科目 | 英語 |
出版社 | 角川学芸出版 |
目的 | 英単語・英熟語 |
対象者 | 周辺知識とセットで英単語を覚えたい、英語が得意な受験生 |
難易度 | 国公立、東大レベル |
分量 | 666ページ50セクション (単語3,196個、熟語1,053個) |
使用期間 | 高2~受験直前 |
ジャンル | 単語・熟語集 |
・オススメポイント
英作文にも応用が利く高度な単語力が身につく
・注意点
情報量が多いので、とりあえず共通テストレベルの英単語を手っ取り早く覚えたい人には向かない
1単語あたりの情報量が多い単語・熟語集『鉄壁』
単語熟語集『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』は、そのタイトルに「東大」の文字が入っている通り、 基本的には東大を目指す生徒のために作られた単語熟語集です。
しかし、東大受験生以外にも役立つ特徴がたくさんあります。
まず第一に、 1単語あたりの情報量が多いということです。一般的な単語帳は、英単語が載っていて、それに対する日本語が多くても2、3個ほど載っているというものが多いです。
それに対して鉄壁では、基本的な英単語でも、「そんな使い方があったの?」と初めて知るような語義が掲載されていたりします。
さらにそれだけでなく、 類義語や派生語、接頭辞や接尾辞、その単語の意味の成り立ちまで網羅的に書かれているため、ただ英単語の意味を丸暗記するだけではなく、背景まで含めた深い知識が手に入ります。
『鉄壁』の使い方と注意点
鉄壁はどのように使っていけば良いのでしょう?
まず、そもそも前提として東大クラスの受験英語力を身につけたい人のための本なので、全く英単語を覚えてないと言う受験生や、最初の一冊をどれにしようか迷っているという人が手をつけるにはミスマッチになってしまう危険性があります。
その情報量の多さから、比較的分厚い単語集なので隅から隅まで几帳面にこなして行こうとすると膨大な時間がかかってしまいます。
あまり几帳面にやりすぎずに、何周も繰り返し解くことでだんだんと英単語の知識を深めていきたいという人にオススメです。
逆に、雑に一通りやっただけで満足してしまうという使い方はやめましょう。
そのような覚え方で単語量を増やすのであれば、鉄壁ではなく、一語一訳形式のもっとスタンダードな単語帳を使った方が良いです。
例えば『シス単』や『ターゲット』のようなシリーズで基本的な単語力を身につけて、その後でさらにボキャブラリーを強化するという目的で使うのに向いています。
ほかの単語集との違いは?
単語以外の情報も非常に多いことがこの教材の特徴です。
単語の覚え方だったり、単語の成り立ちに関する情報が相当な分量含まれています。
そのため、語学的な背景知識を知ることによってそれぞれの単語の意味を深く印象付けて覚えられるタイプの人には、 読み物としても面白いハイレベルな単語集となっています。
基本的な単語集を終えた後の2冊目として取り組むと、 それまでに覚えた単語への理解が深まり、その単語が持っている二つ目、三つ目の意味は比較的スムーズに頭に入っていくでしょう。
ただ単語暗記することに精神的な苦痛を感じる人や、 周辺的な知識があることで覚えやすくなるというタイプの受験生におすすめです。
『鉄壁』なら英作文にも応用が利く
基本的な単語でも、 複数の意味や使い方が網羅的に掲載されているので、難解な言い回しをせずにどうやって自分が言いたいことを英語で表現すればいいのか?といったポイントも理解できるようになっています。
そのため、 鉄壁を使って身につけた英語の知識は、 英作文にも使い回しが利くことが多いです。
特に東大の英語は、自由英作文形式の記述問題が多いため、 表現したいことをできるだけ多くのパターンで英語かできる力が問われます。その時、鉄壁で体系的に身につけた英語の知識が役立つということです。
類義語などを使って、一つの事を複数の言い回しで英作文できるようにするトレーニングも、 この教材を使うと効率的に進められます。
もちろん、英作文だけでなく、 ハイレベルな英文解釈にも役に立ちます。
東大など、 国公立の大学受験では特にそうですが、専門用語や他の受験生がまず知らないような難解な単語というよりは、誰でも見たことがある単語の意外と知られていない訳語などで差がつくことが多いです。
そうした盲点となりがちな意外な語義も鉄壁でカバーできるので、他の受験生に差をつけたい人はぜひ、この教材をやり込んでください。
まとめ
鉄壁は、見た目も分厚く、 情報量もかなり多いので、敬遠されがちな教材でもありますが、 何周も繰り返し学習することで身につく知識はかなりハイレベルなものになります。
そのため使い方には注意が必要で、手っ取り早く単語を覚えたいというのであれば、別のスタンダードな英単語帳を使って、一語一訳で知識を身につけていく方が効率的です。
そうではなく英作文のための体系的な英語の知識を身につけたり、 東大に限らず国公立の英作文、英文解釈で困らないための語彙力を身につけたい、という人にはおすすめできる一冊です。
基本的な単語を身につけたら、後はこの鉄壁を何周も何周も読み込むことで、丹後力熟語力のみならず、総合的な英語力アップが見込めます。
この一冊をやると決めたら、 最後まで手放さず徹底的にやりこむことで、英語力アップが期待できる教材、 それが『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』です。
東大レベルの英語力を獲得したい受験生はぜひ挑戦してみて下さい。