科目 | 英語 |
出版社 | 河合出版 |
目的 | 英語長文読解の基礎固め |
対象者 | 日大、共通テストレベルの長文読解の実力をつけたい人 |
難易度 | 日大、共通テストレベル |
分量 | 長文30題収録 |
使用期間 | 高3夏休み~過去問演習前まで |
ジャンル | 英語長文問題集 |
・オススメポイント
300語レベルの長文問題が、解き方や正解の根拠まで含めて学べる
・注意点
浅いやり方で解くのはNG。きちんと正答の根拠を説明できるようにすること
共通テストや偏差値50前後の私立対策のための長文問題集
『やっておきたい英語長文300』は共通テストや日大をはじめとする偏差値50前後の私立大学の英語長文問題対策向けの問題集です。30題の英語長文が掲載されていて、それぞれの問題に対して解き方の解説がついているという構成の教材です。
問題文の全訳はついていますが、全ての文章について詳しくSVOCが解説されているわけではありません。そのため英語長文対策のテキストとしては一冊目というよりも二冊目に取り組むための教材という位置づけになっています。なお「やっておきたい」シリーズはこの本を含めて4冊出ていて、他に500、700、1000というバージョンがあります。今回紹介する300はその中でも一番簡単なレベルのもので一つにつき300語ほどの分量の英語長文が問題として掲載されています。
この1冊に取り組む前にやっておきたい問題集
英語長文読解の問題集の一冊目としてはお勧めしません。というのも、この問題集は解説に書いてある内容を学ぶというよりは、学んだ内容を活用して問題を解く方法を実践するアウトプット型の問題集だからです。では一冊目としておすすめの本は何かというと、安河内哲也先生の『英語長文レベル別問題集』の4です。この教材はSVOCなどの解説文問題を解くために必要な知識が学べるインプット型の問題集です。
単語や熟語文法が一通り終わって、日大や共通テストレベルの長文演習に取り掛かる際、まずは一冊目にレベル別問題集の4をやって、その次の演習として「やっておきたい300」に取り組むという順番で学習を進めましょう。なお、この教材が終わった後におすすめなのは、 安河内先生の『大学入試英語長文ハイパートレーニング』 のレベル2です。こちらもインプット型の問題集となっています。やっておきたい300はアウトプット型の問題で他の2冊と比べると解説が少しだけ薄いので取り組みにくい人もいるかもしれません。
問題演習量が足りないと後々伸び悩むので、30題きっちりと取り組んだ方が良いです。1日2題のペースで解いていけば2週間強で終えることが可能なので、計画的に取り組んでいってください。
解けない場合は「単語力」に問題あり?
いざこの教材に取り組もうとしても全然歯が立たないという場合があります。そういう時ほとんどの場合原因となっているのは単語力の不足です。 受験英語の単語対策におすすめの教材『システム英単語』の2章まで覚えているとだいたい共通テストレベルの単語はカバーできているのですが、ここまでの知識が曖昧だとやっておきたい300の英語長文の読解は難しいです。英語に限らずどの科目も、解けない問題があるときはだいたいその前提となっている知識が足りていないことが原因なので、 そういう場合は一旦前の段階に戻って必要な知識をきちんと固めてから取り組むようにしましょう。
なお共通テストレベルの単語が覚えられている場合でも、分からない単語というのはどうしても出てきます。そういう時に単語集の難しい章を新たにインプットするか、それとも長文の中で出てきた単語をその都度ルーズリーフなどに書き出して覚えるかは迷うところだと思います。おすすめなのは後者の方法で、長文の中で出てきた英単語をひとつひとつ押さえていく方が効率が良いです。
ただ解くだけではNG!解き方の注意点
この教材を解き進めるにあたって注意点が一つ。それはただ漫然ととくだけでは長文読解で得点する力はなかなか身につかないということです。正しい勉強法で進めていかないと英語長文を解くために必要な考え方を習得することはできません。
解き方のポイントとなるのは、各設問についてなぜその答えになるのか自分なりに説明できる状態まで理解することです。全訳が一通りできる程度の理解にとどまっていると、少し物足りません。そうではなくて、例えば内容選択の問題であれば解答の根拠となる文章はどのあたりにあるのかだったり、下線部訳の問題であれば文の構造を丁寧に把握するといった考え方が重要です。解答の根拠を自信を持って説明できるレベルがこの問題集の目指すべき到達点なので、必ず解説を読んで理解し自分の言葉で説明できるようにしましょう。
なおこの教材の解説にはどちらかと言うと文の構造や訳の解説よりも、英語長文問題を解くためにどんな考え方をすれば良いかの解説が多いです。問題を解くためにポイントとなる考え方が習得できる実践的な問題集ですので、しっかりと取り組んで未読の問題にも対応できる力を養ってください。
まとめ
「やっておきたい300」は英語長文の良問が30題とたっぷり含まれている実践的な問題集です。 単語や文法の基礎知識が固まってある程度和訳ができ、1冊目の問題集としておすすめの「レベル別」が解き終わった後に取り組むことでさらなる実力アップが期待できます。共通テストや日大をはじめとする偏差値50レベルの私大の英語長文を解く実力を身につけたいならその名の通り「やっておきたい」問題集です。
なお最初に取り組んだ時は少し難しいなと思うぐらいがちょうど良いです。頑張っては解けるくらいの難易度で演習を積むことで未読問題でも点を取る実力が身につきます。今回紹介した勉強法で、解答の根拠まで含めてしっかりと説明できるレベルでやり込んでください。