文系の数学 重要事項完全習得編』の特長や学習方法を解説しました。解説がわかりやすく、必ず解いておきたい良問がコンパクトにまとまった1冊です。繰り返し学習して、数学の基礎的な問題を解ける力を身につけてください。