初めから始める数学シリーズ|解説が丁寧で分かりやすい授業代わりの参考書

科目 | 数学 |
出版社 | マセマ出版社 |
目的 | 数学の基本理解 |
対象者 | 数学が苦手な人、初めて勉強する人 |
難易度 | 基本レベル |
分量 | 数Ⅰ260p、数A 224p、数Ⅱ284p、数B 252p、数ⅢPart1 204p、数ⅢPart2 248p |
使用期間 | 高二~高三夏休み前ごろまで |
ジャンル | 数学講義形式参考書 |
・具体的なオススメポイント
数学の各単元が語り掛けるような文体で分かりやすく解説されている
・注意点
問題数が少ないため、追加の参考書にも取り組むこと
解説が丁寧で分かりやすく、授業の代わりとして使える数学の参考書
『初めから始める数学』シリーズは解説が丁寧で分かりやすい参考書です。学校の授業よりも早く先取りしたタイミングで数学を進めたい人や、学校の授業を聞いても理解しづらいと感じる人におすすめします。
語りかけるような文体で、途中式の変形理由なども含めて詳しく解説されている点が『初めから始める数学』シリーズの特徴です。そのため、数学が苦手な人でも無理なく進めることが可能です。
数学を始めて勉強する人は、まず『初めから始める数学』シリーズを使って各単元の基礎事項を理解していきましょう。ただし、解説のボリュームが多い分、収録されている問題数は少なめです。入試レベルの数学の問題を解く際には、別の参考書の併用をおすすめします。
『初めから始める数学』シリーズの特徴や各教材の収録単元、学習のポイントについて、以下に詳しく解説しました。
1問に対する解説の分量が一般的な参考書の2倍~4倍!
『初めから始める数学』シリーズの参考書は、1問に対して書かれている解説の分量が一般的な参考書の2倍~4倍となっている点が特徴です。1つの問題の解き方が見開きで数ページにわたって書かれているため、数学の基本事項について曖昧な点を残さずに理解できます。
解説のボリュームが多い参考書の中には、問題とは直接関係のない背景知識や、数学の初学者には難易度が高すぎる別解などが書かれているものも多いです。一方、『初めから始める数学』シリーズの参考は数学の初心者に役立つ情報だけが噛み砕いて説明されています。表やグラフ、図などを使った視覚的に解く問題の解き方や、式変形の理由などを細かく学ぶことが可能です。
そのため、「解説を見てもなぜそのような式変形になっているか分からない」という心配がありません。問題の難易度としては、公式を使うだけで解けるような基礎的な問題から、少しひねった基本問題が中心です。早く正確に解くためのテクニックも説明されているため、数学嫌いの人でも基本問題をスピーディーに解く力が身に付きます。
数学ⅠAⅡBⅢの各教材の収録単元や特徴
『初めから始める数学』シリーズの参考書は全部で6冊の教材から構成されています。シリーズに含まれる参考書は、文系・理系共通で学習する数学Ⅰ、数学A、数学Ⅱ、数学Bの4冊と、理系のみが扱う数学Ⅲの前半、後半の2冊です。数学Ⅰには数と式や集合と論理、二次関数、三角比、データの分析が含まれます。
数学Aで扱われている単元は、場合の数と確率、整数の性質、図形の性質です。特に苦手な人が多い整数問題や図形問題の基本を確実にマスターすることが可能です。数学Ⅱの参考書には、方程式や図形、三角関数、指数対数、微積分が収録されています。豊富な図解とともに分かりやすく解説されている点が特徴です。
数学Bでは、ベクトルや数列、確率分布と統計的推測の分野が含まれます。数Ⅱと同様、分かりにくい概念が図解を用いて詳しく学ぶことが可能です。数学Ⅲは単元が多いため、Part1とPart2の2冊の教材に分かれています。Part1の内容は複素数平面や曲線、関数、数列の極限、Part2の内容は関数の極限、微積分の応用です。どの単元も基本事項から分かりやすく解説されているため、数学を学ぶ1冊目の参考書としておすすめします。
入試レベルの数学問題に対応するために別の参考書も追加しよう
解説が詳しく丁寧に書かれている『初めから始める数学』シリーズは、解説の分量が多い分、収録されている問題数は他の参考書より少ないです。また、扱われている問題のレベルも基礎中の基礎から教科書の練習問題までに留まっています。
そのため、入試レベルの数学に対応するためには、『初めから始める数学』シリーズ以外の参考書との併用がおすすめです。まずは『初めから始める数学』シリーズで各単元の基本事項を理解した後、『基礎問題精講』シリーズなどの参考書の問題を追加で解きましょう。
『基礎問題精講』なら、大学入試で頻出の典型問題が数多く学習できます。『初めから始める数学』シリーズの問題数の少なさを『数学 基礎問題精講』シリーズでカバーすれば、入試数学を解くための力を効率よく身に着けることが可能です。
まとめ
授業よりも分かりやすい解説が特徴の参考書『初めから始める数学』シリーズの特徴や学習のポイントを紹介しました。数学ⅠAⅡBⅢの各分野が6冊の参考書で解説されている『初めから始める数学』シリーズは、数学が苦手な人や始めて学習する人でも取り組むことが可能です。途中式の変形プロセスやその理由説明、図解や表を用いた視覚的な解説が載っています。
1問ごとの解説のボリュームが他の参考書よりも多く、説明も噛み砕かれている点が長所です。ただし、掲載されている問題数の少なさや難易度の低さをカバーするためには、『基礎問題精講』などの問題集の追加が必要となります。まずは『初めから始める数学』シリーズで基本を理解し、その後別の参考書で問題演習を積み重ねて実力を高めていってください。