
【MARCHレベル】に使用されています。
科目 | 現代文 |
出版社 | 駿台文庫 |
目的 | 現代文読解・要約演習 |
対象者 | 難関大レベルの現代文読解力を身につけたい人 |
難易度 | 国公立・難関私大レベル |
分量 | 10題 173ページ |
使用期間 | 高3秋頃まで |
ジャンル | 現代文問題集 |
・オススメポイント
ハイレベルな文章だが解説がわかりやすい
・注意点
最低3周はすること。
答えを丸暗記するのではなく、自分の文章と模範解答を見比べて情報を整理すること
難関大の現代文にも対応できる1冊
『現代文読解力の開発講座』は、国公立・難関私大の入試問題で必要とされるレベルの現代文読解力が身につく参考書です。扱われている問題は明治、上智、中央、早稲田、学習院、東大と難関大学レベルのものが中心で難易度が高いですが、解説もかなり詳しく載っているのでやり込めば相応の実力が身つきます。
この参考書には本文の内容を要約する問題も含まれているので、要旨要約の練習にも最適です。記述問題を解くためにはまず文章の要旨を正確に把握し表現する力が必要となります。ここで使う情報を整理する力は小論文や他の科目の記述問題にも応用が利くものなので、今回紹介する学習方法でしっかりと身につけることをおすすめします。
この参考書の前後でやっておきたい教材
具体的な勉強方法の前に、前提としてやっておきたい他の教材について触れます。前述の通りこの教材はかなり難易度が高いため、前段階で『現代文キーワード読解』や、現代文が苦手な人であればより易しい『ことばはちからダ!』などの参考書を使って現代文の解き方に慣れておくようにしましょう。
入試で出題される文章は抽象度が高く、扱われるテーマも哲学や科学など普段馴染みのないものが多いので、それらの文章に慣れておくことが必要です。また現代文の文章構造として頻出の「対比」「例示」といった概念を理解してからでないと、『現代文読解力の開発講座』で出題されている問題に取り組むのは難しいでしょう。
これらの前提となる参考書を一通りクリアして、より深い読み方が必要とされる入試問題に挑戦する際に今回紹介する参考書を使うようにしてください。
少なくとも3周はしよう!
読解や解説の読み込みがかなり難しい参考書ですので、1周目は時間がかかっても大丈夫です。少なくとも3周は繰り返し解いて、その中で段階的に難しい文章を読解する力を養っていきましょう。その際漫然とただ3回繰り返すのではなく、それぞれの回に応じて適切な目的意識を持つことが大切です。
まず1周目では、一通り自力で問題を解いた後に、解答解説を読み込んでどこが間違っていたのか、なぜ間違っていたのかなど正解に至るまでの根拠を確認するようにしましょう。ここで不明確な点がないようしっかりと理解を深めておくことが2周目、3周目での学習効果を左右するので、1題あたり解くのに40分前後、答え合わせや解説の読み込みまで含めて1時間~長い場合は2時間程度かけても問題ありません。
2周目では、1周目で間違えてしまった問題や理解が難しかった所がきちんと解けるようになっているかを確認するようにします。1周目でしっかりと情報を整理してあれば、それほど時間を書けなくても解き進められるはずです。
そして最後に、3周目はそれまでに解いてきた中で重要だったポイントや解き方のプロセスが身についているかどうかチェックしていくという流れで学習を進めていきましょう。1、2周目の完成度が高ければ3周目はザッと通してチェックする程度の取り組み方で十分です。
要約練習のポイント
記述問題に取り組む際に重要になってくる要旨要約の練習について詳しく解説します。
「開発講座」実は要旨要約の問題も出題されていますが、注意すべきポイントとして”解説を丸暗記しても意味がない”ということが挙げられます。答えを暗記するのではなくて、自分が書いた要約と解答解説に乗っている要約を見比べて、要素の違いを確認するようにしてください。どの内容が合っていてどの内容が抜けているのかを見比べることで、自分の考え方が正解とどのようにずれていたかを確認する作業が大切です。
また、字数制限についてもポイントがあります。例えば100文字で要約する問題があったら、80字しかかけないというタイプの人と、150字など文字数がオーバーしてしまうというタイプの人がいるでしょう。おすすめなのはまずは文字数がオーバーしてもいいので一通り書いてみて、その中で内容が被ってしまっている部分や重要でない部分をそぎ落としていって文字数を調整していくやり方です。
このやり方で作成した自分の回答と、模範解答を見比べて誤って消してしまった箇所や盛り込めていなかった要素をチェックすると効果的に要約の力を身につけることが可能です。
まとめ
『現代文読解力の開発講座』では、難関大に対応できる高度な現代文の実力を身につけることが可能です。ただしかなり難易度の高い文章が扱われているため、いきなりこの一冊に取り組む前に『現代文キーワード読解』や『ことばはちからダ!』など、より難易度の低い現代文の参考書から順番に取り組んでいくようにしてください。
また、1周解いて終わりにするだけではなく、1周目で理解したことがきちんと身についているかどうかを2周目、3周目で繰り返し確認するようにしましょう。特に要約の問題については、答えをただ暗記するということではなく、自分が考えた回答と模範解答を見比べて、情報が整理できていなかった部分を把握するようにしてください。このような演習を繰り返していくことで、難しい現代文の要旨を的確に把握し、記述問題を書き上げる実力が身につきます。