科目 | 古文 |
出版社 | 桐原書店 |
目的 | 古文単語暗記 |
対象者 | 古文の語彙力を増やしたい人 |
難易度 | 全大学のレベル対応 |
分量 | 304ページ |
使用期間 | 高三夏休みいっぱい頃まで |
ジャンル | 古文単語集 |
具体的なオススメポイント
多義語や背景知識がイラストとともに解説されていて、読解に役立つ形で覚えられる
注意点
古文に苦手意識がある人は語呂合わせで覚える別の単語集などと併用すること
人気の高い古文単語帳の1冊『読んで見て覚える重要古文単語315』
『読んで見て覚える重要古文単語315』は、大学入試に必要な古文単語が約315語(慣用句まで入れると360語ほど)掲載されている、人気の高い参考書です。コンパクトな装丁に、赤シートで隠せる見出し語や解説のイラストが掲載されていて、タイトルの通り「解説を読んで」「イラストを見て」覚えるタイプの単語帳になっています。
他の参考書と比べて単語1つ1つに対する背景知識の記述が多く、ただ古語と現代語訳を1対1対応で覚えていくタイプの単語集よりも多角的に語彙を増やすことが可能です。単語の丸暗記が苦手な人や、意味や背景知識とセットで覚えたいという人には特におすすめできます。本記事では、この単語帳の特徴や使い方、他の類似の古文単語帳との違いについてご紹介します。これから古文単語を勉強し始める人や、今使っている古文単語集がしっくりこないという人はぜひ参考にしてください。
イラスト解説付きで多義語も覚えやすい
古文単語には、1つの古語に対して3つや4つの意味があったり、使われる場面によって意味の読み分けが必要になったりするものが存在します。よくある単語帳では、これらのうち1つの意味だけに絞って掲載しているものが多いですが、『読んで見て覚える重要古文単語315』では複数の意味が掲載されています。また、それだけでなく、古語の派生語や類義語などの背景知識も一緒に掲載されているので、入試で頻出の古語について体系的に知識を深めていくことが可能です。
一つ一つの単語に対して、パッと見で印象に残りやすいイラストがセットで描かれているため、その絵の印象によって紛らわしい意味を持つ似たような単語でも区別がつきやすくなっています。機械的に単語を暗記するのが苦手な人でも、これらの背景知識やイラストを交えて古語に触れていくことで、効率よく暗記を進められるでしょう。
まずは見出し語の315語をマスターし、派生語は後回しでOK
古文単語315では、各単語のページに、その単語の派生語などもいくつか同時に掲載されています。しかし、これらの派生語までいっぺんに覚えようとすると時間と労力がかかってしまうので、最初は見出し語になっている315語について、メインの意味を覚えていくだけで大丈夫です。この段階でも、すでに多くの大学入試で必要とされる古文単語の語彙力が身につきます。
1周目で315語の意味をマスターしたあとは、2周目以降で派生語もセットで覚えていくようにしましょう。ただし、派生語を覚えるのは、1周目を終えた段階で自分の志望大学の古文の過去問を解いてみて、古文単語の語彙力に不足を感じた場合のみで大丈夫です。基本的には見出し語だけで大半の問題はカバーできるので、派生語まで覚えても点数アップにつながらない場合もあります。この時、派生語まで覚えるのに必要以上に時間をかけてしまうと効率が下がってしまうので、それよりは助詞の読みわけや詩歌に関する歴史的知識を勉強するために時間を使った方が良いでしょう。自分の志望する大学の過去問の傾向を分析した上で、点数アップに必要な知識を身につけていくのがおすすめです。
他の古文単語集との違いは?
古文単語集として人気のあるシリーズとして、古文単語315と並んでよく使われているのが『古文単語565(ゴロゴ)』という単語集です。この2冊の違いは、掲載されている単語の数という点もありますが、それ以上に「背景知識の量」が異なっています。ゴロゴはそのタイトルの通り語呂合わせで古文単語の意味を暗記していく単語集で、古文単語315のような背景知識はほぼ載っていません。機械的に1語1議のような形式で古文単語を増やしたい人にはゴロゴの方が合うでしょう。ただし、古文単語315に載っている背景知識は、古文の読解問題を解くときのヒントとして非常に役立ちます。
そういう意味では、古文単語315を使って単語を覚えていった方が、読解力アップにもつながって一石二鳥です。使い分けとしては、古文に苦手意識がある人はゴロゴを、古文の背景知識もセットで覚えたい人は古文単語315を使うのが良いでしょう。なお、2冊とも使って、基本的には古文単語315で語彙を増やしつつ、どうしても覚えられない単語についてはゴロゴを使って語呂合わせで意味を暗記するという方法もおすすめできます。自分の目的や今のレベルに合わせて、適切な古文単語帳を選んでください。
まとめ
今回紹介した『読んで見て覚える 重要古文単語315』は、古文単語をこれから覚えていきたい人にもおすすめの1冊です。多義語や読解に必要な背景知識の解説が豊富で、イラスト付きで入試に必要な古語が一通りマスターできます。まずは、見出し語になっている315語の意味を覚えて、その次の段階で掲載されている各単語の派生語や背景知識も抑えていくという順番がおすすめです。
大学入試の古文の問題は、扱われている古語の意味が分からないと文意がつかめなくなってしまう場合も多いので、きちんと意味が取れるように「古文単語315」を使って古文の語彙力を増やしていってください。