科目 | 化学 |
出版社 | 三省堂 |
目的 | 化学の総仕上げ |
対象者 | 難関大学受験者 |
難易度 | 難関大レベル |
分量 | 775ページ |
使用期間 | 高校3年〜 |
ジャンル | 化学参考書 |
・具体的なオススメポイント
化学の内容は全て網羅しているような情報量
・注意点
重量と内容量が多いため人によってはオーバーワークになる可能性がある。
化学の全ての内容を網羅した化学の百科事典
『化学の新研究』は、「化学のことならここに全部載っている」というくらいの化学の百科事典のような参考書です。情報量、網羅性が非常に高く、すでに化学の学習は一定程度終わっているような学生、難関大学の受験生、本当に化学が得意な受験生に向けた一冊となっています。
「一般に難関とされている大学の入試では,高校での学習範囲をかなり超えたレベルの問題が平気で出題されています。そのような大学を目指して,日夜勉学に精励している高校生や受験生諸君の知的要求を満たし,その志望をかなえさせるために書かれたのが本書なのです。」と著者が記しているとおり、高校の学習範囲を超えた内容も躊躇なく掲載されてます。
そのため、本書『化学の新研究』を1から読み込もうとすることは、受験生にとっては逆にオーバーワークとなります。したがって、参考書として読み込むのではなく、百科事典のような感覚で、他の問題集を解く際に傍においておくような使い方をすることをオススメします。
化学の新研究 新課程版の特徴
『化学の新研究』の情報量とその深さは多くの受験生にとってはオーバーワークとなるほどです。基本的に本書は上位旧帝大・早慶・医学部志望の受験生向けになります。「化学の基本問題はわかるが、複雑な問題設定になってくると対応ができなくなる」という受験生や「理論は丸暗記ではなくその理由が知りたい」という受験生にはオススメです。
著者も述べていますが、高校の授業で使用する化学の教科書というのは簡潔に理解できるように内容を省略している事が多いです。それに対して昨今の受験化学は覚えなくてはならない事象が非常に多く、それぞれがとても複雑なものになっています。そういったことを踏まえて、本書ではゼロから丁寧に全てが説明してありますので、細かい説明や論理まで理解したい、もしくは細かい情報が必要な受験生にとっては大変に貴重な存在になるでしょう。
『化学の新研究』では、理論の成り立ちや、数学的・物理的視点から事象を分析、説明していますのでよりイメージがしやすく、これまでただ暗記をしなくてはならなかった事が論理立てて理解できるようになっていくでしょう。
反対に、化学が苦手な方や、大まかな内容だけおさえておければ問題ない受験生にとっては内容が重すぎて、無駄の多い学習になってしまう可能性もはらんでいます。内容だけでなく、物理的にもとても大きく重い本ですので、気軽に持ち運んで電車の中で勉強をするというイメージではなく、机においておき、辞書のように使っていくことをオススメします。
化学の新研究 新課程版の使い方
著者も述べている通り、『化学の新研究』一般的な参考書に記載のあるような重要事項をまとめた「まとめページ」のようなものが存在しません。その分、情報量が多く、それぞれの事象に対するコメントや解説が多く載っています。また同様に、入試問題の「解法」についても特に記載したページはありませんので、実践的な問題の解法や問題に向き合った時の論理的な流れについては別の参考書で練習をしていく必要があるでしょう。
本書の内容としては、第1編の「物質の構造」から始まり、第2編「物質の状態」、第3編の「物質の変化」そして第4編では「無機物質性質」、第5編では「有機物質性質」、その後第6編では「高分子化合物」に触れ、化学のほぼ全ての内容を完全に網羅していきます。
一般的な参考書の1.5倍程度のページ数でまとめられた本書は、一般的な参考書として読み込んでいくのではなく、あくまで百科事典として、他の化学の参考書や問題集を解く際に傍に置いて、わからない箇所について逐一本書をひき、確認をしていくための一冊としておくのがよいでしょう。
こちらも合わせて学習してみよう
すでに述べてきたように、本書『化学の新研究』はあくまで百科事典的な、化学現象の解説が丁寧で豊富であるという特徴を持った参考書です。
実際に大学入試で出題されるような問題を解くということにはフォーカスが当たっていません。そのため、問題の解法や論理的な導き方について本書で学習していく事は非常に難しいことになりますので、別の問題集などで実践問題にふれて、トレーニングをしていく必要があります。『化学の新研究』と合わせて学習するのにオススメなのは『重要問題集』でしょう。
化学問題集のキングであるこの本は、おそらく化学受験問題集ではトップシェアを誇る一冊です。かなりの難問も多いため、難関大学対策としてぴったりでしょう。『化学の新演習』は本書と同じ著者が書いています。そのため『化学の新研究』ととても相性の良い問題集です。『重要問題集』よりはやや難易度が上がりますが、解説も丁寧ですのでオススメです。
まとめ:化学の新研究 新課程版
『化学の新研究』は化学の事なら何でも載っているといっても過言ではないくらいの情報量を誇る化学の百科事典的な存在です。
難関大学合格を目指す受験生はぜひ本書を机の傍において、化学の参考書を解く際には参照をしてみるようにしましょう。難しい問題で理解ができない内容があったとしても、大概の化学の事象についてはこの一冊があれば安心、ぜひ手元に一冊置いておくことをオススメします。