科目 | 国語 |
出版社 | 河合出版 |
目的 | 漢文問題演習 |
対象者 | 漢文の基本知識を身につけた人 |
難易度 | 入試標準レベル |
分量 | 81ページ |
使用期間 | 高3夏休み明けごろまで |
ジャンル | 漢文問題集 |
・オススメポイント
入試で必要最小限の漢文知識がコンパクトに演習できる
・注意点
基本知識が身についてから取り組むこと
漢文の基本知識を覚えた後の練習に最適な問題集『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』
今回ご紹介する『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』は、漢文の基本的な知識を身につけた後に標準レベルまでの問題を練習するのに役立つ問題集です。問題集の中では解説がわかりやすくなっていて、基本知識が身についているかどうかをしっかり確認できます。
ただし一冊目としてこの教材からやるのはおすすめしません。というのも基本的にはこの教材は問題集としての側面が強く、基本的な漢文のルールなどについての解説は詳しくないからです。あくまでも基本的な事項が分かった人が演習を通してさらに知識を定着させていく用途で使える教材となっています。
今回はそんな『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』の詳しい特徴や学習方法について見ていきましょう。
この問題集に取り組む前に仕上げておきたい基本的な教材は『漢文早覚え速答法』
漢文の学習方法として基本的な流れは、まず最初に返り点や送り仮名などの初歩的なルールを身につけることから始まります。その上でよく使われる漢字やその読み方のルールを頭に入れることが大切です。
『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』ではその基本的な知識を身につけるための解説は入っていないので、この教材に取り組む前準備として『漢文早覚え速答法』などの基本教材をお勧めします。『漢文早覚え速答法』は、大学入試の漢文の問題でよく出題される語法に絞って、頻出の漢字やその読み方のルールを覚え方も含めてわかりやすく解説している良書です。
漢文をこれから学習していく人はこれらの教材を使って基本的な知識を身につけていってください。基本的な知識が頭に入った段階で、『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』を使って演習を繰り返していくことをお勧めします。
『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』には簡単な読解問題もついている
『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』の特徴として、漢文の句形だけでなく簡単な読解問題もついていることが挙げられます。実際の大学入試では漢文の問題は単体で出てくるというよりも、ある程度まとまった本文があってその上で語法などについて聞かれる問題が多いです。そのため、漢文で書かれた本文をきちんと読解できる力が必要になります。
『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』には、ボリュームは少ないですが読解問題も含まれていますので、基本的な漢文の句形を身につけた後演習を通して読解力を身につけていくのに役立つ構成です。
なお読解問題を演習する際には、2周目以降本文の内容を覚えてしまっている場合があります。その時にはただ正しい答えを導き出すだけでなく、なぜその回答にたどり着くのかという考え方のプロセスをしっかり確認するようにしましょう。解答の根拠を自分なりの言葉で説明できるようになることが大切です。
『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』を一通りとけば入試で出題される必要最低限の漢文の知識が身に付きますので、その上でさらに読解問題を解いていきたい人は別の問題集または志望大学の過去問に取り組んでいってください。
漢詩に関する知識や暗記すべき事項のまとめも活用しよう
『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』では漢文の句形に関する知識に加えて、大学入試でよく出題される漢詩に関する知識も掲載されているのが特徴です。漢詩の問題については、覚えるべき項目を一通り覚えてしまえば知識問題として得点が取りやすい分野になりますので、『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』に載っている内容を一通り覚えておくようにしましょう。
さらに、この他の漢文で暗記しておくべき基本事項がまとまって掲載されているので、知識を一気に整理したい場合やまとめて復習をしたい時に役立ちます。一通り学習が終わった後、復習をする時にはこのまとめページを活用するようにしてください。時間があれば実際に問題を2周3周と繰り返し解いていくことをお勧めしますが、時間がない時にはまとめページが役立ちます。
『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』にまとめられている漢文の基本知識をしっかりとマスターして、過去問演習をするための必要最小限の実力を短期間で身につけていきましょう。
まとめ
今回は、大学入試の漢文の標準レベルの問題演習ができる『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』について、特徴や学習方法を解説しました。この教材は漢文の基本知識を身につけた人が問題演習を通してさらに知識を定着させるために有効なものです。
一冊目としていきなりこの教材から取り組むのは難しいですが、『漢文早覚え速答法』などの基本的な教材の内容をインプットした後であれば自分に取り組めるレベルとなっています。漢文の句形の問題だけでなく、簡単な読解問題や漢詩に関する問題も掲載されていますので、大学入試で必要とされる漢文の知識をバランスよく身につけることが可能です。
基本知識を身につけて『ステップアップノート10 漢文句形ドリルと演習』を演習した後は、実際の志望校の過去問を解いて漢文の実力を仕上げていきましょう。