『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』では、現代文を解くための「ルール」を知り、実際の入試問題を用いて「解法」を定着させることができます。
この記事では、『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』の使い方やレベル、いつから使えばいいのかなどについて解説します。
教材名 | ゼロから覚醒 はじめよう現代文 |
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ジャンル | 参考書 |
出版社 | かんき出版 |
出版日 | 2020年4月3日 |
必要時間目安 | 25時間 |
目指す大学群レベル | 産近甲龍 |
分量 | 176頁 |
具体的なおすすめポイント
- 現代文が苦手な人向けに、「読み方」「解き方」を解説している
- 例題→実践問題→解説を繰り返すことで解き方を定着させられる
注意点
- 実践問題は産近甲龍レベルなので、より上位の大学を目指す人にとっては物足りない可能性がある
- 例題と解説がメインの参考書なので、この一冊だけでは演習量を確保しにくい
現代文の「解法」に文法からアプローチする参考書『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』は、現代文の「超入門書」として現代文が苦手な人やこれから本格的に勉強し始める人向けに、「解法」を伝えてくれる参考書です。
これ一冊で現代文という科目の解説から、解法の解説とそれを踏まえた過去問演習まで行うことが可能になってます。
著者は「スタディサプリ」で国語講師をしており、「解法」を分かりやすく教えてくれることで人気である、柳生好之先生です。
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』はどんな人におすすめ?
本書をおすすめするのは、主に以下のような人です。
①現代文をはじめて本格的に勉強する人
②現代文が苦手、解き方が分からない人
③現代文をなんとなく解いていて、点数が安定しない人
本書は現代文の「超入門書」と銘打って、現代文の初心者や苦手な人に向けて書かれています。
問題の解説だけでなく、現代文とはどういう科目かや、何を試されているのかといったところから説明されています。
そのため、既に自分なりの読み方・解き方が定まっている人にとっては物足りなく感じるかもしれません。
「これから現代文を勉強する!」「現代文が苦手なので点数を上げたい!」という人にはおすすめの一冊です。
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』の特徴
本書の主な特徴は、以下の3つです。
①現代文の初心者、苦手な人向けの参考書
②現代文を読むための「ルール」を解説してくれる
③どんな問題に対しても使える解法を身に付けられる
以下では、それぞれの特徴について説明していきます。
どれか一つでも自分にとって必要だと思う内容があれば、ぜひ一度本書を手に取ってみてください。
①初心者、苦手な人向けの参考書
現代文という科目は、ほとんどの受験生が普段から読んでいる現代日本語で書かれた文章を扱っているにもかかわらず、どのように勉強していけば点数が上がるのか非常に分かりづらい科目です。
そこで本書では、現代文の勉強の仕方、問題への取り組み方が分からずにつまずいている人に向けて、現代文という科目が何を問うているのか、という背景から解説してくれます。
そのため、具体的な問題を解く前に、現代文への意識を変えてくれる一冊になるでしょう。
②現代文を読むための「ルール」を解説してくれる
古文や英語と異なり、現代日本語で書かれた文章は、日本語ネイティブの受験生にとっては漠然と読んでしまいがちなものです。
一方で、本書は現代文の「文法」に着目し、現代文を読むための「絶対的ルール」を教えてくれます。
助詞や指示語の使われ方など、文法面のアプローチから現代文の読み方を身に付けられる本です。
どんな問題に対しても使える解法を身に付けられる
本書ではとにかく問題を解くというスタイルではなく、「解法」を丁寧に身に付けていくというスタイルをとっています。
ここで身に付けた「解法」は、他の問題集や過去問にも応用可能です。
また、本書以外で現代文の問題を解く際にも、同じ「解法」を使う意識をもつことで、本書の効果を最大限に引き上げることができます。
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』の使い方
本書は以下の二部構成になっていますので、素直に構成通り読み進めるという使い方がおすすめです。
- 第一部 現代文を「正しく」読むための絶対ルール
- 第二部 大学入試問題を解いてみよう
それぞれの構成に合わせたおすすめの使い方を解説します。
まずは現代文を読むためのルールを学ぶ
第一部では現代文という科目の解説から始まり、現代文を「正しく」読むためのルール、テクニックが書かれています。
まずは気軽に本を読むようなつもりで、現代文の「読み方」を把握しましょう。
例題→実践問題→「覚醒ポイント」(解説)という流れで構成されていますが、最初は問題が解けなくても「覚醒ポイント」を熟読して、次の読解に活用するという使い方がおすすめです。
入試問題で解法を定着させる
第二部では、第一部で学んだ解法を活かして、実際に大学入試問題を解いていきます。
入試問題→解説で解法が身についているか確認し、いまいち定着していないようであれば第一部を復習するという方法で、本書で紹介されている解法を徹底的に「使える」ようにしていきます。
本書で掲載されている入試問題は3問のみなので、志望校の過去問や他の問題集で同じように解法を使うトレーニングをすれば、本書の効果をより発揮できるでしょう。
このように、本書は本格的な過去問演習に取り組む前に一読するというのが、おすすめの使い方です。
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』のレベル
本書のレベルは、現代文が苦手な層レベル、大学群としては産近甲龍をはじめとした私立大学レベルです。
第二部の入試問題では、近畿大学や京都産業大学の問題が掲載されています。
また、現代文の「解法」を解説するという趣旨の参考書なので、「現代文の解き方がよく分からない」「いつもなんとなくで解いている」という、まだ勉強法や解法が定まっていない人向けのレベルであると言えます。
しかし、より上位の大学を目指したい人であっても、現代文の点数が伸び悩んでいたり、解き方が分からないまま取り組んでいたりする人は、一読する価値があるでしょう。
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』はいつから使えばいい?
本書をいつから使えばよいかについては、模試が増えてきて受験を意識するようになる高2の後半頃から使うのが望ましいと言えます。
なぜかというと、本書では現代文の「解法」を教えてくれるのですが、その解法を定着させて自然に使えるようになるためには、「解法」を知った後の演習量が重要だからです。
受験間近になって「解法」を知っても、なかなか普段の読解に活かせるレベルにまで定着させるのは難しいでしょう。
そのため、いつから使えばいいかと問われれば、できる限り早い時期に一読しておく必要があるという答えになります。
ただし、高校の現代文で扱われる文章にある程度慣れた上で、「どう読んだらいいのだろう?」という意識を持ちながら取り組むことで、より大きな効果を実感できるタイプの本です。
そのため、高校入学直後のまだ現代文という科目にまったく慣れていない時期に始めても、よく分からないと感じることが多いでしょう。
高3や浪人生の人がいつから使うかといえば、本書を使って勉強してみようと思ったらすぐに、なるべく早くということになります。
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』の注意点
本書の注意点は、実践問題や入試問題が掲載されているものの、あくまで「参考書」であって、問題集ではないということです。
つまり、この一冊で入試現代文に必要な演習量を確保することはできません。
本書で「解法」を学ぶところからスタートして、他の問題集や志望校の過去問をたくさん解くことで演習量を確保していく必要があります。
また、本書を漠然と読んで実践問題を解いてみるだけでは意味がなく、実践問題を通して「解法」を身に付けることが重要です。
そのため、「解説は間違えたところだけ読めばいい」という取り組み方ではなく、一つひとつに時間をかけて向き合う必要があります。
つまり、少ない問題数に対してじっくり取り組む必要があるので、とにかく演習量がほしいという入試直前期には向いていないと言えるでしょう。
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』|まとめ
『ゼロから覚醒 はじめよう現代文』は、現代文が苦手な人向けに「解法」をじっくり解説している参考書です。
現代文は古文や英語に比べると読みやすく感じ、漠然と読んでしまい問題には正しく答えられない、ということが多い科目です。
しかし本書を通じて現代文の読み方を知ることで、今後の問題演習を質の高いものにすることができます。
そのため、これから模試や過去問に取り組んでいく高校2年生の秋頃に一読することをおすすめします。
また、既に高校3年生や浪人生の人でも、なるべく早く着手してその後の模試や過去問演習の量を確保することができれば、本書の効果を得ることができるでしょう。