科目 | 日本史 |
出版社 | ナガセ |
目的 | 日本史の基礎理解 |
対象者 | 日本史の基礎固めをしたい人 |
難易度 | 共通テスト・日大レベル |
分量 | 272ページ |
使用期間 | 高三夏休みいっぱい頃まで |
ジャンル | 日本史 講義系参考書 |
具体的なオススメポイント
初学者にも分かりやすい解説で、日本史の因果関係と流れがつかめる
注意点
別途、基礎事項を整理できる問題集を解くことで知識を定着させること
日本史が初めての人でも分かりやすい講義系参考書
『金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」がわかる本』は、あまり難易度も高くなく、日本史を初めて勉強する人にも分かりやすい講義系の参考書です。
TVでもお馴染みの東進の有名講師「金谷先生」によって書かれた参考書で、金谷先生の分かりやすい授業を1冊にした参考書になっています。
大学入試で出題される日本史の出来事について、基礎的な事項からそれぞれの出来事の関係も交えながら丁寧に解説してくれている本なので、初学者でもスムーズにインプットできます。教科書を読んだだけではいまいちイメージがわかないところや、覚えにくい部分はこの参考書を使って読みこなしていくのがおすすめです。
日本史は難しい参考書になるほど掲載されている知識の量も多くなるため、1冊覚えきるのに時間がかかる上に、1つ1つの細かい史実に気を取られて全体像が見えなくなってしまうため、いきなり難しい参考書に取り組んでしまうと途中で挫折する危険性が高くなってしまいます。
途中で挫折してしまわないためにも、まずは日本史全体の流れをざっくりと理解したうえで、その骨組みに肉付けしていくような形で細かい知識を補強していくようにしましょう。
簡単な問題集とセットで学習するのがおすすめ
『「なぜ」と「流れ」が分かる本』は、難易度の高くない問題が収録されているうえに問題量があまり多くないため、この参考書1冊で受験対策を完成させようとするのは少し危険です。
さらに、この参考書はレイアウトや構成が特徴となっており、1つの章の中で講義形式で説明が書かれているパートと、その知識を確認するためのチェック問題が掲載されているパートの2つに分かれているため、講義部分で理解した内容がしっかりと知識として身についているかどうかをアウトプットしながら確認していくことが可能です。
問題量はあまり多くないとは言えども最低限必要な知識や情報が記載されているため、この参考書に載っている問題をいきなりマスターしようとすると、日本史を初めて勉強する人にとっては暗記する知識の分量が多くなってしまうので、さらに簡単なレベルの問題集を使って演習を積み重ねながら徐々に理解していくのが良いでしょう。
セットで学習するのに適したレベルの問題集としておすすめなのは、『スピードマスター』シリーズや、同じ著者が出している『センター日本史はこれだけ』などです。
これらの問題集は、基礎的な知識をしっかり身につけていくことができるので『「なぜ」と「流れ」が分かる本』の講義部分で理解した知識を無理なく整理していくことができます。日本史に出てくる出来事の流れをこの参考書で把握しつつ、問題集を使って暗記すべき事項を1つずつ頭に入れていきましょう。
出来事と人物がセットで記載されているので分かりやすい
日本史の参考書は、レベルの高いものほど情報量が多いため、1つ1つの細かい知識は載っているけどもそれらの関係性が把握しづらいということがあります。
しかし、『金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」がわかる本』では、そのタイトルの通り「なぜ、その出来事が起きたのか」であったり「出来事の流れがどうなっているのか」であったりという点が分かりやすく解説されているため、出来事の関係性などもしっかりと把握することが可能です。
特に、日本史を学習する上でポイントとなる出来事と、それに関連した人物の情報がセットになって記載されている点がこの参考書の特徴となっているため、事件の因果関係と経緯を把握することができるだけでなく出来事と人物を関連付けて記憶することができ、人物と出来事の対応が分かっていないと解けないタイプの問題や、出来事を時系列順に並べる問題などにも対応できるようになります。
これらの問題は、細かい知識を持っているかというよりも全体像を把握できているかどうかの方が重要になり、さらに完答することで高い点数が稼げる問題が多いです。
高得点を狙うためにも『金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」がわかる本』を使って、基本的な流れをしっかり理解しておきましょう。
流れが把握出来たら、過去問演習も忘れずに
『金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」がわかる本』や、併用する問題集を使って日本史の知識が一通り身に付いたら過去問演習に取り組みましょう。
大学や学部によってどれくらいの難易度まで日本史の知識を問われるかが変わってくるため、志望する大学の日本史の出題傾向に合わせて必要な学習を進めていくことが大切です。
もし、過去問を解いた上でそもそも知らない史実や人物名が出てきて点が取れないようであれば、さらにワンランク上の問題集に掲載されている知識も覚えていく必要があります。また、知識は足りているけれど出題形式に慣れていない場合は同じ問題でも良いので繰り返し解き、時間内に合格に必要な点数が取れるように練習しておきましょう。
論述問題がある場合には、自分が書いた答案と模範解答を見比べて抜けている要素がないかどうかチェックすることも重要です。
起きた出来事を時系列順に並べ替える問題が頻出する大学を受ける場合には、年代の暗記を徹底しておくことで細かい史実の前後関係も間違いなく答えられるようになるのでおすすめです。また、年代の暗記は語呂合わせで覚える参考書なども別途出ていますので、必要に応じて取り組むようにしてください。
まとめ
本記事では、『金谷の日本史 「なぜ」と「流れ」が分かる本』の特徴と使い方についてご紹介しました。
この参考書は、授業をそのまま1冊にしたかのような参考書のため非常にわかりやすく、噛み砕かれた形で日本史の基礎事項やそれぞれの出来事の因果関係や経緯を解説している良書です。
そのため、日本史を初めて学習する人でも理解しやすいのですが、教科書と併用することでさらに理解が進みやすくなります。
別途、基礎事項の理解度をチェックできる問題集を併用することで講義部分の解説をきちんと理解できているかどうか、記憶の定着度をチェックしながら学習することをおすすめします。
ぜひ、まずはこの1冊で日本史の概要と出来事の因果関係を把握していってください。