今回紹介する『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』は、学習しづらい数学の記述式および証明問題を受験生が無理なく習得できるように非常にバランスよく作られている問題集です。
地方国公立大学理系学科を志望する受験生にとって必要不可欠かつ実践的、また良質な問題がとてもコンパクトにまとめられています。
効果的に使用することによって、志望校合格に大きく役立つことでしょう。
①各問題のレベル
②問題集の特徴
③効果的な使い方
④使用するうえでの注意点
以上の内容について詳細に紹介していきます。
教材名 | 国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C <第3版> |
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ジャンル | 問題集(中級) |
出版社 | 駿台文庫 |
出版日 | 2023年10月30日 |
必要時間目安 | 一通り解き終えるのに2か月 |
目指す大学群レベル | 横浜国立大学・千葉大学・広島大学・筑波大学・首都大学東京・北九州市立大学・岡山大学など地方国公立大学およびそれに準ずるレベルの私立大学 |
分量 | 232頁(60題) |
具体的なおすすめポイント
- 地方国立大学の記述式数学の解答の作り方がよくわかる
- 頻出かつ必ず解くことができるようにしなければならない問題がコンパクトにまとめられている
- 解説が丁寧でわかりやすい
- 問題数が程よい分量(60問)で構成されているため数学の学習で必要な反復演習ができる
注意点
- 基礎的な内容ではないため基本計算(特に数学Ⅲの微分、積分など)はできるようになってからでなければ使用できない
- 同じような類題はないため身につけるためには反復演習が必要
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』は地方国立の理系を目指す受験生のための問題集
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』では国公立大学理系学科の数学の入試問題を解くうえで必要となる考え方、記述式での解答の作り方を身につけることができます。
数学Ⅲにおける微分積分の基本計算や各公式、また新しく数学Cに配置された複素数平面・式と曲線においても同様に基本事項を習得した受験生なら、いつからでも国公立大学の入試問題の演習を効果的に行うことのできる問題集です。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』はどんな人におすすめ?
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』は国公立大学の数学の記述問題や証明問題にどう取り組めばよいのか悩んでいる受験生におすすめの問題集です。
教科書やそれに準ずる教材はこなせるようになったものの記述式の模試で思うように点数をとることができない、また、答えは導き出せるがそこに至る過程やプロセスを記述し得点となるような解答を作ることができなくて困っている受験生にぜひ手に取ってもらいたい問題集です。
また新しく数学Cの枠組みに配置された複素数平面・式と曲線の単元においては、過去の入試問題から厳選された問題が採用されています。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』のレベル
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』は地方国公立理系大学(医学部を含む)を志望する学生を対象としたレベルの問題での構成となっています。
そのレベルを逸脱することなく難易度が高すぎたり低すぎることのない受験記述数学における必須の問題が収められています。
また『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』というタイトルではありますが、それに準ずるレベルの私立理系大学を志望している学生にも最適な問題集と言えるでしょう。
旧帝国大学の入試のそれではありませんが、いわゆる難関大学の入試に対応している問題集なのでそこまでのレベルの大学を志望していないのであれば使用しないほうがよいと思われます。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』はいつから使えばいい?
いつから使えばいいかというと、この問題集は実践問題だけを扱っているため、基本事項をしっかりおさえてからでなければ取り組むことはできません。
丁寧な解説ではありますが、記述式の問題を解く思考力の養成と解答の作り方に重点をおいているので細かな計算過程までは記載されていません。
他の単元であれば一通り学習を終えていれば、いつからでも記述式の学習を始めることができます。
しかし数学Ⅲにおいては計算自体が複雑なものも多いため、まずは確実な計算力をつけてから取り組むようにしたほうがよいでしょう。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』の特徴
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』の特徴は何といっても厳選された良問と丁寧に分かりやすく作成された解説にあります。
また問題数も60問と良問がコンパクトに収められているため、限られた受験勉強の時間の中で反復演習を想定した使い方ができるように配慮されています。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』は問題のレベルが均一されている
記述式の受験数学の問題集によく見受けられるのが、各問題間における難易度の差異の幅が大きく、解く必要のないレベルの問題まで含まれていることです。
そのために行き詰ったり諦めたりする受験生が多い中、この問題集は国公立大学の入試数学における標準的なレベルの問題がその差異なく配置されているため無理なく進めていくことができる構成となっています。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』は解説が丁寧
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』はその解説が丁寧で、至極分かりやすい言葉や文章で構成されており、非常に理解しやすい解説だといえます。
各大学の赤本などでは頁数などの関係で簡潔にまとめられているためその分理解しづらい面がありますが、この問題集ではその点における心配はなく取り組みやすくできています。
その解説をそのまま模範解答として記憶していくことで数学Ⅲ・Cの入試問題を記述式で解答する技術を身につけるような使い方ができるでしょう。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』の使い方
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』は、すでに記載してある通り各大学の入試問題から厳選された実践問題が扱われているため基礎事項を習得できていない受験生には不向きな問題集です。
その使い方としてまずは、基本計算ができ、各公式を理解したうえで教科書や各参考書の基本例題を難なく解くことができるようになったうえで取り組むことが望ましいと思われます。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』は反復演習に最適
受験数学における必須の問題が60問とコンパクトにまとめられてるため、限られた受験勉強の時間の中でも繰り返し反復演習をこなせるような使い方ができます。
受験記述数学を解くために必要なひらめきや思考などは繰り返し問題を解く以外には身につけることはできません。
そう言ってしまうと数学も暗記教科のように聞こえるかもしれませんが、全く解いた経験のないような問題をひらめきだけで解くことは不可能です。
度重なる演習により一見はじめて見るような問題でも過去に解いた問題の記憶によりひらめきが生まれるのです。
そのために必要な反復演習をしっかりこなすためにこの問題集を利用するといった使い方を強くおすすめします。
『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』の注意点
ここまでの紹介で『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』のよいところや効果的な使い方などを分かってもらえたと思いますが、下記の点に注意しておく必要があります。
数学Ⅲ・Cの学習が終了するのは、多くの場合共通テストの対策に多くの時間を割かなければならない時期にあたると思われます。
当然のことではありますが、共通テストを乗り越えなければ志望大学への出願が難しくなるため、そのための学習がおろそかにならないように受験勉強の時間配分を十分に考慮した使い方が好ましいでしょう。
共通テストが終わるまで記述試験用の勉強を全くしないという訳にはいきませんが、その対策に時間を割きすぎないようにして、共通テストが終わってから再度反復すればいいくらいの気持ちで取り組めば良いと思われます。
補足とはなりますが、共通テストに対する学習はいつからしたほうが良いなどということはなく、高校1年生の時から意識して取り組むべきです。
国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』まとめ
以上、『国公立標準問題集 CanPass数学Ⅲ・C』について、その特徴や使い方を紹介してきました。
数学Ⅲ・Cに限らず大学入試の問題では、教科書やその補助的な参考書および問題集だけを使った学習では解くことができないような難しい問題が出題されます。
この問題集には、国公立理系大学で出題される典型的な問題が幅広く網羅されているため、二次試験に対応できる十分な力を効率よくつけることができます。
数学Ⅲ・Cの基本問題がしっかり解けるようになっていれば、いつからでも使用できるのでまずは焦らずに各公式などをきちんと使えるようにしてください。
そうすればこの問題集は必ずあなたの力強い味方となってくれるでしょう。