科目 | 日本史 |
出版社 | ナガセ |
目的 | 日本史の知識完成 |
対象者 | 日本史の知識を固めたい人 |
難易度 | 日大、MARCH~最難関レベル |
分量 | 440ページ |
使用期間 | 高3~夏休みいっぱい頃まで |
ジャンル | 日本史 空欄補充問題集 |
・オススメポイント
最高難易度の問題まで網羅的に掲載
・注意点
1冊目としては不適当。
講義系の参考書と併用して、志望校のレベルに合った難易度の問題を解くこと
難しい問題まで極めたいなら『日本史B 一問一答』
『日本史B 一問一答』は、難しい問題まで完璧に極めることも可能なおすすめの問題集です。構成はシンプルで、問題が空所補充形式で載っていて、その後に答えが載っているというもの。解説も比較的シンプルで、問題数としてはかなりボリュームがあるという形になっています。
レベル別に問題の難易度が分かれているので、自分が必要なところを選んで学習することが可能です。空所補充になっている箇所と、プラスアルファの知識として赤文字になっている箇所がありますが、まずは空欄が正解できるというところを目指しましょう。
赤文字については関連語として頭の片隅に入れておけば大丈夫です。もちろんすべてを暗記してもよいのですが、かける時間に対しての得点アップという効率の面で見ると、そこまでの必要は無いといえるでしょう。
また、一問一答正式の問題集は繰り返し解いていると問題が出てくる順番や場所で答えをなんとなく覚えてしまうことがあります。ですが、それでは入試本番で応用が利きません。答えのみを覚えるのではなく、きちんと問題文の内容とリンクさせて記憶していきましょう。
志望校のレベルに合わせて★の数で解く問題を選ぼう
一問一答の問題には重要度度別に★が書かれています。
★の数が多ければ多いほど頻出の問題となるので、難易度としては簡単な方から順に★3つ~★0までの4段階です。
志望校別に難易度分けするとすれば、日大くらいまでの偏差値の大学ならば★3つ~★2つくらいまでの知識があればOKです。そして、MARCHクラスの受験には★1つまで、早慶も★1つまでしっかり極まっていれば十分。★0については「大学入試には出ません。」と明記されている程なので、ほとんど必要はありません。もし出たらラッキーぐらいの心構えで余裕がある人はマスターしておくと、ほかの受験生に差がつけられるでしょう。
いずれにしても、★1つまでの空欄補充で正解がわかるようになっていればたいていの問題は解ける力が身につくので、順番にできるようにしていってください。
日本史の1冊目としてはおすすめしない理由
ただし、この教材は日本史を全くやったことがない初学者の1冊目としてはおすすめしません。いきなりこの本から学習してもその語句が重要である理由や背景、歴史としての流れがわからないので、覚えてもすぐ忘れていって学習効率が悪いからです。
そのため、まずは日本史の基礎的な部分の知識をある程度身につけた後の2冊目以降の問題集として使っていきましょう。ちなみに1冊目としては『詳説日本史ノート』など、一問一答よりも易しめの網羅的な問題集をおすすめします。流れが理解できないところがあれば、教科書や資料集の該当箇所を見直して知識を整理しておきましょう。一問一答に取り組む前に基本的な用語を頭に入れておくと、スピーディに進められます。
自分のレベルを分析し、そのレベルに応じた参考書に取り組むことが短期間での偏差値アップにつながります。日本史初学者の人は特に参考書の順番に注意してください。
『一問一答』を使ったおすすめ学習法と注意点
この教材は網羅的にすべての難易度の問題を含んでいるので、全部を極めようとするとそれなりの時間と労力がかかります。自分が受ける志望校で出題されるレベルをオーバーしてしまっても効率が良くないので、前述の★の数を参考にして一通り解き終わったあと、必ず過去問にチャレンジしてみてください。
過去問を解くと、今の自分の実力と合格に必要なレベルとのギャップがはっきりわかります。その上で、得点アップに必要な知識が一問一答で身につくのであれば繰り返し復習を、そうでなければ状況に応じて勉強する内容を調整していきましょう。
たとえば、用語集レベルの知識がきちんと頭の中に入っているかどうかといった知識量に課題があるのか、教科書に載っているレベルの歴史の流れの把握に課題があるのか、あるいは正誤問題の正解率が低いのかなど、点数が取れていない原因が何なのかをきちんと把握することが大切です。その原因をつぶす対策として一問一答の知識問題が有効であれば継続して、正誤問題や流れの理解が甘いようであれば別の参考書や問題集を活用して得点力をアップしていってください。
まとめ
日本史B一問一答は、あらゆる難易度に対応できる空欄補充問題が網羅的に載っている良書です。自分の志望校のレベルに必要な難易度の問題を選んで順番にマスターしていくことで、知識の穴が効率よくカバーできます。
ただし、1冊目として取り組むにはかなり厳しいので、流れや最低限の知識は別の参考書で一通り抑えてから着手してください。ある程度正答率を上げてから取り組んだ方が時間も労力も節約できます。また、空欄補充のところと赤文字のところがありますが、まずは空欄補充のところを一通り正解できればOKです。赤文字の情報は周辺知識として抑えておけば実際の入試問題を解くときの手がかりになるので、語句として暗記するよりも空欄の用語との関連を頭の片隅に入れておくようにしましょう。
そして一問一答を一通りやりきった後は、必ず入試問題を解いて自分の実力をチェックしておいてください。人によっては空欄補充よりも正誤問題などの演習をした方が得点アップすることもあるので、自分に足りていない部分を補うために適切な参考書で知識を整理していきましょう。