科目 | 英語 |
出版社 | Z会出版 |
目的 | 英会話問題対策 |
対象者 | 英会話問題対策をしたい人 |
難易度 | 基本~最難関レベルまで |
分量 | 248ページ |
使用期間 | 高三夏休み明け~過去問演習前まで |
ジャンル | 英会話問題集 |
・具体的なオススメポイント
英会話問題に特化した良問が集められていて、解説もまとまっている
・注意点
英会話問題に特化しているので、英会話問題が苦手な場合のみ取り組むこと
英会話問題が苦手な人におすすめ『英会話問題のトレーニング』
『英会話問題のトレーニング』は、タイトルの通り英会話形式になっている問題の対策演習ができる参考書です。英会話問題とは、1人~3人といった登場人物の会話が、セリフとして書かれている者に対して答えるタイプの問題のこと。長文読解とは異なるテクニックが必要になるため、他の読解ができても英会話形式の問題はなぜか間違ってしまうという人も少なくありません。
この参考書では、そうした英会話問題を解くためのポイントやテクニックが身につけることがかのうです。今回はそんな『英会話問題のトレーニング』について、特長や使い方を詳しくお伝えしていきます。
過去問を解いた上で、この教材をやるかどうか決めよう
実は、英会話問題が解ける人は、特にそれ専用の対策をする必要はありません。そのため、まずは志望大学の過去問に英会話形式の問題が出ているかどうかをチェックしてみてください。できれば一度解いてみて、問題なく解けるようであれば大丈夫です。もし、志望大学で出題される英会話形式の問題が難しく感じるようであれば、この『英会話問題のトレーニング』を使って解き方のポイントを学習することをおすすめします。
英会話問題は長文読解と読み方が異なる
長文読解ができるけれど英会話問題が苦手という人は、会話問題と長文読解の読み方の違いに着目できていないことが多いです。実は、普通の説明文や物語文といった読解問題と、英会話形式の問題では読み取るべきポイントが異なります。長文読解では、文章を最初から順番に読み取っていけば基本的な情報を読み取っていくことが可能です。
しかし、英会話形式の問題では、文章として表現されている情報そのものに加えて、発話者の立場や会話の前後での文脈、背景を考える必要があります。たとえば、「明日ピクニックに行く予定だったけど雨が降りそうだね」といった発話に対する返答として、適切な選択肢を選ぶといったような問題では、答える側の視点として複数の可能性が考えられます。「そうだね」という賛成の返答もあれば、「雨は降らないと思うよ」などの反対の返答、そして「雨が降ったら延期しよう」などさらに会話を展開させるような返答もあり得えます。
これらは、どのパターンの返答であっても文脈に沿ったものになるので、どれも正解になる可能性があります。実際の問題では、「ピクニックは楽しいですね」などの文脈に沿わない選択肢が混ざっていて、これらを排除できるかどうかが会話問題を解くポイントです。間違った選択肢には、一見正しそうなキーワードがちりばめられていたりするので、こうした選択肢にひっかからずに解く練習をしておくのが良いでしょう。『英会話問題のトレーニング』には、こうした前後の文脈を読んで答える問題が多数掲載されています。
『英会話問題のトレーニング』は3部構成
『英会話問題のトレーニング』は、3つのパートに分かれて英会話問題の各種出題形式の演習ができるようになっています。1つめのパートでは、発話者のセリフが1文書かれていて、それに対する返答を選ぶ問題が扱われています。この形式では、先ほど例に挙げたような文脈を読み取って答えることが大切です。そして、2つめのパートでは、3~5行の会話を切り取った問題が扱われています。
こちらは、先ほどよりも少し会話内容が複雑になるため、セリフから話者の立場や意見、会話の流れを読み取るテクニックが必要です。最後の3つ目のパートでは、さらに長い長文形式での会話問題が掲載されています。最初から順番に読み取っていけば情報が理解できる普通の読解問題と比べて、会話ではある一言を境に同じ話者でも立場や意見が逆になったりすることもあるので、注意深く読解する必要があります。
こうした、英会話問題に対応するためのパターン演習ができるのが、『英会話問題のトレーニング』の特長です。また、それぞれのパートで出題される「会話における重要表現」も知識としてまとまっています。口語の英語特有の言い回しやフレーズは、意味を知っていないと直訳では全く分からないというものも少なくありません。この教材を使って、そうした会話特有のフレーズを暗記しておくのが良いでしょう。
なお、この教材の解説は分かりやすいですが、文法の基礎事項については特に触れていないため、もし単語や文法などの基礎的な部分につまづくようであれば別途、文法や英文解釈の問題集を仕上げてからこの教材に取り組むことをおすすめします。
まとめ
『英会話問題のトレーニング』は、英会話問題の演習ができる参考書です。自分が受ける大学の過去問に英会話形式での問題が出ていて、かつそれらの問題を解くのが苦手だという人にはおすすめの1冊となっています。英会話問題は、通常の読解問題と比べて読み方が異なるので、読解は解けるのに会話問題は解けないという人は解き方のテクニックを身につけるのが良いでしょう。
会話問題は、発話者の立場や会話の前後の文脈を読み取って答える必要があるので、『英会話問題のトレーニング』で出題されている問題を通してよくあるパターンに慣れ、英会話問題特有の解き方をマスターするようにしてください。