
【東大レベル】に使用されています。
難関国立大学の入試に必出の記述問題については、読解力だけでは太刀打ちできず個別に対策が必要なため、苦手意識のある受験生も多いでしょう。
『上級現代文Ⅱ』は最難関国立大レベルの記述問題に対応し、自己採点を可能にする詳細な採点基準と解説が特徴の参考書です。
この記事では『上級現代文Ⅱ』のレベルやおすすめの使い方、いつから使ったらいいのかといった疑問にお答えし、徹底解説します。
教材名 | 上級現代文Ⅱ |
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ジャンル | 問題集 |
出版社 | 桐原書店 |
出版日 | 2011/11/15 |
必要時間目安 | 20時間 |
目指す大学群レベル | 東京一工 |
分量 | 本体(解説・解答編):160頁、問題編:88頁、解答欄冊子:28頁 |
具体的なおすすめポイント
- ・難易度の高い記述問題のみを扱い、最難関入試に最適
- ・模擬試験のように本番さながらの演習が可能
- ・採点基準と解説が詳しく、自己採点が容易
注意点
- ・最難関校志望者以外には難易度が高い
採点基準を意識し得点力アップできる一冊|『上級現代文Ⅱ』
記述形式の問題は模試等以外では自己採点の機会が多くなり、自分の答案の評価に悩む人も多いでしょう。
しかし『上級現代文Ⅱ』は採点基準や評価のポイントが詳しく掲載されているため、自己採点が可能になるだけでなく、評価される答案のポイントを押さえて効率的に学習できます。
『上級現代文Ⅱ』はどんな人におすすめ?
『上級現代文Ⅱ』は記述問題の演習に特化したレベルの高い参考書で、主に東京大学・京都大学・一橋大学を志望する受験生向けの内容になっています。
基本的な記述問題の学習が仕上がっており、『上級現代文Ⅰ』の学習も終わっているレベルの受験生に向けた難易度で構成されていますので、最終仕上げとしての使い方がおすすめです。
上記大学以外の難関国立大志望者は『上級現代文Ⅰ』で十分対応ができますが、記述問題が得意で余裕のある人は『上級現代文Ⅱ』にも取り組んでおくと、さらに高い実力をつけることができ記述力に磨きがかかるでしょう。
『上級現代文Ⅱ』のレベル
『上級現代文Ⅱ』は問題文、設問ともに最難関国立大学に対応したレベルで作成されています。
問題文自体に難易度の高い文章が採用されていることに加え、設問では『上級現代文Ⅰ』で学習した記述パターンを複数同時に使用する問題や、最難関入試でよく取り入れられる字数指定のない問題も扱われています。
数ある記述対策の参考書の中でも、トップレベルの内容といって間違いなく、最難関校を志望する受験生は必ず取り組んでおきたい一冊と言えるでしょう。
『上級現代文Ⅱ』はいつから使えばいい?
『上級現代文Ⅱ』をいつから使うかは、記述の対策がある程度進み、『上級現代文Ⅰ』に難なく取り組むことができる程度の記述力がついてからがおすすめです。
標準的な時期としては、演習段階に差し掛かる高校3年生の秋ごろが目安となりますが、上記のレベルに達していない場合は効果的に活用できません。
そのため本書に取り組む際は、時期よりも自身の実力を基準にいつから使うか判断することが大切です。
現代文が得意な人は共通テストが終わって二次試験までの期間に、予想問題として使っても良いですが、苦手な人の場合は自信を持って本番に臨めるよう早めに取り組む方がよいでしょう。
『上級現代文Ⅱ』の特徴
『上級現代文Ⅱ』は演習問題12題、模擬試験8題の計20題で構成されています。
内容や設問の難易度は『上級現代文Ⅰ』を上回る骨のある問題集ではありますが、採点基準や解説が豊富なので、記述形式の最終仕上げにぜひ利用してほしい参考書です。
本書の主な特徴として3つあげられますので、それぞれ順番に解説していきます。
詳細な採点基準と解説
記述問題で独学が難しいのは自己採点で答案を判断しなければならない点で、国語の先生や添削サービスを利用した方がよいのか迷う人もいるでしょう。
しかし『上級現代文Ⅱ』には、全問題に詳細な採点基準や解答例が掲載されているため、独学の人でも自分の作成した答案をしっかりと評価することが可能です。
自分で採点することで採点基準に対する理解が深まり、どのような解答が得点を得やすいのかを身に付けることができ、記述力アップの近道となります。
要約や要旨の把握が可能
解説文には本文の理解を深めるための段落要旨や構成図に加えて、100字の要約が必ず掲載されています。
質の高い問題文が取り上げられていますので、設問への解答だけでなく要約の練習に使用することもでき、読解力と記述力の向上に余すことなく活用できます。
問題文のテーマも多岐に渡っているため、じっくりと内容と向き合うことで、頻出分野の知識を深めるのに一役買うことでしょう。
シンプルで使いやすい構成
『上級現代文Ⅱ』はB5サイズと参考書としては大きめの作りになっています。
そのため学習途中に本を押さえていなくてもすぐに閉じてしまうことがなく、文章の多い解説のレイアウトも見やすいのでストレスなく学習することができるでしょう。
また、マス目つきの解答用紙が付属していますので、字数を数えたりマス目を用意する手間をかけずに、納得いくまで何度でも解答を作成することができます。
『上級現代文Ⅱ』の使い方
『上級現代文Ⅱ』はハイレベルな内容ですので、その効果を最大限に発揮させるためには、漫然と取り組むのではなく、工夫した使い方が重要になってきます。
ぜひ以下の使い方を参考にして取り組み、記述力の向上を目指してください。
採点基準を意識した解答を心がける
記述問題上達のコツは、なんといっても採点基準を意識し、採点基準から逆算した解答づくりができるようになることです。
当然のことながら記述は自分の意見や考えで字数を満たせばよいわけではなく、解答として盛り込むべき必要な要素があり、それを過不足なく満たした場合のみ得点になります。
要素外のことを冗長に書いても得点にはなりませんし、自分が本文の論旨を理解していることを採点者に伝える気持ちで解答を作成することが大切です。
したがって本書に取り組む際は、設問に対して必要な要素を常に意識し、そこから逆算した解答づくりを心がけることが肝要です。
時間をかけてじっくりと取り組む
後半の模擬試験問題には制限時間の目安が掲載されていますが、前半の演習に関しては時間は気にせず、十分に時間をかけて取り組みましょう。
まずは解答に必要な要素を箇条書きし、初めは文字数はあまり気にせず、すべて盛り込んだ下書きを作成するとよいでしょう。
採点基準を満たすのに必要な要素を盛り込むことが最重要なので、一度下書きを作成してから内容を削り、最終的に文字数の調整を行います。
思考のプロセスは必ず明確にしておき、復習の際は自分の答案に不足していたものを明らかにしましょう。
時間はかかりますが、一連の流れを丁寧に取り組むことをおすすめします。
本番までの予想問題として使用する
『上級現代文Ⅱ』をいつから使うかは、高校3年生の秋ごろをおすすめとしていますが、同時期に過去問演習にとりかかる人も多いでしょう。
もし両方に手が回らない場合は、記述問題に関しては、過去問は傾向を確かめる程度にして、本書で演習することをおすすめします。
というのも、過去問は問題作成者である大学側の採点基準や作問意図は公表されておらず、あくまで過去問作成者による予想となるからです。
一方本書や模擬試験の過去問集は、作問者自身が詳しい採点基準を作成しているので、採点基準を満たす解答作りの練習にはより適していると言えるでしょう。
『上級現代文Ⅱ』の注意点
『上級現代文Ⅱ』は、最難関国立大学を目指す人のための参考書で非常にハイレベルな内容となっていますので、読解力はもちろんのこと、十分な記述力を養成してから取り組むことが重要です。
記述力にまだ自信がない方は、『船口の最強の現代文記述トレーニング』『国公立標準問題集CanPass現代文』『得点奪取現代文記述・論述対策』『上級現代文Ⅰ』等の他の参考書で予め十分な実力を培うようにしてください。
取り組んでみたものの歯が立たないと感じた場合も、自分のレベルに合わせて上記の参考書に立ち返ってから再挑戦することをおすすめします。
『上級現代文Ⅱ』|まとめ
本記事では、東大・京大・一橋大志望者必携の『上級現代文Ⅱ』のレベルや使い方、いつから使ったらいいのかといった情報をご紹介しました。
『上級現代文Ⅱ』は最難関入試の難易度や出題傾向をもとに構成された実践的な参考書ですので、記述力の最終仕上げに最適です。
難関国立大では現代文以外の科目でも記述形式が頻出しますので、ぜひ本書で記述力を固めて、全教科の得点力に磨きをかけていきましょう。