科目 | 英語 |
出版社 | 開拓社 |
目的 | 英語要約対策 |
対象者 | 英文要約ができるようになりたい人 |
難易度 | 全大学レベルの要約に対応 |
分量 | 111ページ |
使用期間 | 高三夏休み明け~過去問演習前まで |
ジャンル | 英文要約参考書 |
・具体的なオススメポイント
1文など非常に易しい要約から順番に理解していくことができる
・注意点
英単語や文法の基本を押さえてから要約に取り組むこと
絶版
追記(2020年7月30日):
この記事でご紹介している『英文解釈要約精講』は絶版となり、2019年8月に新装版が出版されました。
『【新装版】英文解釈要約精講』についての記事はこちらで公開しています。
英文の要約問題を解くならこの1冊!『英文解釈要約精講』
『英文解釈要約精講』は、英語で書かれた文章を読解して、その内容について日本語で要約するタイプの問題が学習できる参考書です。かなり昔に出版された本ですが、内容が他の要約問題集と比較してもかなり分かりやすいため、おすすめできる参考書となっています。志望する大学の英語の入試で英文の要約問題が出題される人は、この参考書を使って要約するスキルを身につけていってください。今回は、そんな『英文解釈要約精講』の特長や使い方について解説します。
非常に簡単な要約から順番にステップアップできる
『英文解釈要約精講』は、最初に載っている問題から後半の問題にかけて徐々に難易度が上がっていくような構成になっています。一番最初の問題については、要約が苦手な人でも解きやすい「1行だけ」といった内容で、共通テストくらいのレベルの長文がある程度読める人であれば簡単に読解できるものが題材です。
「こんなに短い文章で練習して、本当に役立つの?」と思ってしまう人も居るかもしれませんが、実はこの一番最初の問題の易しさが、『英文解釈要約精講』が他の参考書よりも優れた点なのです。というのも、英文要約の問題の難しさには2つの要素があり、1つは英文解釈自体の難しさ、もう1つが「要約」という作業の難しさです。多くの要約について扱われた他の参考書では、いきなり難しい英文の要約問題からスタートしています。
しかし、それでは英文を理解することに気が取られてしまい、肝心の要約の実力が身につかないことがあります。その点、『英文解釈要約精講』で扱われている最初の方の問題は、英文を理解するところまでは無理なくできる易しい文章を題材にすることで、要約の方に集中して学習をすすめられるように工夫されているのです。本文の内容のどこが大事なのか、どこを残してどこを削るのか?といった要約のコツを身につけながら、徐々に長い英文の解釈もできるようになるのがこの教材の特長です。
『英文解釈要約精講』を使った英文解釈の学習ポイント
1つ1つ、最初から順番に解いていけば自然と英文解釈の実力が身につく『英文解釈要約精講』ですが、学習のポイントがあります。まず、「最初は必ずノーヒントで、自力で要約を書いてみる」ということです。英文を読んで、「何となく難しいな」と思って答えを見てしまうと、学習効果が低くなってしまいます。そうではなく、まず辞書や解答に頼らず、自分なりに英文を解釈したうえで、重要だと思うポイントを要約してみましょう。その後で、解答解説の要約と見比べてみてください。その際、要約が一字一句同じである必要はありません。
それよりも、模範解答で触れられている要素と、自分が要約として書いた要素がどれくらい一致しているか、模範解答に合って自分の要約にはない要素は何か?などが重要です。これらを見比べたうえで、必要以上に削ってしまったところや、不要なところがどこかを考えることで、要約に必要な考え方が身につきます。
また、文字数制限を気にして少なめに書くよりも、最初は字数をオーバーするぐらいで書いておいて、あとから削っていくというやり方がおすすめです。少ない字数を膨らませる書き方だと、文字数稼ぎで同じことを繰り返したり、言い換えたりするだけで内容が薄くなってしまうことが多いです。それよりも、ある程度幅広く要素を盛り込んで置いた上で、あとから重複個所や重要度の低い要素を削ることで字数制限に収める書き方をする方が、内容も濃く、要約の上達も早くなります。
注意!単語や文法、英文解釈が苦手な人は先にそちらから
『英文解釈要約精講』を解く前段階として、大学入試で登場する基本的な単語や文法、英文解釈の基礎は身につけておくようにしましょう。基本的な単語や文法がおろそかなままこの教材に取り組んでも、解釈や要約以前のところでつまづいてしまい時間がかかる割に学習が進まないということになりかねません。
そうならないために、英語の基礎固めを先に済ませたうえで、要約や解釈の練習としてこの教材をスタートするのがおすすめです。なお、単語帳としては『システム英単語』や『ターゲット』など、スタンダードな単語集を1冊、まずは英語をみて意味が1つ分かるレベルに仕上げること、文法については『NEXTSTAGE』や『VINTAGE』が7~8割は解けるという状態に仕上げた状態が目安となります。ここまで抑えた上、で解釈・要約の練習として『英文解釈要約精講』に取り組むようにしましょう。
まとめ
今回ご紹介した『英文解釈要約精講』は、英文解釈と要約を段階的に学べる良書です。最初は1文だけなどの非常に簡単に読み解ける英文の要約練習から始まり、最終的には難関大学の英文要約問題にも対応できる実力が身につくような作りになっています。
まず先に単語や文法の基礎を仕上げておくことは必要ですが、その後であれば、要約が苦手な人であってもこの教材を使って高得点が取れるようになるでしょう。志望大学の入試に英文要約が出題される人はぜひ、『英文解釈要約精講』を使って、英文解釈と要約の考え方を身につけていってください。